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- こだわる!神経ブロック 上肢
商品情報
内容
1.腕神経叢ブロック各アプローチについて,始まりの歴史からここ5年くらいの文献まで
2.整形外科視点での術式ポイント・適応・合併症などについて
3.初心者からベテラン麻酔科医までの,あらゆる臨床上の疑問について
4.局所麻酔薬の広がりを三次元的にイメージできるよう,キャダバーを用いたブロックの結果について
4つの視点から詳細に解説し,上肢神経ブロックをマスター!
※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
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序文
巻頭言
超音波装置の進歩に伴って,周術期における神経ブロック法は格段に普及し,手術を受けられる患者さんの術後鎮痛に大きく寄与する結果となりました.それに伴って,日本区域麻酔学会をはじめとして,多くの学会ではセミナーやワークショップが盛況となり,日本麻酔科学会会員の知識と技術の向上に寄与しています.テキストなども,ある団体や個人から,さらに超音波装置や局所麻酔薬を扱う担当会社からも多くの指南書が発刊され,会員の益するところとなっています.
これだけ情報が多く提供されている環境の中,今回は「上肢」の神経ブロックに特化した著書の発刊に挑戦してみました.先人達の歴史にも言及し,またCadaver所見も加えるなど,上肢の神経ブロックを深掘りした形を模索してみました.ゲラ原稿を読み直してみて,“上肢のブロックは得意!”と思っていた自分でも,あらためて大変勉強になる内容でした.是非,本著を手にしていただき,新たな知見を得ていただければ,監修者として望外の喜びです.
上肢に特化した著書を発刊したわけですから,シリーズとして「体幹部」,「下肢」,そして「頭頸部」なども発刊したいと考えております.このシリーズ企画も,本著の評判に依るところが大きいと思いますので,是非ご意見をいただければと思います.
当講座では今までも何冊かの著書を発刊してきました.読者の知見や技術向上に結びつくのはもちろん,ここから湧いてくる研究マインドに火をつけ,さらなる患者の安全やQOL向上に資する研究活動に繋がることを期待しております.是非,何らかの研究ヒントを得ていただければ幸いです.
2023年3月吉日,コロナ禍の収束を願って……
札幌医科大学医学部麻酔科学講座 教授
山蔭 道明
序文
神経ブロック領域では,日々新しい知見が生まれています.
「新しいブロック」
「目標点は同じだけど,より確実なアプローチ法」
「合併症を少なくする,より安全な局所麻酔薬の使い方」などなど.
超音波機器がこの10年で格段に改良されてきたのと同様に,神経ブロックの知識も技術も洗練されてきていると感じています.同じブロックでも,アプローチ法や局所麻酔薬の使い方はずいぶんと変わってきました.そして,より質の高い鎮痛を提供することが麻酔科医には求められていると感じています.
新たな知見を全て把握するのは大変なことなので,皆さんが「神経ブロックについてアップデートしたい!」と思った時にお手伝いできる本があればと考えたのが本書の趣旨です.いきなり全部は難しいので「上肢の超音波ガイド神経ブロック」に絞って解説しました.
解説は,4つの観点からしてみました.
1.腕神経叢ブロック各アプローチについて,始まりの歴史からここ5年くらいの文献まで
2.整形外科視点での術式ポイント・適応・合併症などについて
3.初心者からベテラン麻酔科医までの,あらゆる臨床上の疑問について
4.局所麻酔薬の広がりを三次元的にイメージできるよう,キャダバーを用いたブロックについて
気になるところから目を通してください.体位や穿刺法も,局所麻酔薬の投与法も,そして執筆いただいた専門家の先生が気を使っているポイントも,本当にさまざまなところに「こだわって」いて,進化してきたことがわかると思います.そして,神経ブロックが上手くなるためには「小さなことにもこだわる」ことがとても大切だと思っています.
神経ブロックをする際に,「指導者が近くにいてくれたら」と感じたことはありませんか.私はたくさんありました.本書がそんな方の助けとなり自信を持ってブロックできるお手伝いができれば,編者・著者としてこれほど嬉しいことはありません.
この活動を私に任せて監修いただいた山蔭道明教授,トラブルがあっても前向きに私の要望に応え続けていただいた中外医学社の上岡里織様,笹形佑子様,画像作成のために素晴らしい超音波装置を用意していただいたコニカミノルタジャパンの堀章大様,各分野の担当をしていただいた神経ブロックに情熱を注ぐ執筆者の皆様,そして本を書くことが決まったときから喜んで支えてくれた読書好きの家族に感謝して,序文を締めたいと思います.
2023年3月
札幌医科大学医学部麻酔科学講座
汲田 翔
目次
CHAPTER 1 解剖,歴史,腕神経叢ブロック 各アプローチ解説
SECTION 1 腕神経叢の臨床解剖〈汲田 翔〉
1.腕神経叢を構成する神経
2.理解するポイント
3.末梢枝以外の分枝
4.末梢枝の支配領域
5.腕神経叢が通過するスペース
SECTION 2 腕神経叢ブロックの歴史〈中澤圭介〉
1.局所麻酔手術の幕開け
2.ドイツ人外科医による新しい腕神経叢ブロックの発明
3.腕神経叢ブロック腋窩法
4.手技の実際:腕神経叢ブロック腋窩法
5.腕神経叢ブロック鎖骨上血管周囲ブロック
6.Kulenkampff法の実際
7.超音波ガイド下腕神経叢ブロックの普及
8.これからの課題と展望
SECTION 3 斜角筋間アプローチ〈汲田 翔〉
1.総説
2.効果範囲
3.適応
4.合併症
5.体位
6.体表のランドマーク
7.穿刺時の写真
8.超音波解剖
9.描出のポイント
10.穿刺のポイント
11.薬液投与のポイント
12.カテーテル挿入のポイント
13.特に把握しておくべき合併症
14.文献考察
SECTION 4 上神経幹ブロック〈汲田 翔〉
1.総説
2.効果範囲
3.適応
4.合併症
5.体位
6.体表のランドマーク
7.穿刺時の写真
8.超音波解剖
9.描出のポイント
10.穿刺のポイント
11.薬液投与のポイント
12.カテーテル挿入のポイント
13.文献考察
SECTION 5 鎖骨上アプローチ〈汲田 翔〉
1.総説
2.効果範囲
3.適応
4.合併症
5.体位
6.体表のランドマーク
7.穿刺時の写真
8.超音波解剖
9.描出のポイント
10.穿刺のポイント
11.薬液投与のポイント
12.カテーテル挿入のポイント
13.文献考察
SECTION 6 肩甲上神経ブロック〈汲田 翔〉
1.総説
2.効果範囲
3.適応
4.合併症
5.体位
【前方アプローチ】
6.体表のランドマーク
7.穿刺時の写真
8.超音波解剖
【上方アプローチ】
9.体表のランドマーク
10.穿刺時の写真
11.超音波画像
12.描出のポイント
13.穿刺のポイント
14.薬液投与のポイント
15.カテーテル挿入のポイント
16.文献考察
SECTION 7 鎖骨下アプローチ〈汲田 翔〉
1.総説
2.効果範囲
3.適応
4.合併症
5.体位
6.体表のランドマーク
【近位アプローチ】
7.穿刺時の写真
8.超音波解剖
【遠位アプローチ】
9.穿刺時の写真
10.超音波画像
11.描出のポイント
12.穿刺のポイント
13.薬液投与のポイント
14.カテーテル挿入のポイント
15.文献考察
SECTION 8 腋窩アプローチ〈汲田 翔〉
1.総説
2.適応
3.合併症
4.体位
5.体表のランドマーク
6.穿刺時の写真
7.超音波解剖
8.描出のポイント
9.穿刺のポイント
10.薬液投与のポイント
11.文献考察
SECTION 9 末梢でのアプローチ〈汲田 翔〉
1.総説
2.適応
3.合併症
4.体位
5.描出のポイント
6.穿刺のポイント
7.薬液投与のポイント
【正中神経】
8.解剖とブロックのポイント
9.穿刺時の写真
10.超音波解剖
【尺骨神経】
11.解剖とブロックのポイント
12.穿刺時の写真
13.超音波解剖
【橈骨神経】
14.解剖とブロックのポイント
15.穿刺時の写真
16.超音波解剖
17.文献考察
CHAPTER 2 上肢手術 術式の解説
SECTION 1 鎖骨骨折〈汲田 翔〉
1.疾患情報
2.手術適応
3.手術法
4.体位
5.骨折・手術による合併症
6.術後痛の程度
7.必要となる麻酔
SECTION 2 上腕骨骨折〈汲田 翔〉
【上腕骨近位部骨折】
1.概要
2.手術適応
3.手術法
4.体位
5.骨折・手術による合併症
【上腕骨骨幹部骨折】
6.概要
7.手術適応
8.手術法
9.体位
10.骨折・手術による合併症
【上腕骨遠位部骨折】
11.概要
12.手術適応
13.手術法
14.体位
15.骨折・手術による合併症
16.術後痛の程度
17.必要となる麻酔
SECTION 3 橈骨遠位端骨折〈汲田 翔〉
1.疾患情報
2.術前の確認事項
3.手術適応
4.手術アプローチ
5.手術体位
6.骨折・手術による合併症
7.術後痛の程度
8.必要となる麻酔
CHAPTER 3 Clinical Questionsに応える
SECTION 1 ターニケット関連痛と腕神経叢ブロック〈酒井規広〉
CQ1-1 ターニケットに起因する痛みについて詳しく知りたい
CQ1-2 腕神経叢ブロックだけでターニケットペインを抑えられるのか知りたい
CQ1-3 上腕内側の皮膚知覚とターニケットの関連について知りたい
CQ1-4 より中枢に近い部位でブロックしたほうが有利なのか知りたい
SECTION 2 合併症〈新田麻子〉
CQ2-1 局所麻酔薬中毒について,その症状や治療法を知りたい
CQ2-2 抗血栓薬が投与されている患者へのブロックの適応は?
CQ2-3 術後神経障害の現状や,予防策・発生時の対策を知りたい
SECTION 3 神経刺激器の使い方〈汲田 翔〉
CQ3 神経刺激器は付加価値をもたらすか
SECTION 4 小児のブロック〈千田雄太郎〉
CQ4 小児でもブロックをやっていいのか知りたい
SECTION 5 外傷患者への腕神経叢ブロック〈酒井規広〉
CQ5-1 外傷患者に腕神経叢ブロックをやってよいのか知りたい
CQ5-2 呼吸機能低下をきたした外傷患者の腕神経叢ブロックについて知りたい
CQ5-3 外傷患者に併存する神経障害について知りたい
CQ5-4 (外傷に伴う)ニューロパチーを有する患者の腕神経叢ブロックについて知りたい
CQ5-5 (外傷に伴う)感染性疾患を有する患者への腕神経叢ブロックについて知りたい
CQ5-6 (外傷に伴う)コンパートメント症候群を有する患者への腕神経叢ブロックについて知りたい
CQ5-7 (外傷に伴って)機能がすでに廃絶してしまった場合の腕神経叢ブロックについて知りたい
SECTION 6 腕神経叢ブロック単独(覚醒下・鎮静下)の上肢手術〈酒井規広〉
CQ6-1 腕神経叢ブロックだけで手術はできるのか知りたい
CQ6-2 鎮静下手術における適切な鎮静の基準について知りたい
CQ6-3 覚醒下・軽度鎮静下で肩の手術はできるのか知りたい
CQ6-4 (軽度)鎮静下に腕神経叢ブロック主体で手術を行う場合の注意点を知りたい
CQ6-5 運動機能を温存する上肢区域麻酔の技法について知りたい
SECTION 7 リバウンドペイン〈津久井亮太〉
CQ7 リバウンドペインとはなにか? いつ,どのように対処すべきか?
SECTION 8 両側上肢手術に対する神経ブロック〈菊池 賢〉
CQ8 両側上肢手術に対する神経ブロックの際の問題点や対応法について知りたい
SECTION 9 各アプローチ 使い分けポイント〈津久井亮太〉
CQ9 腕神経叢ブロック各アプローチを使い分けたい
SECTION 10 運動機能を温存するポイント〈菊池 賢〉
CQ10 術後(または術中)の上肢機能を温存するためのブロック方法はありますか?
CHAPTER 4 Cadaverで確認する
SECTION 1 腕神経叢のマクロ解剖とミクロ解剖〈汲田 翔〉
1.腕神経叢各アプローチの薬液は,どのくらい広がるの?
2.「ミクロ解剖」という視点
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書籍情報
- ISBN:9784498056169
- ページ数:140頁
- 書籍発行日:2023年5月
- 電子版発売日:2023年5月18日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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