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- PT・OTビジュアルテキスト エビデンスから身につける物理療法 第2版
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序文
第2版の序
2017年8月に第1版を出版してから5年経過したが,物理療法においても日進月歩の進化が起こっている.なかでも,超音波や電気刺激による迷走神経刺激に代表されるbioelectric medicine,電気刺激療法,体外衝撃波療法などの基礎・臨床研究が顕著に増加している.さらに,国際疼痛学会による疼痛の定義が改変され,新たな疼痛評価方法なども数多く報告されている.
そこで,第2版では,新たな物理療法として「体外衝撃波療法」を追加し,そのなかでもセラピストが実施可能な拡散型圧力波療法について,最新の理論はもちろん,技術的解説も含めて論述している.拡散型圧力波療法は,さまざまな疾患や障害に対する効果が報告されていて,新たな物理療法として学修,臨床実践してほしいと考えている.また第2版では,2020年に国際疼痛学会が発表した新たな疼痛の定義を反映させ,さらに,「リハビリテ-ション現場における痛みの評価」を加え,単なる痛みの強弱のみならず,多次元的評価を学修可能にしている.加えて第2版から,本書を教科書として採用してくれた養成校の教員に,知識定着のための穴埋め問題,国試に慣れるための選択問題を配布することにしている.
第1版から論述している物理療法については,よい点はそのままに,新たな研究報告や最新情報を追加している.さらに,臨床場面や健常人によるデモンストレーションなどの新たな画像,動画を加え,学習効果を上げやすいように工夫している.
本書によって,エビデンスに基づいて物理療法を適切に実施可能な臨床家や物理療法の研究者が増加し,機器開発メーカーを含めた協働活動がさかんになり,結果的にさまざまなクライエントによい影響があることを祈念しています.
2023年1月
畿央大学健康科学部理学療法学科
庄本康治
目次
第Ⅰ章 総論
1 物理療法とは[庄本康治]
1 日本の物理療法の定義
2 米国理学療法士協会(APTA)の定義
3 世界理学療法連盟(World Physiotherapy)の定義
4 物理療法の歴史
5 物理療法の実施者
6 物理療法の位置づけと特異的問題点
7 日本物理療法学会
2 痛みの生理学と病理学[大住倫弘]
1 痛みの定義と分類
2 痛みの受容器と伝導路
3 痛みが抑制(調整)されるメカニズム
4 感作
5 CRPS(複合性局所疼痛症候群)
3 リハビリテーション現場における痛みの評価[大住倫弘]
1 痛みの強さ測定と物理療法の効果判定
2 痛みの性質と聴取
3 痛みの性質を評価して神経障害性疼痛を見分ける
4 痛みの部位
5 定量的感覚検査(QST)
6 痛みの情動・認知の評価
7 身体機能・日常生活活動(ADL)評価
8 生活の質(quality of life:QOL)の評価
4 関節可動域制限[瀧口述弘]
1 関節可動域制限とは
2 関節の構造
3 コラーゲン線維の特徴
4 関節可動域制限をもたらす関節の不動
5 関節可動域制限の病態
6 関節可動域制限の評価
7 運動療法と物理療法の組合わせ
5 温熱療法に必要な物理学と生理学[庄本康治]
A)温熱療法に必要な物理学
1 熱と温度
2 熱の伝達様式
3 電磁波とは
4 電磁両立性(EMC)
B)温熱療法に必要な生理学
1 温熱刺激に対する生理学的反応の概要
2 温熱刺激に対する組織レベルのさまざまな反応
3 温熱刺激に対する全身の反応
4 温熱が軟部組織の伸展性に与える影響
5 温熱が神経系に与える影響
第Ⅱ章 治療法各論
1 ホットパック[庄本康治]
1 ホットパックとは
2 ホットパックの適応と効果
3 ホットパックの禁忌と注意事項
4 ホットパックの実際
実験・実習
2 パラフィン浴[庄本康治]
1 パラフィン浴とは
2 パラフィン浴の適応と効果
3 パラフィン浴の禁忌と注意事項
4 パラフィン浴の実際
実験・実習
3 水治療法[𠮷田陽亮]
1 水治療法とは
2 水治療法の適応と効果
3 水治療法の禁忌と注意事項
4 水治療法の実際
実験・実習
4 超短波療法[安孫子幸子]
1 超短波療法とは
2 電磁波とは
3 超短波療法の適応と効果
4 超短波療法の禁忌と注意事項
5 超短波療法の実際
実験・実習
5 極超短波療法[梛野浩司]
1 極超短波療法とは
2 極超短波療法のアプリケーター
3 極超短波療法の適応と効果
4 極超短波療法の禁忌と注意事項
5 極超短波療法の実際
実験・実習
6 超音波療法[庄本康治]
1 超音波療法の歴史
2 超音波
3 超音波療法の適応と効果
4 超音波療法の禁忌と注意事項
5 超音波療法の実際
実験・実習
7 寒冷療法[加賀谷善教]
1 寒冷療法とは
2 寒冷療法の適応と効果
3 寒冷療法の禁忌と注意事項
4 寒冷療法の実際
実験・実習
8 光線療法[竹内伸行]
A)光線の物理学
1 光とは何か
2 光の波動性と粒子性
3 波長とエネルギーの関係
4 光化学作用
5 光線療法による生理学的作用
6 強度の変化
B)レーザー療法
1 レーザー光の物理学的性質
2 レーザー光の発生
3 人体へのレーザー照射を考えるうえでの基本的知識
4 レーザー療法の作用と適応
5 レーザー療法の禁忌および注意を要する病態
6 レーザー療法の実際
模擬実習
C)赤外線療法
1 赤外線の基本的知識
2 赤外線温熱治療器
3 スポット型近赤外線治療器
4 スポット型近赤外線療法の作用と適応・治療対象
5 スポット型近赤外線療法の禁忌および注意を要する病態
6 スポット型近赤外線療法の実際
模擬症例による実習
D)紫外線療法
1 紫外線の基本的知識
2 紫外線治療器
3 紫外線療法の適応・禁忌,作用
4 紫外線療法の展望と課題
9 電気を用いた治療
A)電気を用いた治療の基本[生野公貴]
1 電気とは
2 電気刺激によって神経が興奮するメカニズム
3 電流のタイプ
4 強さ─時間曲線(SD曲線)
5 刺激パラメータ
6 安全に実施するために〜禁忌・注意点・一般的手順
B)TENS[徳田光紀]
1 経皮的電気刺激(TENS)とは
2 TENSの適応と効果
3 TENSの禁忌と注意事項
4 TENSの実際
実験・実習
C)NMES
1 神経筋電気刺激(NMES)とは[𠮷田陽亮]
2 筋力増強のためのNMES[𠮷田陽亮]
実験・実習
3 中枢性運動麻痺に対するNMES[生野公貴]
実験・実習
4 痙縮抑制のためのNMES[中村潤二]
実験・実習
D)イオントフォレーシス[肥田光正]
1 イオントフォレーシスとは
2 イオントフォレーシスのメカニズム
3 イオントフォレーシスの適応と効果
4 イオントフォレーシスの禁忌と注意事項
5 イオントフォレーシスの実際
実験・実習
E)バイオフィードバック療法[中村潤二]
1 バイオフィードバック療法とは
2 筋電図バイオフィードバック療法の適応と効果
3 筋電図バイオフィードバック療法の禁忌と注意事項
4 筋電図バイオフィードバック療法の実際
実験・実習
F)創傷治癒のための電気刺激療法[前重伯壮]
1 治療対象となる創傷
2 褥瘡治癒のための電気刺激療法の適応と効果
3 創傷に対する電気刺激療法の禁忌と注意事項
4 創傷に対する電気刺激療法の実際
実験・実習
10 圧迫療法[𠮷川義之]
1 圧迫療法とは
2 圧迫療法の適応と効果
3 圧迫療法の禁忌と注意事項
4 圧迫療法の実際
実験・実習
11 牽引療法[箕島佑太]
1 牽引療法とは
2 牽引療法の適応と効果
3 牽引療法の禁忌と注意事項
4 牽引療法の実際
実験・実習
12 振動刺激療法[中村潤二]
1 振動刺激療法とは
2 振動刺激療法の適応と効果
3 振動刺激の禁忌と注意事項
4 振動刺激療法の実際
実験・実習
13 体外衝撃波療法[中村潤二]
1 体外衝撃波療法とは
2 体外衝撃波療法の適応と効果
3 体外衝撃波療法の禁忌事項と副作用
4 体外衝撃波療法の実際
実験・実習
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書籍情報
- ISBN:9784758102629
- ページ数:343頁
- 書籍発行日:2023年2月
- 電子版発売日:2023年2月10日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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