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レジデントノート増刊 Vol.25 No.17 一般内科外来、ひとりでできますか?

  • ページ数 : 262頁
  • 書籍発行日 : 2024年1月
  • 電子版発売日 : 2024年1月18日
5,170
(税込)
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商品情報

内容

ひとりの診察室もこわくない!外来が好きになる一冊,できました
誰も教えてくれなかった,一般内科外来の継続診療がわかる!疾患への対応はもちろん,生活習慣の改善指導,診察室での動き方など,外来ならではのメソッドを解説!なんとなくではない,外来診療の型が身につく!

序文

初期研修医を修了して専攻医になると,多くの場合に自分の外来をもつことになる.しかしながら医学生の臨床実習も初期研修も,病棟での急性疾患管理や救急外来での対応が中心であり,若手医師が外来での慢性疾患の管理の知識やスキルを十分に学ぶ機会は意外にも限られている.外来について学ぶ機会がないまま,いきなり外来に放り出されて苦労している若手医師は少なくないのではないだろうか.本書は,これから自分一人で外来をやらなければいけない若手医師のために,最低限必要な各疾患の知識から,外来の質がグッとあがるTips まで盛り込んだ一冊である.

そもそも皆さんは,慢性疾患をフォローアップする再診外来にどんなイメージを持っているだろうか? 医師が「お変わりありませんか?」と聞き,患者さんが「変わりません」と返し,「じゃあまた同じお薬出しておきますね」と前回の処方をくり返しあっと言う間に終わる,そんな外来をイメージしていないだろうか.外来では確かに時間に制約があるため,医師は前回の処方をくり返す(Do する)ことになりがちである.しかし,果たしてこのようなDo 外来でよいのだろうか.医師にとっては何人もいる患者さんのうちの一人だが,患者さんの視点で考えると医師に診てもらえるのは年に数回である.3 カ月処方をしていると,患者さんと接触できるのは年に4 回しかないのである.

この貴重な機会をさっと流してしまっていいのだろうか.高血圧,脂質異常症,糖尿病などの慢性疾患は,心血管疾患の予防という長期的な目標に向けた治療が中心である.そのため医師にも患者さんにも治療の効果が目に見えにくく,毎回の診療がついついおざなりになりがちだ.しかし,1 つひとつの疾患の管理が長期的な予後の改善につながり,たくさんの患者さんを相手にする外来診療では大きなインパクトになる.最近では,ambulatory care sensitive condition(ACSC)とよばれる,「外来のマネジメントで予防可能な入院」という状態が研究テーマとして注目されている.心不全やCOPD の増悪や,ワクチンで予防可能な感染症などがこれにあたる.自分の外来の質を向上させてこのACSC を減らすことが,患者さんの予後を改善するだけでなく入院診療を担う医療機関の負担軽減や医療費の削減などにもつながる.私自身は,初期研修医の1 年目から自分の定期外来を持ち,指導医から手厚いフィードバックを受けることができる機会に恵まれた.ただし,むしろこのような環境に巡り会える方の方が少ないはずなので,今回は内科外来を一人で受け持つために必要な知識やスキルをぎゅっと一冊に集めた特集を企画した.単に高血圧や糖尿病などのCommonな慢性疾患に関する医学知識だけでなく,診療の型や行動変容,ヘルスメンテナンスなど私の専門である家庭医療の中からどの科の外来でも役立つエッセンスを散りばめた.主治医意見書や訪問看護指示書の書き方や診療報酬についてという実務的なことから,患者さんとのコミュニケーションのコツやタイムマネジメントなどなかなか教わることが少ないような内容も取り上げた.

初診外来や救急外来と異なり,慢性疾患外来は予習ができることが大きな特徴であり,予習をしっかりできるのかが要である.若手医師の皆さんが,この本を片手に次の外来の予習をしてくださることを期待している.

最後ではありますが,このような機会をくださった羊土社編集部の田中桃子様,中島由介様と社員の皆様に深く御礼申し上げます.そしてなにより,外来に必要な膨大なスキルや知識をぎゅっとわかりやすくまとめてくださった各章の筆者の先生方のお陰で素晴らしい一冊になりました.お忙しいなか,執筆をご担当いただいた各筆者の皆様に深く御礼申し上げます.


2023年12月

慶應義塾大学医学部 総合診療教育センター
安藤崇之

目次

第1章 慢性疾患外来診療で最初に身につけたい基本事項

1.外来診療の型を学ぼう(外来にも型がある)【坂井雄貴】

2.行動変容をうまく引き出すコツ【上村祐介】

3.介護保険の申請と主治医意見書・訪問看護指示書の書き方【西 明博】

4.ヘルスメンテナンス 〜外来は治療だけじゃない! 予防医療を組み込んで,より健康で豊かな人生を支えよう!【年森慎一】

5.高齢者の診かた(フレイル・CGA)【黒岩冴己】

第2章 外来でよく出合う慢性疾患の診かた

1.高血圧【森川敬太】

2.糖尿病【佐々木友里香,山下洋充】

3.脂質異常症【加藤 愛,加藤心良,野口善令】

4.生活習慣病の患者さんへの生活指導【林 亮佑,常石大輝,濱井彩乃】

5.高尿酸血症【長坂祐希,藤川裕恭】

6.慢性腎臓病(CKD)【山田拓也】

7.骨粗鬆症【髙橋 寛】

8.慢性心不全【小野雅敬,官澤洋平】

9.慢性閉塞性肺疾患(COPD)【高岡沙知】

10.気管支喘息【羽角勇紀】

11.睡眠時無呼吸症候群【渡部 健】

12.不眠症【宮本侑達】

13.認知症【山本 結,喜瀬守人】

14.甲状腺機能亢進症・低下症【今西 明】

15.片頭痛【原瀬翔平】

16.慢性腰痛症【深瀬 龍】

17.内科でも対応したい女性の診療【手銭 駿】

第3章 外来診療の質がグッとよくなるTips

1.外来診療がうまくいく最適なコミュニケーションのTips【張 耀明】

2.外来におけるタイムマネジメント【大﨑崇正,玉野井徹彦】

3.診療報酬に関して知っておきたいこと【松村 伸】

4.「医学的に説明困難な身体症状」を説明する【眞島裕樹】

5.健康診断や人間ドックの異常 〜尿潜血陽性・CTで肺小結節・エコーで膵嚢胞がみられたら【小林功樹,濱井彩乃】

6.処方に関するTips【松田真和】

7.オンライン診療のTips【川口湧水,吉田 伸】

8.患者さんを引き継ぐときのTips【伊豆倉 遥】


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書籍情報

  • ISBN:9784758127110
  • ページ数:262頁
  • 書籍発行日:2024年1月
  • 電子版発売日:2024年1月18日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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