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必携 内科医のための臓器移植診療ハンドブック
一般社団法人日本移植学会 (編) / ぱーそん書房
商品情報
内容
「移植患者は診られない、わからない」からブラッシュアップ‼。移植の基礎知識と診療の仕方についてわかりやすく解説。
序文
はじめに
20世紀に急速に発展したScienceがもたらしたものに移植医療があります。この医療は自己でない臓器を自己体内で生着させることから、そのために基礎医学から臨床まで臓器横断的に広がるさまざまな知識が要求され、さらに臓器提供者(ドナー)の存在から始まる医療であるため、より高い倫理観が要求される医療です。そのため、この移植医療が粛々と行われることは、その国の社会および医療水準のバロメーターになると思われます。
わが国では、1997年の臓器移植法施行以来、医学界以外も含めた各方面の努力でさまざまな臓器における移植が実施されるようになり、各臓器移植後の成績は海外に比して良好であり、今では通常医療になったと言っても過言ではありません。
ここで移植には移植手術を伴うため、外科医の参画は自然ですが、移植適応、移植前管理から長期にわたる移植後管理については、その多くが内科的なものです。しかしながら、実際の内科医の参画はいまだ十分であるとは言えず、今後のわが国の移植医療の発展のためには、さらなる内科医の参画、つまり実地医家、研修医からの移植医療への参画が必須であると思われます。
本書は、2020年に発足した一般社団法人日本移植学会Transplant Physician(TP)委員会(委員長:布田伸一)の面々と、各臓器移植のエキスパートがこれからのわが国の移植医療の発展を願って書きあげたものです。
21世紀において、移植医療はますます発展し、その関連患者は増加の一途を辿るでしょう。先人たちが残した多くの業績を礎に、皆様の座右の書として、本書が、医療に携わる者のもつべきPhilosophyと先進医療知識を必要とする移植医療の実践に少しでもお役に立てますことを願っております。
2023年3月吉日
「必携 内科医のための臓器移植診療ハンドブック」編集委員長
布田 伸一
目次
第Ⅰ章 総論 臓器移植診療のための基礎知識
1 各臓器移植の術式
1 心臓移植
2 肺移植
3 肝臓移植
4 腎臓移植
5 膵臓・膵島移植
6 小腸移植
2 レシピエントの年齢
1 死体臓器移植における登録時レシピエント年齢
1.登録時レシピエント年齢
2.移植希望登録者年齢、レシピエント移植時年齢、年代別移植者数
2 生体臓器移植
3 移植実施施設と非移植実施施設の診療連携
1 心臓移植
1.移植前後における移植実施施設・非移植実施施設での連携診療
2.適応検討のフロー
2 肺移植
1.移植前後における移植実施施設・非移植実施施設での連携診療
2.適応検討のフロー
3 肝臓移植
1.移植前後における移植実施施設・非移植実施施設での連携診療
2.適応検討のフロー
4 腎臓移植
1.移植前後における移植実施施設・非移植実施施設での連携診療
2.適応検討のフロー
5 膵臓・膵島移植
1.移植前後における移植実施施設・非移植実施施設での連携診療
2.適応検討のフロー
6 小腸移植
1.移植前後における移植実施施設・非移植実施施設での連携診療
2.適応検討のフロー
COLUMN MELDスコアについて
4 レシピエントの発熱時の対応
1 発熱時の検査
2 移植特有の注意点
3 発熱時の免疫抑制薬、その他の薬剤投与の注意点
5 上・下気道炎症状時の対応
1 検査
2 症状からの診断と治療
3 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)への対応
6 嘔吐・下痢の対応
1 原因疾患
2 初期対応
3 二次対応
4 その他の対応
7 日常生活における外傷、けがへの対応、注意点
8 免疫抑制薬モニタリングの注意点
1 移植医療における免疫抑制薬
2 各臓器移植による特性
9 移植後感染症
1 全臓器移植に共通する留意点
2 各臓器移植における留意点
10 移植後の日常生活と服薬の注意点、栄養および代謝異常の管理
1 日常生活での注意点
2 服薬の注意点
3 栄養および代謝異常の管理
11 貧血の管理
1 原因
2 治療
COLUMN ABO血液型不適合臓器移植における術後輸血の注意点
12 移植と悪性腫瘍
1 移植前のスクリーニング
2 移植後の悪性腫瘍の分類、種類、頻度、リスク因子、発症時期、スクリーニング
13 ワクチン接種
1 わが国におけるワクチンの現状
2 移植後におけるワクチン接種の留意点
COLUMN 1 歳未満の移植待機者の生ワクチン
14 ノンアドヒアランス、メンタルヘルスへの対応
1 ノンアドヒアランスとは
2 頻度
3 臨床転帰への影響
4 危険因子
5 対応
COLUMN 小児におけるノンアドヒアランス・メンタルヘルスへの対応
15 小児移植後の成長と日常生活の注意点
1 移植後の成長
2 小児における移植後日常生活の注意点
16 小児移植医療におけるトランジション
1 トランジション(transition:移行)とは
2 何故、トランジションが重要か
3 トランジションにおける医療システムの4 パターン
4 トランジションの準備
5 移植医療におけるトランジションの現状と課題
COLUMN 心臓移植後のトランジションの話
17 妊娠可否とその注意点
1 妊娠・出産における免疫抑制薬および必要薬剤への注意点
2 各臓器移植における追記点
第Ⅱ章 各 論 臓器別にみる内科的管理
1 心臓移植
1 移植適応申請に必要な内科的検査(適応基準)と禁忌事項
1 適応疾患
2 適応条件
3 適応除外条件
4 適応判定と心臓分配システム
5 心臓分配システムと優先順位
2 移植待機中の内科的管理、注意点
1 心不全薬物治療
2 臓器機能の維持
3 生活習慣病の管理
4 予防接種
5 輸血と抗HLA 抗体 82
6 ケアギバーを含めたサポート
3 移植待機中における補助人工心臓の管理、注意点
1 植込型VAD について
2 植込型VAD 装着後の合併症
COLUMN 小児の体外式補助人工心臓
4 移植待機中から移植後の多職種チームによるケア
1 チーム医療、Shared care、多職種連携とは
2 心臓移植待機中のケア
3 心臓移植後のケア
COLUMN ICT を利用した多職種チームによるケア
CLS、小児看護専門看護師とプレパレーション
5 拒絶を疑う臨床所見と検査
1 拒絶反応の分類
2 拒絶反応を疑う臨床所見と検査
3 拒絶反応の診断における今後の展望
6 移植後感染症の留意点
1 デバイス関連感染症と心臓移植後感染症
2 心臓移植後の縦隔炎、胸骨感染
3 CMV 感染と移植心冠動脈病変
4 EBV 感染と移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)
7 移植心の生理学的特徴と移植後の運動とリハビリテーション
1 移植心の生理学的特徴
2 心臓移殖後の運動・リハビリテーション
COLUMN 心臓移植後の除神経心とスポーツ
8 移植前後の日常生活の注意点、栄養および代謝異常の管理
1 心臓移植前
2 心臓移植後
9 移植心冠動脈病変(CAV)の診断と治療
1 CAV の病態生理
2 診断とその臨床的意義
3 治療
1 0 移植後に必要な免疫抑制薬以外の薬剤とその管理
1 心臓移植後に必要な免疫抑制薬以外の薬物
COLUMN 小児の心臓移植と体格ミスマッチ
2 肺移植
1 移植適応申請に必要な内科的検査(適応基準)と禁忌事項
1 脳死肺移植実施施設
2 肺移植適応審査から日本臓器移植ネットワーク(JOT)への登録
3 肺移植適応審査のための必要検査
2 移植待機中の内科的管理、注意点
1 移植前の重症呼吸器疾患の対応
3 拒絶反応を疑う臨床所見と検査
1 急性細胞性拒絶反応(ACR)
2 抗体関連拒絶反応(AMR)
4 移植後感染症の留意点
1 肺移植後の期間における感染症
2 肺移植後における感染症病原体
5 移植後に必要な免疫抑制薬以外の薬剤とその管理
1 肺移植後慢性期の管理
6 移植前後における栄養管理と移植後の食事指導
1 肺移植前の待機中に行うべき栄養管理
2 肺移植後に行うべき栄養管理
7 移植後慢性移植肺機能不全の診断と治療
1 肺移植後の拒絶反応
8 生体肺移植ドナーの管理
1 生体移植決定までに行う内科的検査
2 肺摘出後の診療と生活指導
3 肝臓移植
1 移植適応申請に必要な内科的検査(適応基準)と禁忌事項
1 肝臓移植の適応
2 肝臓移植の禁忌
6.肝外悪性腫瘍合併もしくは既往 138
2 移植待機中の内科的管理と重症肝障害への集中治療
1 急性肝不全に対する集中治療
3.血液浄化療法と感染症治療 141 4.移植外科との連携
2 その他の肝臓疾患に対する移植待機中の内科的管理
3 移植前後の栄養管理、移植後の食事指導
1 肝臓移植前の栄養管理
2 肝臓移植後の栄養管理
3 移植後の飲酒・再飲酒の頻度とそれに伴う予後
4 アルコール性肝疾患(ALD)以外に対する肝臓移植後の対応
4 拒絶を疑う臨床所見と肝生検
1 分類
2 臨床所見
3 肝生検による診断
5 移植後のB 型肝炎・C型肝炎・E型肝炎の管理
1 HBs 抗原陽性レシピエント
2 HBV 既往感染ドナーからの肝臓移植レシピエント
3 HCV 陽性レシピエント
4 E 型肝炎
6 移植後に必要な免疫抑制薬以外の薬剤とその管理
7 移植後肝癌再発の予防と管理
1 肝臓移植後肝細胞癌再発の特徴とサーベイランス
2 肝臓移植後肝細胞癌再発の予防
3 肝臓移植後肝細胞癌再発に対する治療法
8 移植臓器機能廃絶時のケア
1 低栄養に対する治療
2 腹水貯留に対する治療
3 肝性脳症に対する治療
4 食道・胃静脈瘤からの出血
6 再肝臓移植
9 生体肝移植ドナーの管理
1 生体移植決定までに行う内科的検査、生体ドナーの条件
1 臓器提供者(ドナー)適応基準
2 ドナー検査
3 ドナー不適応症例
2 生体ドナーの予後
1 国内におけるドナー死亡例を受けての提言
2 生体ドナーの予後
3 生体肝移植ドナーに関する調査報告書
4 腎臓移植
1 移植適応申請に必要な内科的検査(適応基準)と禁忌事項
1 レシピエントの適応
2 術前の内科的検査
3 先行的腎臓移植(PEKT)
2 拒絶を疑う臨床所見と腎生検
1 腎臓移植の時期と鑑別すべき移植腎機能障害の原因
2 移植腎生検
3 拒絶反応の病理診断
4 拒絶反応の治療
3 移植後感染症の留意点
1 移植周術期
2 移植後早期
3 移植後維持期
4 COVID-19 感染
4 移植後に必要な免疫抑制薬以外の薬剤とその管理
1 ニューモシスチス肺炎のST合剤の予防投与
2 骨粗鬆症に対する予防薬
3 降圧薬
4 糖尿病治療薬
5 高脂血症薬
6 貧血に対する薬剤
5 移植前後における栄養管理と移植後の食事指導
1 移植前の栄養管理
2 移植後の栄養管理と食事指導
6 移植後再発腎炎の治療法
1 IgA 腎症
2 巣状分節性糸球体硬化症
3 膜性腎症
4 膜性増殖性糸球体腎炎
5 非典型溶血性尿毒症症候群
7 移植臓器機能廃絶時のケア
1 透析再導入期
2 透析再導入後
8 生体腎移植ドナーの管理
1 生体移植決定までに行う内科的検査
COLUMN マージナルドナーとは?
2 生体ドナーになれない条件
1 生体腎移植ドナーの適応
2 法的・倫理的基準
3 医学的基準とマージナルドナー
COLUMN 海外でも腎臓移植は受けられますか?
3 生体ドナーの腎臓摘出後の予後と診察・生活指導、腎不全に対しての対処
1 腎臓摘出後の予後
2 診察・生活指導
3 生体ドナーの臓器不全に対しての対処
5 -1 膵臓移植
1 移植適応申請に必要な内科的検査(適応基準)と禁忌事項
1 膵臓移植申請に必要な内科的検査(適応基準)
2 膵臓移植の適応基準
3 膵臓移植の内科的禁忌事項は?
COLUMN 1 型糖尿病腎不全合併例に生体腎臓移植の先行は有用か?
2 拒絶反応を疑う臨床所見と検査
1 膵腎同時移植(SPK)と腎移植後膵臓移植(PAK)、膵単独移植(PTA)における拒絶反応
2 移植膵の拒絶反応のモニタリング
COLUMN 本邦の膵臓移植の現況は?
3 移植後感染症の留意点
1 細菌感染症
2 ウイルス感染症
3 真菌感染症
4 移植後に必要な免疫抑制薬以外の薬剤とその管理
1 糖尿病関連の病態とその対策、介入薬剤
2 糖尿病以外の病態とその対策、介入薬剤
COLUMN 膵臓移植特有の合併症は?
5 移植前後の栄養管理と移植後の食事指導
1 移植前の栄養管理
2 周術期の栄養管理
3 移植後の栄養指導
4 便秘
5 反応性低血糖
6 アルコール摂取
6 移植後膵内分泌機能の評価
7 移植後耐糖能障害の再発に対する治療法
8 移植臓器機能廃絶時のケア
1 急性期
2 慢性期
5 - 2 膵島移植
1 移植適応申請に必要な内科的検査(適応基準)と禁忌事項
1 膵島移植適応申請に必要な内科的検査(適応基準)
2 膵島移植の禁忌事項
2 移植後のインスリン使用の必要性
COLUMN 膵臓移植と膵島移植の治療選択
6 小腸移植
1 移植適応申請に必要な内科的検査(適応基準)と禁忌事項
1 適応基準と禁忌
2 適応評価の検査項目
3 他科受診
4 適応評価申請の実際
2 移植待機中の内科的管理・注意点
1 腸管不全合併肝障害(IFALD)
2 感染
3 栄養
4 中心静脈ルート
5 腎障害
6 消化管出血
7 心機能
8 精神的問題・疼痛管理
3 拒絶を疑う臨床所見と検査
1 小腸移植後の合併症
2 移植後の内視鏡検査
3 拒絶反応およびウイルス感染の病理診断
4 移植後感染症の留意点
1 術後早期の感染症
2 移植後1ヵ月以降の感染症
5 移植後に必要な免疫抑制薬以外の薬剤とその管理
1 血栓予防薬
2 消化器用薬
3 術後感染症予防薬
4 選択的消化管除菌
6 移植後の栄養管理と食事指導、ストーマ管理
1 移植後の栄養管理の流れ
2 経腸栄養
3 経腸栄養開始時期 254
4 経腸栄養の種類・投与方法の目安
5 栄養状態のモニタリング
6 退院後から外来での管理
7 ストーマ変更術の時期やTPN 離脱の時期
COLUMN 海外の小腸移植
付録 医療費、公的支援、社会保障について
1 心臓移植
2 肺移植
3 肝臓移植
4 腎臓移植
5 膵臓・膵島移植
6 小腸移植
COLUMN 膵島移植の保険適応について
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書籍情報
- ISBN:9784907095796
- ページ数:266頁
- 書籍発行日:2023年3月
- 電子版発売日:2023年9月1日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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