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- フローチャート在宅医療漢方薬 選ばれるクリニックになるために!
商品情報
内容
在宅医療の患者さんのあれこれに、漢方薬が役立ちます。
患者さんから漢方を飲んでみたいといわれたとき、対応できる医師でいたい。
そんな医師のための登竜門として、漢方ビギナーが最初の成功体験をしていただき、
漢方の魅力に気づいていただけることをめざして企画された1冊。
序文
はじめに
在宅医療には医師が行う訪問診療と往診,看護師による訪問看護,作業療法士・理学療法士・言語聴覚士による訪問リハビリ,薬剤師による訪問服薬指導などが含まれます.在宅医療を利用して自宅で闘病されている患者さんをサポートするために役に立つ保険適用漢方薬をわかりやすく解説し,そして利用できる書籍になりました.
僕はリハビリクリニックの産業医もやっています.そのリハビリクリニックは僕の大学時代の同級生である院長が黎明期から訪問診療を積極的に行っています.産業医業務の傍ら,院長の在宅診療のお手伝いなども行っています.
そして僕も本日,前期高齢者になりました.高齢者(65歳以上)の人数は2042年にピークを迎えると予想されています.4,000万人弱が高齢者になります.そして毎年150万人前後が亡くなっています.僕が生まれた1959年頃までは自宅で死を迎える人が大半でした.1961年に国民皆保険制度が始まり,徐々に病院で最期を迎える人が増え,最近は8割近い方が病院で亡くなっています.2042年以降は高齢者数が減少に転じると予想されているため,病床を増やして病院で看取るよりも自宅で看取るほうがその後の対応が柔軟に可能だという医療政策的な観点から在宅医療は歓迎されたと思っています.
しかし,ゼロから始まった在宅医療のスタートです.やっと緒に就いたと思っています.ですからいろいろな在宅医療があります.そしていろいろな専門領域の医師が在宅医療に携わっています.いろいろな在宅医療があるなら,そこで漢方薬が活躍する機会もあるだろうと僕は思います.そして漢方薬が本当に役立つなら,多くの医師に浸透していくでしょう.
今回のフローチャートは,麻生飯塚病院で研鑽を積み,「在宅医療で一番漢方薬を使っている」と自負する土倉潤一郎先生にフローチャートを担当していただきました.在宅医療で漢方薬は相当役に立つという実体験に基づいての執筆です.漢方薬の有用性を熱く語っています.是非とも在宅医療の実臨床での魅力を堪能してください.
僕は母を看取った経験とリハビリクリニックでの在宅診療を垣間見ている立場で執筆しました.特に,僕はできるだけフェアな立ち位置で,冷めた目線で執筆しています.そんな著者2人の漢方薬に対する熱量の差を感じながら,みなさんなりの在宅医療の立ち位置で漢方薬を使ってください.
漢方薬は臨床試験を経ずに経験的な有効性から保険適用されました.しかし,臨床試験がなくても上手に使えば有効です.ここでいう「上手に」に古典の読破や漢方診療は実は含まれません.実際に患者さんを診て,困った時に使うことを繰り返すと漢方薬は自然と「上手に」使えるようになるのです.みなさんなりの「上手に」漢方薬を使うヒントに本書がなることを願っています.
漢方薬は必ず役に立ちますよ.それぞれの立場での在宅医療に!
2024年2月24日
新見 正則
目次
はじめに 巻頭
本書の使い方 巻頭
漢方薬の基本 新見正則
西洋医のためのモダン・カンポウ
漢方薬の副作用
在宅医療もいろいろ,漢方もいろいろ 新見正則
看取った母と漢方薬
在宅医療での漢方薬の魅力
漢方上達のために
どんな在宅医療の症状にも
在宅医療漢方薬早見表(15分類)
フローチャート在宅医療漢方薬 土倉潤一郎
呼吸器
風邪のひき始め
数日以内の咳嗽
乾性咳嗽が数日続いたら
湿性咳嗽
痰が出る
痰が絡む
誤嚥性肺炎予防
心因性の呼吸困難感
気管支拡張症
消化器
高齢者の食欲不振
非高齢者の食欲不振
軽度の便秘(西洋薬が合わない)
中等度以上の便秘
下痢
繰り返す胃痛
繰り返す腹痛
腹部膨満感
腸閉塞
整形外科
腰痛
膝関節痛
こむら返り
上肢しびれ
下肢しびれ
泌尿器
繰り返す尿路感染症
繰り返す血尿
夜間頻尿
尿路不定愁訴
耳鼻咽喉科
咽頭痛(風邪)
水様性の鼻汁
粘稠性・黄色の鼻汁
繰り返す副鼻腔炎
鼻閉
耳鳴り
口腔内乾燥
神経内科
繰り返す頭痛
頭蓋内疾患のない方のめまい
頭蓋内疾患(慢性期)のめまい
物忘れ
認知症の周辺症状
精神科
怒り・興奮
うつっぽい
不眠
皮膚科
皮脂欠乏性皮膚炎
しもやけ
帯状疱疹後神経痛
蜂窩織炎
褥瘡
循環器
起立性低血圧
動悸
胸痛(心臓神経症)
心不全
がん
がん患者の倦怠感
がん患者の食欲不振
小児科
小児の水様性鼻汁
小児の繰り返す副鼻腔炎
小児の咳嗽
小児の喀痰
小児の繰り返す微熱
小児の冷え
小児の浮腫
小児の便秘
小児の不眠
小児のかんしゃく・イライラ
医療処置
胃瘻・気管切開で白色痰
胃瘻・気管切開で黄色痰
胃瘻・気管切開で痰が取れにくい
胃瘻・気管切開の誤嚥性肺炎予防
胃瘻患者の経管栄養逆流
尿道カテーテル留置中の尿路感染症・閉塞の予防
酸素吸入中の呼吸困難感
その他
冷え
倦怠感
フレイル
非高齢者の下腿浮腫
高齢者の下腿浮腫
全身浮腫
介護者
介護者の疲れ
介護者の不眠
介護者のイライラ
結局何を使えばいいの?
あとがき
参考文献
索引
コラム 土倉潤一郎
在宅で漢方薬を上手に使うコツ
在宅生活を支える漢方薬
おまけ:漢方医あるある⑩
おまけ:在宅医あるある⑩
意外と漢方薬の出番が多い
胃瘻・気管切開の患者さん
コラム特別寄稿 中山今日子
在宅服薬指導
在宅現場で薬剤師は必要か?
コラム 新見正則
がんに漢方薬は効くの?
※本書で記載されているエキス製剤の番号は株式会社ツムラの製品番号に準じています.番号や用法・用量は,販売会社により異なる場合がございますので,必ずご確認ください.
※本書は基本的に保険適用の漢方薬を記載しています.
※本書では使いやすいようにあえて一般名と商品名を統一していません.
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書籍情報
- ISBN:9784880029030
- ページ数:176頁
- 書籍発行日:2024年5月
- 電子版発売日:2024年4月26日
- 判:B6変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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