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病理と臨床 2024年5月号(42巻5号)腎腫瘍のup to date―適切な治療選択に向けて―

  • ページ数 : 96頁
  • 書籍発行日 : 2024年5月
  • 電子版発売日 : 2024年5月9日
3,300
(税込)
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商品情報

内容

腎腫瘍のup to date―適切な治療選択に向けて―

特集テーマは「腎腫瘍のup to date~適切な治療選択に向けて」.進行性腎細胞癌の治療法選択と臨床的問題点/淡明細胞型腎細胞癌の組織形態の多彩性とクローン進化/腎細胞癌の病理学的予後因子/遺伝性腫瘍症候群と腎腫瘍 等を取り上げる.連載記事として[マクロクイズ],[鑑別の森],[AIと病理―これまでの5年,これからの5年],また,[今月の話題]腎部分切除検体におけるホルマリン注入固定の意義と実践 等を掲載する.


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序文

特集
腎腫瘍のup to date―適切な治療選択に向けて―


分子遺伝学的・分子生物学的解析の発展とともに腎腫瘍の組織型分類はますます複雑になり,その組織型診断は多くの病理医を悩ませるものとなっている.2022年に改訂されたWHO分類第5版の腎細胞性腫瘍では,形態的に定義された組織型に加え,“Molecularlydefined renal cell carcinomas(分子生物学的に定義された腎細胞癌)”というカテゴリーが導入され,合計21種類の組織型に分類されることとなった.しかし,個々の組織型に対応する治療法が確立される段階には至っておらず,進行性腎細胞癌に対する薬物療法は免疫チェックポイント阻害薬,分子標的薬の単独または併用療法が主流となっている.治療選択のうえでは,淡明細胞型と非淡明細胞型の鑑別が重要であるが,近年の領域シークエンスの結果,淡明細胞型腎細胞癌の進化過程が示され,遺伝子異常と組織形態の関連や腫瘍内不均一性の原因が明らかになりつつある.日常診断では,ほかの組織型の鑑別を含めた確定診断のためにも,淡明細胞型腎細胞癌の最新の知見を理解しておくことが最重要と考えられる.

本誌の腎腫瘍に限定した特集としては,直近では28巻10号(2010年)「腎腫瘍up todate 2010s」においてWHO分類第3版(2004年)に基づく組織型の臨床病理学的概説,30巻9号(2012年)「泌尿器病理Ⅰ―前立腺と腎臓―」において腎癌取扱い規約第4版(2011年)の改訂点,35巻10号(2017年)「腎臓の腫瘍」においてWHO分類第4版(2016年)の改訂点が取り上げられた.その後,2020年12月に腎癌取扱い規約第5版,2022年にWHO分類第5版が改訂されたが,本誌では腎腫瘍の最新知見に関する特集が組まれていなかった.このような状況で,腎癌取扱い規約第5版出版直後に改訂されたWHO分類第5版におけるup to dateやギャップを埋めるために本特集が企画された.なお,本企画と同時期に『腫瘍病理鑑別診断アトラス 腎癌 第2版』の改訂作業が行われ,アトラスはWHO分類第5版に準拠しながら,腎細胞性腫瘍のみならず,腎に固有の非上皮性腫瘍,混合性腫瘍,小児腫瘍も含めて網羅的に最新の知見を提示する書籍として2023年11月に発刊された.そのため本誌では,予後や治療選択につながる病理学的因子に焦点を当て,「腎腫瘍のup to date―適切な治療選択に向けて―」として,より日常診療に実践的なテーマを企画した.

本特集号では,現状の治療選択を考えるうえで,押さえておくべき腎腫瘍の臨床病理学的事項について,第一線の先生方にご執筆いただいた.適切な治療選択のためには,病理学的評価項目の臨床的意義を十分理解しておく必要があり,今回の企画が病理医と泌尿器科医の良い連携につながり,実践的な役割を果たす一助となれば幸いである.


大江知里 [大阪公立大学大学院医学研究科 診断病理・病態病理学]
三上修治 [独立行政法人国立病院機構埼玉病院 病理診断科]

目次

【特 集】

進行性腎細胞癌の治療法選択と臨床的問題点─最新の薬物療法の進歩を中心に─……水野隆一 他

腎細胞癌の術後補助療法の現況と臨床病理学的因子を用いた再発リスク評価……古川順也

淡明細胞型腎細胞癌の組織形態の多彩性とクローン進化……辻尾希実 他

腎細胞癌の病理学的予後因子……三上修治 他

腎細胞癌の正確なpT3a評価のために着目すべきマクロ所見・ミクロ所見……林 博之

腎腫瘍の針生検診断……小島史好

腎細胞癌の腫瘍免疫微小環境と薬物治療の奏効性─最新の知見─……都築豊徳

遺伝性腫瘍症候群と腎腫瘍……大橋瑠子

【連 載】

マクロクイズ[181]

山本 周 他

鑑別の森[32]

子宮内膜癌ホルモン療法後の効果判定

Answer 1:外岡暁子

Answer 2:刑部光正

AIと病理─これまでの5年,これからの5年[10]

臓器別病理AI(3)胃生検とAI……阿部浩幸 他

【今月の話題】

腎部分切除検体におけるホルマリン注入固定の意義と実践……大江知里

【Information】

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書籍情報

  • ISBN:9784011204205
  • ページ数:96頁
  • 書籍発行日:2024年5月
  • 電子版発売日:2024年5月9日
  • 判:B5変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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