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- ゼロから始める運転免許に関連する診療~医師はなぜ診断書の作成を誤るのか?~
商品情報
内容
高齢者の運転免許更新において認知症の有無を判断する際,診断を行う医師の役割は非常に重要なものとなる.本書ではわが国における運転免許の実態から改正道路交通法,運転免許に関する誤った診断書を作成してしまう原因と整合性のある診断書作成のポイントなど,運転免許に関わる診療における必要な知識について,愛知県の臨時適性検査を担う著者が事例を交え実践的かつ分かりやすく解説した.
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序文
序文
高齢者の運転免許更新の厳格化を目的に2017年3月に道路交通法が改正になり,さらに2022年5月の改正によって再び免許更新の仕組みが変更になってきています.2017年の改正以来,認知症の有無を判断するために医師の診断が必要になり,私たち医師の役割も増大してきています.
著者は,愛知県公安委員会認定医であり臨時適性検査を担っている医師です.その経験から2018年に「知っておきたい改正道路交通法と認知症診療」(中外医学社)を刊行いたしました.幸いにも好評を得て多くの読者の方に読んでいただいているようです.本書は,その後の臨床経験を踏まえて内容を一新したうえで書き下ろしたものです.2017年以来現在まで運転免許に関連する診療にて400名以上の患者を診察してきていますが,そのなかで他医が作成した診断書について公安委員会が疑義事例と判断し,著者の外来に臨時適性検査として受診してくる患者も少なくありません.それらの患者の診断書を吟味すると,多くの医師が運転免許に関連する診療を十分理解していないことに気づくのです.認知症と診断しているにもかかわらず生活障害はないとする診断書,改訂長谷川式簡易知能スケールHDS-Rが13点なのに認知症ではないとする診断書などを散見するのです.診断書に整合性が欠けることから疑義事例と判定されているのです.医師は,なぜこのような診断書を作成するのでしょうか.おそらく運転免許に関連する診療を正確に理解していないからだと思います.
本書は,わが国における運転免許の実態から解説をはじめ医師が知っておきたい改正道路交通法の知識,現在のわが国における運転免許更新の仕組み,運転免許に関連する診断書作成において医師はなぜ誤った診断書を作成するのか,整合性のある診断書作成のポイント,運転免許に関連する診療の問題点などについてわかりやすくかつ実践に役立つ内容を中心として解説をしています.運転免許に関連した診断書を作成しようと考えている医師にとって必要な知識をすべて本書に書き込んでいると自負するところです.本書が運転免許に関連する診療に関心を持つ医師の学修に役立つことを希望しております.
2023年4月
川畑信也
目次
CHAPTER 1 わが国の交通事故と高齢者の自動車運転の実態
わが国における運転免許保有者数
わが国における交通事故死者数の推移
高齢運転者による死亡事故件数の推移
高速道路における逆走の実態
運転免許証の自主返納と運転経歴証明書
2021年(令和3年)における認知機能検査の実態
服薬と自動車運転
CHAPTER 2 知っておきたい改正道路交通法の知識
運転免許の拒否,取消しとなる一定の病気など
医師による任意通報制度
2017年3月改正の道路交通法の概略
2022年5月施行の改正道路交通法の変更点
認知機能検査の採点基準と方法
安全運転管理者制度と酒気帯び運転
警察庁による診断書の雛形と愛知県独自の診断書
CHAPTER 3 運転免許に関連する診療の実態(自験例での検討)
当院認知症疾患医療センターにおける診断の実態
2022年5月改正道路交通法施行後における診療の実態(自験例での検討)
家族からの病歴は診断に役立つか
当院認知症疾患医療センターにおける神経心理検査の実態
認知症疾患医療センターにおける臨時適性検査の実態
警察活動によって臨時適性検査の対象となった患者の実態
[事例1]82歳,女性,市内で迷子になり警察に保護された事例
[事例2]71歳,男性,内科開業医,アルコール多飲歴があり頻回に交通事故を起こしている事例
[事例3]81歳,女性,前医の診断と異なり軽度認知障害と診断した事例
CHAPTER 4 臨時適性検査(疑義事例)からみた事例検討
[事例4]86歳,男性,交通違反(横断歩行妨害)で受検した臨時認知機能検査が40点であった事例
[事例5]77歳,男性,認知機能検査が5点であったが認知症ではないと診断されていた事例
[事例6]74歳,男性,アルツハイマー型認知症と診断されたがFAST 1,
日常生活自立度が自立と判定されている事例
[事例7]68歳,男性,アルツハイマー型認知症を前頭側頭型認知症と誤診されていた事例
[事例8]77歳,男性,1カ月の間で病名の異なる2通の診断書が提出された事例
[事例9]86歳,男性,的外れの内容が診断書に記載されている事例
CHAPTER 5 かかりつけ医・非専門医が作成した診断書の検討
[事例10]85歳,男性,中等度アルツハイマー型認知症が認知症ではないとされていた事例
[事例11]80歳,女性,認知症ではないと診断されていた軽度認知障害の事例
[事例12]86歳,男性,難聴があり,すでに抗認知症薬を服薬している事例
[事例13]79歳,男性,診断根拠の記載なく血管性認知症と診断されていた事例
CHAPTER 6 整合性のある診断書作成のポイントと注意点
診断書における病名について
問診の重要性
神経心理検査の解釈について
脳画像検査は必須の検査か
整合性のある診断書作成の要件
CHAPTER 7 運転免許に関連する診療での医師の法的責任
医師の責任に対する法律の基準
医師が法的責任を負わされる可能性のある事案
公安委員会の法的責任
自動車事故における法的責任と責任能力
家族の責任
自動車運転における責任保険
CHAPTER 8 患者に自動車の運転をやめさせる方法
なぜ運転を継続したいのかの理由を見極める
[事例14]96歳,男性,周囲からの説得を受け入れず運転を継続している事例
運転をやめさせる通常の方法
どうしても運転をやめないときの医師の対応
CHAPTER 9 運転免許に関連する診療の問題点と課題
かかりつけ医・非専門医が診療に携わることができるのか
認知機能検査で「認知症のおそれがあり」の根拠は正当なのか
警察庁が規定する認知症判断の根拠の不適切さ
医師の診断書提出によって認知機能検査が免除される仕組みに問題はないのか
2022年5月改正の認知機能検査に問題はないのか
診断書作成のための医師の診断能力
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書籍情報
- ISBN:9784498328983
- ページ数:126頁
- 書籍発行日:2023年5月
- 電子版発売日:2023年5月1日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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