• ページ数 : 232頁
  • 書籍発行日 : 2020年12月
  • 電子版発売日 : 2022年11月9日
6,600
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商品情報

内容

足爪の解剖から診方、手技、治療に使用する器具までを徹底的に解説した、「足爪治療」をマスターするための一冊!

種類の多い巻き爪・陥入爪治療の手技は、巻き爪:8手技、陥入爪:7手技をStep by Stepのコマ送り形式で詳細に解説しました。
3名の編者が「言いたいけど言えなかったこと、聞きたいけど聞けなかったこと」を語り尽くした座談会と、「肥厚爪の削り方」の手技の解説動画も収録!
初学者・熟練者問わず、医師、看護師、介護職、セラピスト、ネイリストなど、フットケアにかかわるすべての方に役立つ一冊です!

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序文

発刊に際し想うこと


本書作成のバックグランド

フットケアの分野は糖尿病性壊疽を予防治療することから発展し,現在は高齢者の転倒の問題なども取り扱う分野として成長中である.爪はそもそも皮膚の付属器のひとつで,皮膚科医が診断から治療までを担ってきたが,フットケアの分野では皮膚科医はむしろ少なく,形成外科,整形外科,血管外科など科の垣根はもちろん,看護師,介護士,フットケアセラピストなど業種の垣根も越えて,診療やケアを行っている.そこで,皮膚科医のもっている爪の知識を,他の科の医師や他業種に向けてもわかりやすく伝えることが重要になってきている.本書の目的のひとつは,皮膚科医のもっている爪の知識を正しくわかりやすく伝えることにある.

多業種による巻き爪矯正

本書のなかで特にこだわったポイントは,陥入爪・巻き爪の項目である.巻き爪という病名は本邦にはなく,矯正は自費で行われているか,民間スペシャリストにゆだねられている.手技には一長一短があり,選択の幅は広い.具体的な手技を知ることで,自分の手技の確認,新しい手技の獲得,医療民間連携のきっかけなどになればと思い,より具体的な記述や図にこだわった.

3人での監修について

陥入爪の手術であるフェノール法は,その後に起こる可能性のある爪甲変形の問題から必ずしも評価されていない.私自身も多くの手術トラブル患者を診る機会があり,できればなるべく保存的に加療するべきだと思って治療を行ってきた.しかし,早く治癒したいという方々も当然いて,診察を待てずに,疼痛のため駆け込んだ他院で両側のフェノール法を受けたということもあった.そんなこともあり,もやもやと治療方針に悩んでいたときに,PEPARS No.146「特集:爪・たこ・うおのめの診療」(2019 年2 月発行,菊池 守編集,全日本病院出版会)に載っていた山口健一先生の『爪甲変形の診断と治療指針』を読んだ.山口先生は私のような保存的加療派の意見も十分に汲んだうえで,手術を選択する場合もあること,正しく行えば術後のトラブルも少ないことを解説されており,とてもバランスのよい意見だなと納得できた.また爪外来を行っている齋藤昌孝先生は,診療経験,爪疾患に関する知識も豊富であり,さらにたいへんなアイデアマンだ.爪の楔状切除はこれまで中途半端に行われることが多く,かえって陥入爪を悪くすることさえあると思っていたが,ブロック麻酔下に肉芽のさらに近位まで切り取ることで爪母を温存して陥入爪を治癒に導くことができる.本書を作ると決まったときに,独りよがりの監修にするより,バランスのとれた山口先生と,知識とアイデア豊富な齋藤先生にご協力してほしいと図々しくも願い出て,ご快諾をいただいた.言いたいけど言えない,聞きたいけど聞くことができないことは座談会で話し合うこともできて,私自身爪疾患の治療に関するもやもやはだいぶ整理することができた.

本書に寄せる期待

たかが爪,されど爪である.足においては下肢機能を高める重要な役割さえもつ.爪疾患に対し,より進んだ治療やケアをすすめるために,本書を手に取りご活用いただきたい.


2020年10月

編著者を代表して
埼玉県済生会川口総合病院皮膚科,主任部長 高山かおる

目次

Ⅰ  イントロダクション―爪治療にどう向き合うか― 高山かおる

Ⅱ  爪の解剖―爪をすみずみまで理解する― 田村 敦志

Ⅲ  爪の診方―まず何を診るか― 高山かおる

Ⅳ  爪疾患の診方―疾患を知って,診断をマスターする―

1.局所原因によって生じる爪疾患の診方 山口 健一

2.爪の炎症性疾患の診方 宮本樹里亜

3.爪部の腫瘍性病変の診方 加藤 裕史

Ⅴ  治療の基本編―治療を始める前にマスターしたいこと―

1.フットケアの基本手技

A.グラインダーの使い方 桜井 祐子

B.爪の切り方 桜井 祐子

C.肥厚爪の削り方 本林麻紀子

D.足トラブルを招かないための靴選び 林 美樹

2.爪治療の麻酔法

A.趾神経ブロックによる爪部の局所麻酔 山口 健一

B.ウイングブロックによる爪部の局所麻酔 齋藤 昌孝

Ⅵ  治療の実践編―さあ爪治療をマスターしよう!―

1.局所原因によって生じる爪疾患

A.爪治療フローチャート 高山かおる

B.巻き爪の治療

 1)超弾性ワイヤー 清水 智子

 2)3TO(VHO)巻き爪矯正法 山口 健一

 3)B/S® SPANGE 桜井 祐子

 4)ペディグラス 加藤 賢二

 5)巻き爪マイスター® 齋藤 昌孝

 6)Dr. Scholl巻き爪用クリップ® 秋野 愛

 7)巻き爪ロボ 今井亜希子

 8)PEDI+® Pt. Gel 桜井 祐子

C.陥入爪の治療

 1)アンカーテーピング法およびwindowテーピング法 新井 裕子 新井 健男 Eckart Haneke

 2)肉芽埋没法 高山かおる

 3)ガター法 今井亜希子

 4)コットンパッキング 本林麻紀子

 5)爪母温存爪甲側縁楔状切除術 齋藤 昌孝

 6)爪甲・爪母を温存した陥入爪手術(塩之谷法) 塩之谷 香

 7)NaOH法(フェノール法) 山口 健一

2.爪の炎症性疾患の治療 宮本樹里亜

3.爪周囲のいぼの治療 石田 久哉

4.爪部腫瘍性病変の手術療法 中村 泰大

5.爪に関連する手術・処置の保険上の注意 五十嵐敦之

Ⅶ  わたしの治療セット

1.パターン① 齋藤 昌孝

2.パターン② 山口 健一

3.パターン③ 塩之谷 香

4.パターン④ 高山かおる

COLUMN

1.爪甲鉤弯症という病気 上田 暢彦

2.注射が痛いのは針を刺す時だけではない 齋藤 昌孝

3.巻き爪に対する外科治療―アメリカにおける治療の

 考え方― 林 美香

4.ワイヤー治療の失敗例 塩之谷 香

5.陥入爪・巻き爪の手術に伴うトラブル 高山かおる

足爪座談会

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書籍情報

  • ISBN:9784865192803
  • ページ数:232頁
  • 書籍発行日:2020年12月
  • 電子版発売日:2022年11月9日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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