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- 明日のアクションが変わる循環器救急の真髄教えます Ver.2
商品情報
内容
循環器救急で明日のアクションを変えるための方法を明快かつ適切に教えてくれるバイブルが最新の知見を反映し7年ぶりの改訂!「エビデンスは“作る能力ではなく“使いこなす"能力が必要」という著者が、急性期対応から薬物療法、補助循環など、選りすぐった12テーマについて豊富な経験と最新の知見をもとにその“真髄"をわかりやすく解説.循環器科医・救急集中治療医・総合診療医のみならず、メディカルスタッフにも役立つ書.
序文
第2版の序文
真の失敗とは開拓の心を忘れ困難に挑戦する事に
無縁のところにいる者たちの事を言うのだ
スティーブン・スティール
初版の発売から7年が経ちました.今回の改訂にあたり初版をじっくり読み直してみると,当時よりエビデンスがさらに蓄積され,ガイドラインの推奨も変わった領域があり,時代の移り変わりを感じました.拙書は私が単独執筆した最初の作品ですが,文章の書きぶりについて随所に尖りを感じます.音楽の世界ではアーティストはファーストアルバムを越えることができないとよく言われますが,それはアーティストが纏う無垢の世界観,未完成の危うさ,世に出る前のギラギラ感が唯一無二なのでしょう.今回の改訂では初版が奏でた尖りの旋律は残した上で,最新の知見でアップデートしました.すなわち,ファーストアルバムのリマスター版です.拙書を初めて手にされる読者の皆様も,初版から愛読してくださっている臨床の伝道師の皆様も,この新しく生まれかわった「真髄」をきっと楽しんでいただけると思います.
卒後18年目となった今,少しずつ見えているものが当時と違ってきているかもしれません.しかし次頁に綴られる初版の序文の通り,拙書を通じて私が伝えたい臨床に対する想いは現在も変わりません.目の前の患者さんと真摯に向き合う医療従事者の方々にとって,引き続き拙書が明日のアクションが変わるきっかけになれば幸いです.
最後に,本書改訂の企画・編集において中外医学社の宮崎雅弘様,高橋洋一様にお世話になりました.お礼を申し上げます.
2024年2月
川上将司
目次
第1話 知っておくべき臨床の常識・大原則
1 「呼吸数」はバイタルサインの王である
2 「とりあえず検査」体質をなくせ.検査前確率の重要性
3 血液ガス分析というスピードスター
4 コモン・イズ・コモン
5 動かない勇気
第2話 ようこそ,循環器救急の世界へ
1 Preparation
2 Primary survey+E3
3 初期検査提出
4 Secondary survey
5 治療介入
第3話 電撃性肺水腫からはじめる急性心不全入門
1 急性心不全とは:定義と診断基準
2 急性心不全の診断におけるナトリウム利尿ペプチド
3 クリニカルシナリオという共通言語
4 収縮期血圧:もっとも単純で簡便な循環指標
5 心不全の臨床像はNohria—Stevenson分類に基づいて整理する
6 Nohria—Stevenson分類とForrester分類.何が違うのか
7 Wet=うっ血の所見.うっ血は心不全の本態である
8 急性心不全患者の初期のマネージメント:CHAMPITを除外せよ
9 心エコーの使い方:血行動態指標を意識する
10 肺動脈カテーテルと対比させて覚える心エコー指標
11 よく使う左心系の心エコー指標
12 よく使う右心系の心エコー指標
・症例実況中継 (1)
13 電撃性肺水腫の呼吸管理:NPPVの使い方
14 電撃性肺水腫ではCO2は貯留するのか?
15 うっ血解除(decongestion)と利尿薬の話
16 血管拡張薬はただの降圧薬ではない
17 初期治療がうまくいかないときに知っておくべきこと
第4話 ST上昇型心筋梗塞のイロハとprimary PCI
1 急性冠症候群とは:概念と分類
2 急性心筋梗塞の定義:Universal definition
3 心筋虚血の典型的な症状とは何か
4 急性冠症候群を疑ったら
5 急性冠症候群でみられるST変化
6 ST上昇の誘導による冠動脈閉塞部位診断
7 STE—ACSのタイムマネージメント
8 Door—to—device timeのパラドックス
9 Primary PCIの適応
10 Primary PCIにおける抗血栓療法:抗凝固薬編
・症例実況中継 (2)
11 プレホスピタル心電図は有効なのか
12 STE—ACSにおける酸素投与
13 ST上昇から責任病変を推測:前壁心筋梗塞の場合
14 梗塞前狭心症の存在:プレコンディショニングの観点から
15 不朽の名作:Killip分類
16 カテーテルのアプローチ部位
17 冠動脈造影とTIMI血流分類・心筋濃染グレード
18 Primary PCIにおける血栓吸引療法は有効でない?
19 Direct stentingは有効か?
20 再灌流の指標となる促進心室固有調律
21 Primary PCIと造影剤腎症予防のマネージメント
第5話 急性心筋梗塞の薬物療法を急性期管理の点から考える
1 β遮断薬
2 ACE阻害薬
3 スタチン
4 Primary PCIにおける抗血栓療法:抗血小板薬編
5 P2Y12阻害薬の負荷投与のタイミング
・症例実況中継 (3)
第6話 「遅れてやってきた」心筋梗塞との戦い方
1 発症から時間が経過した急性心筋梗塞に冠血行再建術は必要か
2 肺動脈カテーテルと血行動態指標たち
3 知っておくと便利な混合静脈血酸素飽和度
4 肺動脈カテーテルは遺産? 循環器科医の本音
5 強心薬は必要悪?
6 大動脈バルーンパンピングの理論
7 大動脈バルーンパンピングにエビデンスなし?
・症例実況中継 (4)
8 Frank—Starlingの法則
9 心筋マーカーの推移を発症時期推定に活かす
10 IABPの離脱のポイント
第7話 心停止後症候群と体温管理
1 心停止にまつわる基本事項
2 突然死と心疾患の蜜月.特に冠動脈疾患
3 自己心拍再開後の冠動脈造影の適応
4 心停止後症候群を知る
5 体温管理療法に強くなる
6 ガイドラインにおける体温管理の推奨
7 体温管理療法で知っておくべきこと:PADIS編
8 低体温療法中の管理で知っておくべきこと:合併症編
・症例実況中継 (5)
9 胸骨圧迫は外傷?
10 筆者の施設での体温管理療法プロトコール
第8話 冠動脈が狭くなかったら考えること
1 簡単にたこつぼ症候群とよばないで
2 海外から逆輸入:たこつぼ型心筋症の報告
3 たこつぼ型心筋症はたこつぼの形をしていなくてもよい
4 たこつぼ型心筋症からたこつぼ症候群へ
・症例実況中継 (6)
5 カテーテル室でたこつぼ症候群と確定できない場合
第9話 自信がもてるPCPS管理
1 PCPSの名は
2 PCPSのエビデンス
3 PCPSを導入する
4 PCPS維持中の血行動態評価の鉄の掟
5 PCPS維持中の心機能回
(1):右上肢の酸素分圧(PaO2)
6 PCPS維持中の心機能回
(2):呼気終末二酸化炭素分圧(ETCO2)
7 PCPS維持中の心機能回
(3):肺動脈カテーテルの数値
8 PCPS維持中の心機能回
(4):大動脈弁開放時間
9 PCPS維持中の循環不全の改善をみる
10 PCPS維持中に留意すべき合併症とその対策
11 PCPSで循環が維持できないときに考えるべきこと
12 心原性ショックと体血管抵抗
13 PCPSの離脱:循環器救急領域の最大のイベント
・症例実況中継 (7)
第10話 これだけは知っておくべき右室梗塞
1 正常な右室について知っておきたいこと
2 右室梗塞の認識はなぜ重要か
3 右室梗塞の血行動態を理解する
4 右室梗塞の心電図診断
5 右室梗塞の診断基準
6 右室梗塞の治療:補液だけが治療じゃない!
・症例実況中継 (8)
第11話 急性肺血栓塞栓症の初期治療
1 急性肺血栓塞栓症の病態
2 急性肺血栓塞栓症の診断に症状・身体所見はあてになるのか
3 急性肺血栓塞栓症の検査前確率とは
4 急性肺血栓塞栓症の初期のマネージメント:診断編
5 急性肺血栓塞栓症の初期のマネージメント:治療編
6 急性肺血栓塞栓症の呼吸循環管理とヘパリン
7 ショックを呈する急性肺血栓塞栓症:Primary reperfusion
8 ショックのない急性肺血栓塞栓症の治療
9 知っておきたい,心腔内血栓の意義
・症例実況中継 (9)
第12話 感染性心内膜炎の脅威:急性弁膜症を診断する
1 感染性心内膜炎診療は常に“challenging”である
2 経食道エコーの重要性
3 感染性心内膜炎の手術適応
・症例実況中継 (10)
4 大動脈弁閉鎖不全症:慢性の場合
5 大動脈弁閉鎖不全症:急性の場合
6 急性大動脈弁閉鎖不全症のマネージメント
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書籍情報
- ISBN:9784498134331
- ページ数:434頁
- 書籍発行日:2024年3月
- 電子版発売日:2024年2月27日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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