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- Heart View 2024年3月号 LVADを理解し現状を知る
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内容
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序文
企画にあたって
松宮護郎(千葉大学大学院医学研究院心臓血管外科学教授)
左室補助人工心臓(LVAD)は,近年,植込型の定常流ポンプが広く臨床応用され,合併症の低減,長期耐久性の向上が得られ臨床成績の向上が認められるようになってきた。わが国では心臓移植へのつなぎ(bridge to transplantation:BTT)としてのみ,植込型LVADの保険償還がなされていたが,2021年にようやく心臓移植を前提としない長期在宅補助人工心臓治療(destinationtherapy:DT)が保険償還となった。そのため,今後さらに適応症例は増え,重症心不全治療における重要性が増していくと考えられる。また,BTT,DTによらず,LVAD装着期間はこれまで想定されてきたものを超えて延長し,10年に近付く装着患者も出てきている。そのため,長期管理上のさまざまな医学的,社会的問題点が明らかになりつつあり,その対策についても議論が行われている。
LVADは左室の働きを代行し,左心系から全身に血液を送り出す機械であるが,その働きにより心臓のみならず,肺,腎,肝,全身の血管,血液凝固因子や血小板など多くの臓器や細胞機能にさまざまな影響を与えることが明らかになりつつある。特に,LVADは単に心機能代行の役割を担うのみではなく,心臓やほかの臓器を癒す働きもあることがわかってきたことは注目に値する。それらの病態や臓器機能の変化を知ることは,循環生理や心不全治療の理解のうえでも有用で興味深い知見を提供してくれている。
今後,より生理的な生体機能を維持しうるLVADが開発されていくことが期待されるが,その成績向上に伴いLVADの適応をどこまで広げていくのかは,循環器領域においては大きなテーマであり,さらなる議論が必要となろう。
本特集では,これまでのLVAD治療の歴史や機械の特徴に始まり,LVADの適応をどう考えるか,LVADの全身に与える影響やその評価法,実際の管理の要点につき,第一線で重症心不全治療にあたる循環器内科,心臓血管外科のエキスパートに最新の知見を解説いただいた。LVADに関する必須知識の整理と最新情報の提供を行うことで,重症心不全における有効なLVAD治療戦略を実行できるチーム形成の一助となることを期待したい。
目次
特集:LVADを理解し現状を知る 企画・構成/松宮護郎
[識る]
1 わが国におけるLVAD治療の歴史を識る
2[Expertise]連続流ポンプの長所・短所を識る
3 これまでのエビデンスからLVADの適応を識る
4 J-MACS registryからLVAD治療成績を識る
[診る]
5 重症心不全患者の植込み型LVAD適応:どう判断する?
6 LVAD長期補助中に起こる心臓合併症:どう対処する?
7 LVAD装着後の管理:循環器内科医の役割とは?
8 LVAD装着患者を心エコーでどう評価する?
9[Expertise]hemocompatibility関連合併症:病態を理解し対策を考えよう
[治す]
10 LVADで左室を治す:bridge to recovery
11 LVADでどこまで臓器障害は改善するのか:bridge to candidacy
12 心原性ショック患者をLVADへつなぐ:bridge to bridge
13 わが国でもやっと始まったdestination therapy:現状と課題
14[Expertise]小児の治療にLVADを活かす
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書籍情報
- ISBN:9784008102803
- ページ数:88頁
- 書籍発行日:2024年2月
- 電子版発売日:2024年2月9日
- 判:A4変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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