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老化研究をはじめる前に読む本~450本の必読論文のエッセンス

  • ページ数 : 160頁
  • 書籍発行日 : 2022年12月
  • 電子版発売日 : 2022年11月30日
4,290
(税込)
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商品情報

内容

これから老化研究に取り組む方必見!必読論文400本以上をまとめ,老化とは何か?から現在わかっている老化のメカニズム,老化治療薬となる可能性がある物質まで丁寧に解説.老化の知識を効率的にアップデート!

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序文

本書は,老化やアンチエイジングを詳しく理解したい学生,研究者,そして抗加齢医学に取り組まれる医療関係者に向けて,最先端の老化研究の成果を網羅的に,かつなるべくコンパクトにまとめることをめざしたものです.老化のメカニズムや抗加齢医学に関する書籍が多数出版されているなかで,本書の特徴は ① 確かな出典と正確な情報に基づく記述と ② 老化研究の主要な分野を網羅した体系的な記述です.

この15 年間,私は研究者として,老化に対する理解が急速に進んでゆく様を注視し続けてきました.今や,われわれヒトと同じ哺乳類で実験動物として多用されるマウスであれば,その老化を部分的にではありますが遅らせたり,若返らせたりし,寿命さえ大幅に延ばす方法が数多く開発されています.それらの一部については,ヒトの老化に対しても有効である可能性が示されています.今まさに,これまでの研究成果の蓄積に基づいて,ヒトの老化を抑制するための方法の開発が爆発的に進みつつあります.そのうねりは研究開発の現場だけでなく,科学技術政策や医療のあり方にも変化をもたらしはじめています.老化の抑制が可能となり,それが実際に行われていく社会のなかでは,さまざまなシステムが適応を迫られ,変化していきます.ですから,老化のサイエンスを理解し,来たる変化を予見できれば,健康を効果的に増進するだけでなく,将来的な社会の変化にいち早く適応していくことにも役立ちます.

老化研究や抗加齢医学に携わる方々が増えつつあるなかで,最先端の研究成果を俯瞰し,全体像をアップデートしていただくことは大変意義のあることと考えます.例えば,かつて老化に重要と考えられていた因子で,その老化における役割が実はかなり限定的であることが今ではすでに明らかとなってきたにもかかわらず,そのことが十分に認知されていない場合がままあります.逆に近年新たに老化における重要性が明らかにされた因子も数多く存在しています.広大な分野に及ぶ老化研究の全体像を,常にアップデートした状態で把握し続けることは容易ではありませんが,本書が少しでもその助けとなり,多くの人の役に立つことを願います.

本書をともに作成し,出版を実現してくださった羊土社の皆様と,多くの助言をくださった大阪公立大学大学院医学研究科の大谷直子教授に深く感謝を申し上げます.


2022年11月

大阪公立大学大学院医学研究科
高杉征樹

目次

第1章 老化とアンチエイジング

1-1 老化とは何か

1-2 平均寿命と最大寿命

1-3 ヒトの老化は抑制できる

1-4 老化を抑制すると何が起こるのか

1-5 老化研究の方法と注意点

1-6 アンチエイジングとは何か

1-7 老化研究とアンチエイジングの隆盛

 老化研究の歩み

 老化と医学

第2章 老化のメカニズムについて現在わかっている主な事柄

2-1 実は活性酸素と老化との関係性は不明瞭

 活性酸素の種類

 活性酸素悪玉説の歴史

 活性酸素はマウスの老化の主要因でない可能性が高い

 ミトコンドリアDNAの傷害はマウスの老化の主要な要因でない可能性が高い

 活性酸素は一部の疾患の発症に重要な役割を担う

2-2 テロメアと寿命・疾患の複雑な関係

 テロメアとテロメラーゼ

 身体の大きい動物はテロメラーゼ活性の抑制で発がんを防ぐ

 加齢に伴うテロメアの短小化

 テロメアが老化や加齢性疾患に及ぼす影響

 テロメアはその長さとは一部無関係に老化を制御しているかもしれない

2-3 代謝と老化の複雑な関係—食事を減らせばよいわけではない

 成長に資するか,維持に資するか

 サーチュインとNAD+

 mTORC1シグナル

 GH/IGF-1シグナル

 食事制限と老化

2-4 発がん抑制機構「細胞老化」は副次的に老化を促進する

 細胞老化は発がんリスクを抱えた細胞の増殖を抑制するがん抑制機構である

 細胞老化を起こした「老化細胞」の蓄積は老化の原因の1つである

 老化細胞の為害性の原因かもしれない細胞老化随伴分泌現象(SASP)

2-5 免疫老化と慢性炎症

 造血幹細胞の加齢変化

 T細胞の加齢変化

 B細胞の加齢変化

 慢性炎症は老化の大きな特徴である

2-6 老化のエラー説とプログラム説

 プログラムされた老化

 遺伝子発現パターンの加齢変化は成長と老化の深い結びつきを示唆する

 エピジェネティック・クロックも成長・成熟・老化の結びつきを示唆する

 DNAの偶発的損傷と老化

 DNAの偶発的変異と変異細胞のポジティブセレクション

第3章 老化治療薬としての可能性が有望視される主要な物質

3-1 はじめに

3-2 ビタミンD・K

3-3 性ホルモン

 テストステロン

 エストロゲン

3-4 メトホルミン

 メトホルミンは糖尿病患者の総死亡率を非糖尿病患者以下に押し下げる

 メトホルミンを老化治療薬として用いていくための取り組み

 メトホルミンの臓器・細胞レベルの作用

 メトホルミンがマウスの健康と寿命に及ぼす影響

 メトホルミンの食欲抑制作用とGDF15

 メトホルミン,DHEA,そして成長ホルモンの組み合わせによる若返り効果

 メトホルミンの今後

3-5 ラパマイシン

 ラパマイシンが寿命,健康,そして美容に及ぼす効果

 ラパマイシンの作用機序と副作用

3-6 NAD+ブースター

 NAD+とその前駆体(NMN,NR,NAM)

 NAD+前駆体のマウスに対する効果

 NAD+前駆体のヒトに対する効果

 その他のNAD+ブースター

3-7 セノリティック薬

 ダサチニブ,ケルセチン,フィセチン

 その他のセノリティック薬

3-8 パーシャルリプログラミング

3-9 アンチエイジング研究のこれから

 その他のアンチエイジング候補物質と注意事項

 アンチエイジング技術の課題

文献一覧

索引

番外編 老いなき哺乳動物?ハダカデバネズミ

① ハダカデバネズミは老化・発がんに対して高い抵抗性をもつ

② ハダカデバネズミは体温が低い

③ ハダカデバネズミはストレスに強い

④ ハダカデバネズミは強力ながん抑制機構をもっている

⑤ ヒトはハダカデバネズミになれるか?

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書籍情報

  • ISBN:9784758121262
  • ページ数:160頁
  • 書籍発行日:2022年12月
  • 電子版発売日:2022年11月30日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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