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- これからの小児救急電話相談ガイドブック
商品情報
内容
電話相談には、理論に基づいたスキルが必要です。
小児救急電話相談事業が拡大されるなか、その事業に携わる相談員の疑問や困り事などに応えるため、「症状別の相談内容と対応」を中心に解説。
病気やけがの子どもを家庭で看る保護者を支えるために、必携の一冊。
また本書は、公益社団法人日本小児保健協会主催の小児救急電話相談研修会に準拠しております。
序文
序文
日本小児保健協会に設置された「小児救急の社会的サポートに関する検討委員会(以下,委員会)」主催で,「小児救急電話相談スキルアップ研修会」が初めて開催されたのは2011(平成23)年のことです。#8000小児救急電話相談事業が全国に拡大されるなか,その事業に携わる相談員の疑問や困り事などのニーズに応えるために始められました。以降,研修会は毎年開催されていますが,回を重ねるごとに小児救急電話相談についての新しい発見があり,理解が深まり,小児救急電話相談とは考えていた以上に奥が深く,難しく,そしてさまざまな可能性を秘めていることもわかってきました。そうした内容の集大成が本書です。
#8000小児救急電話相談事業が始まった当時,「電話相談の目的は夜間の不要不急の小児患者の受診を減らすこと」で,「正しい医療知識を保護者に指導することが大切である」と考えていた医療者が多かったと思います。確かに小児救急医療に関しては,保護者のニーズの広がりに現場が疲弊し,さまざまな課題を抱えていますが,電話相談をその解決の手段にするのは間違っています。小児救急電話相談は医療者のために存在するのではなく,「子どもの安全と家族の安心」のために存在すべきであり,その大きな目的は「病気やけがの子どもを家庭で看る保護者を支えること」です。
本書のベースになっている小児救急電話相談スキルアップ研修会では,そうしたことを追求した小児救急電話相談のあり方を徹底して伝えてきました。本書は,小児救急電話相談についての方法論を伝える単なる解説本ではありません。電話で相談してくる保護者と子どもの視点に立った医療のあり方を追求することと同時に,小児救急電話相談の対応をする相談員の困難さ,さらにはクリニックでの電話対応の現状をも考慮した内容になっています。小児救急電話相談を深く学ぶと,電話相談のスキルの向上のみならず,小児医療を利用する子どもと家族への理解が深まったり,医療者が陥りやすい傾向がよくわかったり,日頃のコミュニケーションに生かせたりします。ゆえに,小児救急電話相談の従事者だけでなく,小児医療に携わるすべての医療者に,ぜひとも手に取ってもらいたい本です。
余談になりますが,原稿の執筆を開始した当初,本書には『今まで誰も教えてくれなかった小児救急電話相談』という仮タイトルがついていました。このタイトルには,本書の内容が今まで誰も体系化して教えることができなかったものであり,もっと広く普及していかなければならない,という思いが込められていました。しかし最終的に,書名を決定するために委員会のメンバーで話し合っているときに,あるメンバーから「このタイトルは後ろ向きではないか。これからの小児救急電話相談の方向性を示す未来志向の書名がよい」という提案があり,『これからの小児救急電話相談ガイドブック』に決まりました。
医療は常に進歩しています。小児救急電話相談スキルアップ研修会も本書も進歩していくなかの一つの過程です。「誰も教えてくれなかったこと」を伝えて満足するのではなく,これからも前進し続けたいと思います。
2017年6月吉日
福井聖子 白石裕子
目次
I 小児救急電話相談とは 小児救急電話相談とは
1. 小児救急電話相談の考え方
2. 小児救急電話相談の相談員に求められること
3. 相談者についての基本的理解
II 電話というツールを用いた「相談」についての基本的知識
1. 電話をとおした会話の特性
2. 電話ならではの会話の流れ
3. 医療現場での会話と電話相談との違い
4. 電話相談で気をつけること
III 症状別の相談内容と対応
1. 発熱
2. 嘔吐
3. 下痢
4. 血便,便に血が混じる
5. 便秘
6. 腹痛
7. 咳,咳き込む
8. 喘鳴,ゼーゼー/ヒューヒュー,呼吸困難
9. しゃっくり
10. 胸痛
11. 鼻汁,鼻閉
12. けいれん,ひきつけ
13. 泣きやまない
14. 頭を打った,頭部打撲
15. 意識障害
16. 頭痛
17. 排尿痛,頻尿
18. 尿が出ない
19. 発疹,じんましん
20. 虫刺され
21. 動物などに咬まれた
22. 耳痛,耳腔内異物
23. 鼻出血
24. 鼻腔内異物
25. 目のゴミ・けが,その他異物
26. 手足の打撲,肘内障,骨折,捻挫など
27. 足の痛み,成長痛
28. 切り傷,擦り傷,刺し傷
29. 指の切断
30. むし歯が痛い,むし歯で顔が腫れた
31. 外傷で歯が抜けた・折れた・めり込んだ
32. 口腔内出血・打撲,歯ブラシによるけが
33. 魚の骨が刺さった
34. やけど
35. 低体温
36. 熱中症
37. たばこの誤飲
38. 誤飲(薬物・家庭用品・自然毒など)
IV その他の相談内容と対応
1. 薬について
2. 予防接種後の副反応
3. 登園・登校の目安
4. 救急車を呼んだほうがよいのはどのようなときか
V クリニックにおける電話応対
1. 電話の使い方
2. 電話応対の振り分け
3. クリニックの方針と共有すべき情報整理
4. 電話で得られる情報を日常診療に活用
5. 事務職や医療外職種の力を活用
VI 電話相談の理解を深めるために-事例から考える-
1. 「もっと早く受診していたら」の声に対して
2. 対応の一律化を追求するよりも
3. 知識にこだわりすぎない
4. 電話では指導はできない
5. その保護者にできる手段を探す
6. 虐待への対応
7. いたずら電話
8. 一人あたりの相談時間
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書籍情報
- ISBN:9784892699276
- ページ数:144頁
- 書籍発行日:2017年7月
- 電子版発売日:2024年9月18日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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