必携!よくわかる尿検査・腎機能検査

  • ページ数 : 104頁
  • 書籍発行日 : 2023年1月
  • 電子版発売日 : 2023年1月13日
2,640
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商品情報

内容

尿検査と腎機能検査の知識を深くやさしく解説.診断に自信が持てる頼れる1冊!

尿検査と腎機能検査は,腎・泌尿器領域の診療において必須と言える検査の両輪だ.尿検査は昔から今現在に至るまでなお,確定診断に有用である.腎機能検査においては,糸球体・尿細管の働きを伺い知ることが可能だ.両検査を制すれば,実際の診療や治療方針の決定に自信をもって臨めるだろう.本書は,両検査の著書も多いエキスパートが丁寧に分かりやすく記した.臨床検査技師や医学生,非専門医まで,使える知識が満載だ.

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序文

はじめに


私は以前から「尿は身体からの贈り物」と言ってきました.それは,尿の量や色調,混濁,泡,臭いなどをみるだけで体調や疾患をある程度疑うことができるからです.尿検査は「古くて新しい検査」ですが,尿に含まれている成分を試験紙による定性検査や定量検査,尿沈渣の鏡検などにより確定診断に近づくことができます.一方,腎機能検査は糸球体・尿細管が現在どのような状態で働いているかを知る重要な手掛かりとなります.したがって,尿検査と腎機能検査は,腎・泌尿器領域の診療に欠かすことのできない検査の両輪と言えます.

私は大学の先輩である故 伊藤機一先生(元大東文化大学スポーツ・健康科学部長)に学生時代と東海大学医学部で大変熱心にご指導いただきました.『症例から学ぶ尿検査の見方・考え方』(医歯薬出版)を共著で第3版まで改訂を重ねることができ,大変感謝しております.2018年には,金子一成先生,鈴木祐介先生のご協力をえて『尿検査のみかた,考えかた』(中外医学社)の監修をさせていただきました.また,日ごろ仲良くお付き合いいただいている元日本臨床衛生検査技師会会長の小崎繁昭先生と『尿検査・腎機能検査の実際と臨床的意義』(臨床病理刊行会)を監修させていただきました.これまで尿検査・腎機能検査については優れた成書が数多く出版されていますが,私のこのような経験から今回『必携! よくわかる尿検査・腎機能検査』を上梓することができました.臨床現場で使いやすいように簡潔にまとめ,尿検体や血液検体の採取法や保存法についてもCOLUMNとしてあげました.本書がかかりつけ医や研修医,若手医師の皆さん,学校医や産業医の方々,臨床検査技師の皆さんにご活用いただけることを願っています.また,医学生にとっても有用な解説書になると思います.わかりやすいように心がけ記載しましたが,記載の過不足もあろうかと思いますので,皆さまの忌憚のないご意見をお待ちしています.

最後にこれまで大変ご協力いただきました白𡈽 公先生(現,白𡈽内科院長)ならびに久野 豊先生(順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院検査科技師長)に厚くお礼申し上げます.また,出版にいろいろご尽力いただきました中外医学社の小川孝志部長に深謝いたします.


2023年1月

新型コロナウイルス感染症の一日も早い終息を願って
富野康日己

目次

1 急性腎障害(AKI)と尿検査・腎機能検査

A.典型的な臨床症状は?

B.急性腎障害(AKI)の尿中バイオマーカーは?

C.AKIの原因疾患は?

2 慢性腎臓病(CKD)と尿検査・腎機能検査

A.尿検査・腎機能検査の意義は?

B.CKDの原因疾患は?

3 尿検査(urinalysis)

A.尿はどのようにしてつくられる?

B.尿量の変化はどうして起こる?

C.尿の外観で疾患はわかる?

1 色調

2 混濁

3 泡

4 臭い

D.尿の成分は正常と異常で異なる?

1 正常尿での成分

2 病的尿での成分

4 尿試験紙法定性検査

A.尿比重とは?

1 尿比重と尿浸透圧の関係は?

B.尿反応(pH: 水素イオン指数)とは?

C.尿蛋白(urinary protein)とは?

1 尿蛋白陽性とその解釈

D.尿糖(urinary glucose)とは?

1 健常者の尿中ブドウ糖

2 採尿時間

3 試験紙法(定性・半定量検査法)

4 尿糖陽性とその解釈

E.尿潜血反応[試験紙法](urine occult blood reaction)とは?

1 赤血球

2 ヘモグロビン尿

3 ミオグロビン尿

F.尿中ケトン体(urinary ketone body)とは?

1 尿中ケトン体陽性をきたす疾患・状態

G.尿中ビリルビン(urinary bilirubin)とは?

1 尿中ビリルビン陽性をきたす疾患・状態

H.尿中ウロビリノゲン(urinary urobilinogen)とは?

1 尿中ウロビリノゲン陽性をきたす疾患・状態

2 尿中ウロビリノゲン陰性をきたす疾患・状態

I.尿中亜硝酸塩(細菌尿bacteriuria)とは?

J.尿中白血球(エステラーゼ活性 esterase activity)とは?

5 尿中ホルモン・酵素など

A.尿妊娠反応とは?

B.尿エストリオール(E₃)とは?

C.尿中黄体形成ホルモン(luteinizing hormone: LH)とは?

D.尿中バニリルマンデル酸(vanillylmandelic acid: VMA)とは?

E.尿中17‒ketosteroid(17‒KS)とは?

F.尿中17‒hydroxycorticosteroid(17‒OHCS)とは?

G.酵素: N-acetyl-β-D-glucosaminidase(NAG)活性とは?

H.尿中ポルフィリン体(urinary porphyrin body)とは?

I.尿中IV型コラーゲン(type IV collagen)とは?

【COLUMN 1】尿の採取時間および採尿法,尿定性・定量検査のための尿保存法

1 採尿時間

2 採尿法

3 尿定性・定量検査のための尿保存法

【COLUMN 2】 尿試験紙使用上の注意

6 尿沈渣成分の鏡検

A.尿沈渣(urinary sediment)とは?

B.尿沈渣検査法は?

1 尿検体の取り扱い

2 標本の作成法

3 鏡検法

C.尿沈渣の種類とその臨床的意義は?

1 細胞成分

2 結晶成分

3 細菌・真菌

4 原虫

5 精子

7 尿検査データの臨床応用

1 食塩・カリウム・蛋白質摂取量の推測

2 高尿酸血症治療薬の選択

3 尿蛋白の選択性と副腎皮質ステロイド薬の反応性

8 腎機能検査(renal function test)

A.腎機能を表す血液検査の見かた・考えかたは?

1 血清非蛋白窒素化合物

2 血清蛋白物質

3 ホルモン

B.腎機能検査の見かた・考えかたは?

1 糸球体濾過量(glomerular filtration rate: GFR)

2 腎血管・近位尿細管機能

3 尿細管機能検査(tubular function test)

参考とした教科書・解説書

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書籍情報

  • ISBN:9784498012202
  • ページ数:104頁
  • 書籍発行日:2023年1月
  • 電子版発売日:2023年1月13日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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