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- 実験医学別冊 ヒト生体試料・データ取扱い実践ハンドブック~適切なサンプル・データ取得からバイオバンク利活用、法規制まで、必須知識と標準フローをこの1冊に凝縮
商品情報
内容
一連のプロセスで必要なガイドライン,ISO,法律などを1冊で網羅.個別化医療・バイオバンク運営の第一人者が執筆.医学研究者・検査担当者,製薬・診断薬企業研究者,法務・倫理担当者,バイオバンク担当者必読
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序文
序
医科学研究の発展,特に,医療応用を目指したゲノム・遺伝子研究の進展により,研究に必要なヒト生体試料や情報は急増し,研究者自らが収集する試料や情報では不十分となってきた.また,2000 年前後から国単位での大規模ゲノムコホート研究の構築が始まった.こうして,研究資源としてバイオバンクとも呼ばれるバイオリポジトリが増加した.
もともと,バイオリポジトリとは「体系化したシステムにおいて保管された,ある集団(または集団内の部分集団)の生体試料とそれに付随する情報のコレクション」を行う事業・施設のことであり,収集保管される試料・情報はヒト試料・情報に限らない.しかし,近年,医学研究を目的としたヒト由来の試料・情報の収集保管事業や施設は増加し,ヒト由来の試料・(診療情報を含む)情報の収集保管施設や事業をバイオバンクとよぶことが多い.はじめに述べたように,収集保管されたヒト由来試料・情報を必要とする研究の増加は著しく,対応するバイオバンクは増加しその活動は活発になっている.当然,研究に利用される試料や情報は「質」と「量」の確保が必要であり,バイオバンクは,試料ならびに情報の質を保ちながら研究ニーズに対応する方策をとる必要がある.同時に,研究利用される試料や情報は患者など研究協力者から提供をうけるので,適切な手続きを踏み,社会に受け入れられることが重要である.また,今日,研究は一地域,一国で完結にするとは限らず,国際共同研究,学際的研究,産学連携活動として実施されることも多く,バイオバンクでは国際的に通用する質や量の担保や必要な手続きがなされる必要があり,手続きや保管利用についての国際協調も重要となっている.また,バイオバンクは,2023 年に成立した「良質かつ適切なゲノム医療を国民が安心して受けられるようにするための施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律(ゲノム医療推進法)」の理念に沿って運営され,研究の発展につなげることが必要である.
本書は,こうしたバイオバンクのあるべき姿を目指すために関係者が知っておくべき取扱いについてまとめたものである.これにより日本のすべてのバイオバンクの資質向上を期待したい.
2023年6月
監修者を代表して
森崎隆幸
目次
第1章 概論:ヒト⽣体試料を使った研究の背景,重要性
[1]バイオリポジトリにおけるプロセスと本書の構成【池田純子】
[2]バイオバンクの沿革と歴史【鶴山竜昭】
[3]研究用試料と臨床検査用試料【森崎隆幸】
[4]研究基盤としてのバイオバンク・バイオリポジトリの利活用【森崎隆幸】
[5]研究計画書の準備【森崎隆幸】
[6]倫理審査の準備:倫理審査と分譲審査【森崎隆幸】
[7]インフォームド・コンセント【森崎隆幸】
第2章 ヒト生体試料の取得,保管,解析前処理と品質評価
[1]インフォームド・コンセントの取得(提供者に対して)【竹内朋代,宮城洋平,峯岸直子】
[2]試料取扱い,バンキング,検査ならびに解析に関する国際標準,学会規定【岡野和広】
[3]バイオバンクの保管試料に求められる品質【岡野和広】
[4]採取/取得から保管までのトレーサビリティの確保【峯岸直子,宮城洋平,森田瑞樹】
[5]ヒト生体試料:血液採取から保管までの工程,血清と血漿【松下一之,峯岸直子】
[6]ヒト生体試料:ヒトゲノム解析に用いられる液性試料【峯岸直子】
[7]多様なヒト生体試料の収集と利用【峯岸直子】
[8]ヒト生体試料:組織試料の採取からFFPE/凍結組織試料作製と保管【宮城洋平,竹内朋代】
[9]生体試料解析前処理と注意点,品質評価【岡野和広】
第3章 ヒト生体試料の取扱い
[1]ヒト生体試料の保管設備と利用における注意点【竹内朋代,峯岸直子,宮城洋平,工藤久智】
[2]ヒト生体試料の保管方法【中嶋祥人,竹内朋代】
[3]ヒト生体試料の提供【竹内朋代】
[4]ヒト生体試料の破棄【峯岸直子】
第4章 ヒト生体試料の測定・分析
[1]精確なヒト生体試料の測定・分析のために【藤井紳一郎】
[2]妥当性評価【中江裕樹,藤井紳一郎】
[3]標準物質利用の意義と使い方【中江裕樹】
[4]計量トレーサビリティ【藤井紳一郎】
[5]測定不確かさ【藤井紳一郎】
[6]国際標準【藤井紳一郎】
第5章 データの取扱い
[1]データ取扱いの基本的な考え方【荻島創一】
[2]データ管理システム【森田瑞樹,荻島創一】
[3]データモデル・形式【水野聖士,荻島創一】
[4]データ収集・保管・管理【水野聖士,荻島創一】
[5]データ取込み・連携【森田瑞樹,荻島創一】
[6]データアクセス【永家 聖,荻島創一】
[7]データ品質管理【永家 聖,荻島創一】
[8]データ取扱いに必要なリソース【森田瑞樹,永家 聖,笠原直子,荻島創一】
[9]データガバナンス・セキュリティ【森田瑞樹,荻島創一】
第6章 バイオリポジトリの品質マネジメントシステム
[1]品質マネジメントシステムとは【中江裕樹】
[2]品質マネジメントシステムを構成するプロセス【中江裕樹】
[3]継続可能な品質マネジメントシステム【中江裕樹】
第7章 安全性と感染管理
[1]ラボ運営のための安全性確保【服部功太郎,宮城洋平】
[2]安全性に関するトピック【竹内朋代】
[3]感染対策・リスクマネジメント【中嶋祥人】
第8章 バイオリポジトリの運営
[1]ガバナンス計画【森崎隆幸】
[2]事業計画【峯岸直子】
[3]自然災害等に対する危機管理【服部功太郎】
[4]責任者の責務【熊田和貴,峯岸直子】
[5]バイオバンクにおける成果とコミュニケーション【長神風二】
第9章 法規制,倫理
[1]バイオリポジトリと法規制【根本鮎子,長神風二】
[2]個人情報保護法【高松 遼,根本鮎子】
[3]その他押さえておくべき法律・契約形態 〜臨床研究法,薬機法・次世代医療基盤法,知的資産としての試料・データ,MTA・DUA,EHDS【明谷早映子】
[4]遺伝情報や一般的なバイオバンクに関する規律について 〜世界医師会および国内の行政機関の取組みを主な対象として【三成寿作】
第10章 バイオバンクと研究計画書
[1]研究計画書の種類【服部功太郎】
[2]分譲(利活用)審査に用いられる計画書【服部功太郎】
[3]バイオバンクに受け入れられる研究計画の基礎【中江裕樹】
付録:対訳集【監修:鶴山竜昭】
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書籍情報
- ISBN:9784758122658
- ページ数:270頁
- 書籍発行日:2023年8月
- 電子版発売日:2023年7月27日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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