術前術後ケアの疑問、3分で解説します!

  • ページ数 : 192頁
  • 書籍発行日 : 2024年7月
  • 電子版発売日 : 2024年7月2日
2,970
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商品情報

内容

【病棟で迷いがちな66のポイントを網羅!】 「術前のルートキープで使用する留置針は20G以上じゃないと絶対にダメ?」「術後に"喉が痛いんです"と言われたらどうしたらいい?」改まっては聞きづらい、でも本当は知りた~い!という66個の疑問をゆるわかりで簡潔に解説。Q&A形式で好きなところから読める!

序文

まえがき

この4 月で私は看護師歴19 年目になりました。最初の3 年間は消化器外科病棟、次の4 年間は泌尿器科、呼吸器外科、心臓血管外科などの混合外科病棟、そして8 年目に現在の病院に移り、そこから8 年間消化器外科病棟で働き、現在は医療安全管理部というところで働いています。経歴を見ていただければわかる通り、ずっと外科畑で育ってきました。

私自身もそうでしたし、一緒に働いてきた後輩達を見てきて思うことは、外科ナースは手術の術式とか術後合併症のことは一生懸命勉強するのですが、この本のテーマである術前術後のケアについての勉強が後回しになっている人が多い気がします。私自身が正にそうで、私が新人の頃は、クリニカルパス通りにやっておけばいいやと思っていましたし、それがなぜ行われているのか、ということを考えずにやっていました。そうすると何かイレギュラーなことがあると柔軟に対応できないんですね。それをなぜやっているのか、根拠を知ることで、柔軟に対応することができますし、自分で考えることができるようになるので楽しく仕事をすることができると思います。今、医療安全の世界では「レジリエンス」という言葉が流行っています。従来の医療安全は、『失敗を減らす』ということに注力してきましたが、それが行き過ぎるあまりに現場がストレスに感じることも少なくありませんでした。最近は『多少のリスクを許容し、トラブルが起こってもリカバーする能力(これをレジリエンスと言います)を高める』ことで患者安全を高めようという考え方が出てきています。しかしトラブルが起こった時にリカバーするためには、それを何のために行っているかを知らなければできないと思いますし、根拠を知ることは安全な医療を提供するためにも重要だと思います。

本書では徹底的にケアの根拠を盛り込んでいます。本書は外科ナースのよくある疑問に回答するというQ & A 本なんですが、1 冊読んでいただくと術前術後に外科ナースが行っている多くのケアの根拠を知ることができると思います。どこから読んでいただいてもわかるようになっていますので、ぜひ、気になる疑問から読んでみて下さい。本書が外科ナースの皆さんの疑問を1つでも解決し、より良い看護、安全な医療に貢献することができれば嬉しく思います。


2024年5月

地方独立行政法人 大阪市民病院機構
大阪市立総合医療センター 医療安全管理部
久保健太郎

目次

【第1章 術前編】

Q01 手術前はなぜ絶飲食が必要なんでしょうか?

Q02 手術前の絶飲食は手術の何時間前から行うという決まりはあるのでしょうか?

Q03 術前に点滴をするのはなぜでしょうか?

Q04 術前にPICCからエルネオパ(R)を点滴している場合、手術出棟時の点滴はラクテック(R)などに変更するほうがいいでしょうか?

Q05 婦人科手術の患者さんに加え、最近では胃がん手術の患者さんも術前日夜と起床時にアクアファン(R)を飲んでいます。なぜでしょうか?

Q06 術前のライン確保で使用する留置針は、20G以上じゃないと絶対にダメですか?

Q07 術前の臍処置って意味はあるのでしょうか?どうやって行えばいいでしょうか?

Q08 消化器外科の術前にInBodyや握力を測定しているのですが、なぜでしょうか?

Q09 消化器外科の患者さんには術前に「フレイル質問票」に回答してもらっているのですが、どういう意味があるのでしょうか?

Q10 鼠径ヘルニアの手術などで左右のマーキングをしているのですが、必要でしょうか?

Q11 腹部の術後の腹帯はあまり意味がないように感じるのですが、本当のところどうなのでしょうか?

Q12 術当日の朝にバイタルサインを測定したら38.2℃の発熱がありました。どうしたらいいですか?

Q13 術衣だけで出棟したら、手術室看護師から上着や靴下を着させるように言われました。患者さんは寒がってないのですが、なぜでしょうか?

Q14 私(看護師)1人で2人の患者さんを同時に手術室に搬送したら、手術室看護師に注意されました。なぜでしょうか?

Q15 輸血のT&Sってなんですか?

Q16 手術前後の透析っていつ行うか決まっているのですか?

〈column 01〉最近は術前からのリハビリが大事!~プレハビリテーション~

【第2章 術中編】

Q17 病棟から手術室への申し送りでは、何を伝えればいいですか?

Q18 麻酔のことがよくわかりません。鎮静や静脈麻酔も全身麻酔ですか?

Q19 手術室看護師から病棟看護師への申し送りで、大事なポイントは?

Q20 手術室看護師から「リバースしました」と申し送りがありました。リバースってなんですか?

Q21 手術室看護師から「手術終了前の〇時〇分にアセリオ(R)を投与しました」という申し送りが多いのは、なぜですか?

Q22 麻酔科の先生が、よく手背に末梢ルートを入れるのはなぜですか?手背に挿入されていると患者さんが不便そうなのですが……。

Q23 術中・術後に感染予防のために抗菌薬を投与しますが、それでさまざまな感染に対応できるのですか?

Q24 最近流行りのロボット手術って、いったいどんな手術ですか?

Q25 ロボット手術特有の合併症はありますか?

【第3章 術後編】

Q26 手術室から病棟までの移送中は、どんなことに注意したらいいですか?

Q27 術直後には何を観察したらいいですか?

Q28 術直後は枕をしないほうがいいでしょうか?

Q29 なぜルーチンで酸素投与を行うの?酸素投与が必要ない場合との違いは何?

Q30 術後の血圧が200/110mmHg、どうしたらいい?

Q31 術後に時々頻脈になる人がいますが、どうしてですか?どう対応したらいいですか?

Q32 術後に時々シバリングすることがあるのはどうしてですか?どう対応したらいいですか?

Q33 術後3日間は発熱しても問題ないとよく聞きますが、様子をみていてもいいですか?

Q34 術後3日目以降に発熱した場合には、どうアセスメントしたらいい?

Q35 術後に発熱した場合は、解熱薬を投与したほうがいいですか?

Q36 術後の尿量はどのくらい出ていればいいですか?

Q37 尿道カテーテルを抜去後6時間経っても尿が出ません。再留置したほうがいいですか?

Q38 診療科によって術後の安静度が違うのはなぜですか?

Q39 離床のコツを教えてください。

Q40 術後1日目で痛みが強くて離床が進まない場合でも、がんばって離床したほうがいいですか?

Q41 NRSなどのペインスケールって必要ですか? 答えてくれない患者さんも多いのですが……。

Q42 患者さんが痛み止めを頻繁に希望します。どうしたらいいですか?

Q43 鎮痛薬を投与後1時間経ってもまだ患者さんが痛がっています。追加投与してもいいですか?

Q44 疼痛時指示でロピオン(R)とアセリオ(R)の両方があります。どっちを使用したらいいですか?

Q45 術後の痛みを軽減する方法は、鎮痛薬の投与以外にないですか?

Q46 透析患者にNSAIDsを投与するのはダメですか?

Q47 アセリオ(R)は安全な薬と聞きますが、副作用はないのですか?

Q48 硬膜外鎮痛中に足がしびれるという患者さんには、どうすればいいですか?

Q49 患者さんが痛がっていなかったら、硬膜外カテーテルは早めに抜いてもらったほうがいいですか?

Q50 術後に嘔気があり、指示通りにプリンペラン(R)を使用しても治りません。どうしたらいいでしょうか? 先生は仕方がないと言うんですが……。

Q51 術後に「喉が痛いんです」と言われたらどうしたらいいですか?

Q52 腹腔鏡の術後に、患者さんがときどき肩の痛みを訴えるのはなぜですか?

Q53 腹腔鏡の術後に、皮下気腫や皮下出血を起こす場合があるのはなぜですか?

Q54 不穏の患者さんにはどう対応したらいいですか?

Q55 術後初めて飲水するときは、かならず飲水テストが必要ですか?

Q56 消化器術後の食事が、流動食などから5分粥、7分粥と変わっていくのは意味がありますか?

Q57 シャワー浴と入浴はいつから開始できますか?

【第4章 ドレーン編】

Q58 情報ドレーンと予防的ドレーンの違いがよくわかりません。

Q59 ドレーン排液が血性の場合はどうしたらいいですか?

Q60 ドレーンの脇漏れが多いときはどうしたらいいですか?

Q61 腹腔内ドレーンの抜去時は何に注意すればいいですか?

Q62 胸腔ドレーン抜去は吸気時?呼気時?創部の閉鎖方法も先生によって違います。正しい方法は?

Q63 ドレーンを自己抜去されたら、どう対応したらいいですか?

Q64 患者さんが腹腔内ドレーンを途中まで抜去したのですが、どうしたらいいですか?

Q65 縫合不全になった患者さんの記録によく書かれている「瘻孔化」って何ですか?

Q66 先生のカルテによく記載されているcavityって何ですか?

〈Column 02〉ERAS


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書籍情報

  • ISBN:9784840485036
  • ページ数:192頁
  • 書籍発行日:2024年7月
  • 電子版発売日:2024年7月2日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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