- m3.com 電子書籍
- 救急・集中治療(35巻3号) 徹底ガイド 栄養療法
商品情報
内容
「栄養療法」の基礎から応用まで幅広く解説し、医療従事者および他の医療関連職種の方々にも必携の一冊。
序文
徹底ガイド 栄養療法 -研修医からの質問380-
人類を含む生物は栄養を摂取しなければエネルギーの産生ができず,身体の構築もできないので,死んでしまいます.またビタミンやミネラルは生体反応の調節,免疫機能の維持,細胞内の情報伝達,ホメオスタシスの維持にも必須です.特に,重症病態ではエネルギー需要が高まり,体蛋白の分解が亢進し,組織を修復する必要もあるため,栄養供給の重要性はますます高くなります.
外科手術や外傷,重症病態における栄養学においては,1967年にStanley J.Dudrick先生(2020年に逝去)が中心静脈栄養(TPN)を発明したことで静脈栄養が可能となり,消化管が使えない手術後や重症疾患の治療成績を劇的に改善しました.奇しくもその後の研究により,中心静脈栄養と比較する形で経腸栄養の重要性が証明されてきました.また,免疫機能を修飾する栄養療法の研究も進みました.
そして1990年頃から,これらの研究を評価して重症病態における栄養療法のガイドラインが米国静脈経腸栄養学会(ASPEN) や欧州臨床栄養代謝学会(ESPEN)などから発行されてきました.わが国でも遅ればせながら,日本集中治療医学会が日本の実情を考慮した「日本版重症患者の栄養療法ガイドライン 総論」を2016年に,「病態別」を2017年に論文として発表し,そのダイジェスト版を冊子の形で2018年に刊行しました.
そして,2020年の診療報酬改定で特定集中治療室を対象に新設された早期栄養介入管理加算では,その要件としてこのガイドラインに沿った治療を行うことが規定され,2022年の改定では,対象が救命救急入院料1~4,ハイケアユニット入院医療管理料1~2,脳卒中ケアユニット入院医療管理料,小児特定集中治療室管理料を算定する治療室にも拡大されました.今や,栄養投与は予後を左右する治療の1つであると国家レベルでも認められたということでしょう.
一方で,日本の医学教育には,栄養学の教育体系が確立されていない現状があり,多くの医師にとって栄養療法の知識は十分ではありません.このギャップを埋めるため,Q&A形式で栄養療法の基礎から応用までを解説する本書を,我々2人で企画編集し,今まさにわが国の栄養療法を牽引している方々,特に若い人を中心に執筆をお願いしました.小児の重症患者では栄養療法が特に重要であり,また大人とは異なることがありますので,独立した章立てとし,清水義之先生に監修していただきました.このテキストは,研修医を中心とした医療従事者が,栄養療法の実臨床における知識を深めるためのものですが,他の医療関連職種の方々にも参考となる内容になっています.本書を手に取った方々が,栄養療法の実践時における参考書としてご利用くださることを,切に願っております.
特集編集 小谷穣治 神戸大学大学院医学研究科外科系講座 災害・救急医学分野
巽 博臣 札幌医科大学医学部 集中治療医学
目次
I.総 論
栄養療法はなぜ必要か?
栄養療法はいつ始めるか?
栄養アセスメント(栄養スクリーニング・栄養評価)はどのように行うか?
II.経腸栄養と静脈栄養
経腸栄養と静脈栄養の違いは何か?
経腸栄養と静脈栄養の選択は?
補完的静脈栄養(SPN)は使うべきか?
経腸栄養が投与できない場合、静脈栄養を行うか?
III.エネルギー・蛋白の投与量
エネルギー消費量はどう決定するか?
エネルギー投与量はどう決定するか?
蛋白投与量はどう決定するか?
蛋白・アミノ酸の投与経路は?
蛋白・アミノ酸を負荷する場合、尿素窒素(BUN)値はどこまで許容するか?
異化亢進に伴う筋蛋白崩壊を止められるか?
リハビリテーションに栄養療法は必要か?
PICSは栄養療法で予防できるか?
IV.脂質(脂肪酸)
脂質(脂肪酸)は重要か?
侵襲下において脂肪の静脈投与は行わないほうがよいか?
V.特殊栄養素・ビタミン・微量元素・食物繊維など
免疫修飾栄養素は有用か?
ビタミンC
ビタミンD
微量元素
リンとrefeeding症候群
食物繊維
プロバイオティクス/シンバイオティクス療法は有用か?
選択的消化管除菌(SDD)および選択的口腔咽頭除菌(SOD)は有用か?
VI.経腸栄養を上手に行うために
経腸栄養はいつ始めるか? どう決定するか?
腸管の不耐性をどうやって見分けるか?
誤嚥を予防するにはどうするか?
消化管蠕動を促進する方法と注意点は?
経胃投与と経空腸(幽門後)投与はどちらがよいか?
Feeding tubeを幽門後に留置する方法には、どのようなものがあるか?
Feeding tubeが詰まったらどうするか?
胃内で固まる栄養剤はICU患者で有用か?
排便コントロールは重要か?
便失禁管理システムはどのように用いるか?
VII.患者管理
栄養療法のプロトコールは必要か?
胃管の位置確認の方法は?
経腸栄養剤はどうやって選択するか?
重症患者の血糖管理はどのように行うか?
CVカテーテルの管理はどのように行うか?
VIII.病態別の栄養療法
呼吸不全
心不全
循環動態が不安定なとき
急性肝不全・劇症肝炎
急性膵炎
急性腎障害(AKI)、持続的腎代替療法施行時
中枢神経疾患
高度肥満
低栄養
IX.小児の栄養療法
栄養評価
エネルギー必要量、蛋白量
経腸栄養開始時期と種類の選択
経腸栄養投与方法
静脈栄養開始のタイミングと実際
便利機能
- 対応
- 一部対応
- 未対応
-
全文・
串刺検索 -
目次・
索引リンク - PCブラウザ閲覧
- メモ・付箋
-
PubMed
リンク - 動画再生
- 音声再生
- 今日の治療薬リンク
- イヤーノートリンク
-
南山堂医学
大辞典
リンク
- 対応
- 一部対応
- 未対応
対応機種
-
iOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:24.1MB以上(インストール時:57.4MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:96.2MB以上
-
AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:24.1MB以上(インストール時:57.4MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:96.2MB以上
- コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
- コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
- Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
- Androidロゴは Google LLC の商標です。
書籍情報
- ISBN:9784883785797
- ページ数:392頁
- 書籍発行日:2023年9月
- 電子版発売日:2023年10月20日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:2
お客様の声
まだ投稿されていません
特記事項
※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。
※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍が必要です。
※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。