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画像診断 2024年増刊号(Vol.44 No.4)“現場的”外傷画像診断とIVR~命を救うRadiologyのチカラ
画像診断実行編集委員会 , 一ノ瀬 嘉明 (編著) / Gakken
商品情報
内容
救急での外傷診療における現場的な画像診断をわかりやすく学べる! 入門的な内容から、実践的な内容までCTを中心とした画像診断およびIVRの知識を各分野のエキスパートが解説。現場に出ていく上でのハンドブックとなる必携の一冊。
※p.S138 図2は未収載です.
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序文
序文
外傷診療は救急医療の中でも重症患者の時間的な変化量が大きい,ダイナミックな診療分野のひとつです.その変化のスピードや方向性を察知し,迫りくる脅威を先読みしながら,先手を打って行動することが求められます.時間的な変化量が大きいということは,画像が表す(撮影時点での)患者状態と今目の前にしている現在の患者状態がかけ離れていくスピードが早く,画像診断の新鮮さが重要になります.撮影された画像がすぐに診療に活かされ,またタイミングを逃さずIVRで重症患者を救うためには,診療現場にリアルタイムに関与する“現場的”なRadiologyが必要であり,救急放射線の中で最も“現場的”であることが求められるのが外傷診療です.
『画像診断』2013年12月号で「Trauma Radiology入門-外傷の画像診断とIVR-」が特集されて以降,10年間で外傷診療におけるCTを中心とした画像診断およびIVRの位置づけはさらに高まっています.言い換えれば,外傷診療現場の最前線で我々がその“チカラ”を注ぎ込むことで,診療の質の向上に寄与できるチャンスが広がってきているともいえます.外傷診療ではどのようなRadiologyが求められていて,どのように関わっていけばよいか,“Radiologyのチカラ”をどう活かせば救命につながるのか,できるだけ現場的・実践的なエッセンスを伝えたいというのが本書のねらいです.
外傷診療は多職種が連携するチーム医療であり,放射線科医だけでなく,救急医や外傷医を志す若手医師,診療放射線技師や看護師などコメディカルの方々にも幅広く手にとっていただき,本書がチームビルディングや理念の共有を促進する一助となれば幸いです.
現場的・実践的という意図を汲んで素晴らしい玉稿で本書を彩っていただきました執筆陣の先生方,Trauma Radiologyのイロハから教えてくださりこの世界に導いていただいた松本純一先生,外傷IVRとは何かを背中で教えてくださった故 服部貴行先生,多くの重症外傷に対して共に戦ってきた同僚,いつもチームを支えてくれている診療放射線技師や看護師の皆々,企画段階から校了まで粘り強くサポートしていただいた編集部の皆様,妻と子ども達の励ましのおかげでこの本を送り出せることに深く感謝いたします.
最後に,能登半島地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに,災害,不慮の事故や事件,戦争や紛争など,さよならを伝えられない突然の別れを余儀なくされる方,大切な日常,当たり前なはずの明日を奪われてしまう方が一人でも減ることを心から祈っています.
2024年1月
一ノ瀬 嘉明
国立病院機構災害医療センター 放射線科
目次
1章 外傷診療に携わる上で知っておきたいこと
1 外傷止血の両輪と時間の概念………渡部広明
2 救急・外傷の疫学と未来………篠塚 健
3 外傷診療現場で求められるRadiologyのチカラ:読影室を出よ………松本純一,服部貴行
4 外傷診療に参加する上で知っておきたい合言葉………比良英司
5 血行動態と凝固障害を先読みする………船曵知弘
2章 外傷画像検査のエッセンスと未来
1 ポータブル写真でどこまで読めるか………細井康太郎
2 Trauma Ultrasound:EFASTを中心に………瀬良 誠
3 外傷パンスキャンのプロトコール………田中善啓
4 ハイブリッドERで診療ストラテジーはどう変わるか………丸山修平,中森 靖
5 外傷症例におけるMRI………井上明星
6 外傷画像診断におけるAIの可能性………岡田直己
3章 いざ外傷診療の最前線へ
1 来院前~初期診療………昆 祐理
2 CTコンソール読影[advanced FACT]………一ノ瀬嘉明
3 CT撮影後~ IVR開始………平木咲子,一ノ瀬嘉明
4章 外傷CT読影―ここに注意!
1 頭部・顔面………外山芳弘
2 頸部・胸部………妹尾聡美
3 腹部………棚橋裕吉,尾﨑公美,市川新太郎,五島 聡
4 骨盤・脊椎………渋谷 圭
5章 外傷IVRの実践的な戦略と戦術
1 どこから止める?………一ノ瀬嘉明
2 どう止める?………上嶋 聡,池田慎平,八方政豪,嶺 貴彦
3 外傷IVRにおけるピットフォール………平野貴規,和田 武,近藤浩史
4 血管損傷におけるステントグラフト治療………岡田卓也
5 REBOAはいつ使う? どう使う?………松村洋輔
6章 実症例で学ぶ! DCIR case review
Case 1 不安定型骨盤骨折に対してCTをスキップしDCIRを行った症例………大杉真也,一ノ瀬嘉明
Case 2 重症肝損傷に対してdamage control surgeryとdamage control IVRを併用した症例………臼井亮介
Case 3 様々な用途でREBOAを駆使してDCIRを行った症例………丸橋孝昭
Case 4 ハイブリッドERシステム導入前後での診療の変化………小出 裕,川﨑竜太,田口裕司,当麻美樹
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書籍情報
- ISBN:9784059886396
- ページ数:204頁
- 書籍発行日:2024年3月
- 電子版発売日:2024年4月9日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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