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LIVE!! 輸液プラクシス 3つのRで現場に実装 輸液ど真ん中!!!

  • ページ数 : 400頁
  • 書籍発行日 : 2024年11月
  • 電子版発売日 : 2024年11月27日
5,280
(税込)
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商品情報

内容

卒後2~3年目の医師&診療看護師に捧ぐ――ありそうでなかった“ちょうどいい”輸液入門。

 2017年、ひたちなか総合病院に赴任後、颯然一人で救急・総合内科を創設するなど、茨城イチ愛の溢れる診療を掲げ日々奮闘する医療界の墨子こと柴﨑俊一医師待望の単著が堂々の開板。若き俊英が最前線の現場で培った知識と技術、経験を惜しみなく披瀝する、医学を学ぶ学生から若手医師、そして輸液に関わる看護師をはじめとしたコメディカルのための学びに溢れる水際立つ好著と言えます。
 現場で学びつつある医師や看護師を想定しつつも、更なる学びのスプリングボードとして、易しく深く新しく、輸液のための/からの活きた(ライブな)知見を満載。あるいは臨場感(ライブ)に富んだ読むOJTとして、あるいは勉強会や独習のための資料として、個人の能力だけでなく、チーム全体の診療力向上に一役買うのは間違いなし。「民間医局コネクト」で大人気のコンテンツを改訂増補した白熱するライブの書。以て記銘すべし。

序文


柴﨑俊一先生とは3年間,諏訪中央病院で一緒に働いたことがあります.八ヶ岳のふもとにある諏訪中央病院にはユニークかつ優秀な指導医がたくさんいます.柴﨑先生は腎臓領域のみならず内科全般の医学知識が豊富で,診断にかける情熱が素晴らしい医師です.原因不明の症状で入院した患者に銅欠乏症を見つけたと聞いたときは驚きました.

本書は卒後2 ~ 3年目の医師や診療看護師(NP)のための実践的な輸液の解説書です.これでいいのだろうかと自問しながら目の前で苦しんでいる患者に輸液をオーダーするときは勇気が要ります.救急室の緊迫した場面では,忙しい指導医に細かいことまで相談するのは憚られます.基本を理解し,病態生理に従い自信をもって輸液プランを組み立てる必要があります.しかし,それらを明確にわかりやすく教えてくれる医学書はありませんでした.

この本を読みながら,診断の神様と言われるカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)内科学教授のLawrence M. Tierney先生にこう言われたことを思い出しました.「講義で自分の知っていることを全て教えようとする指導医が多いが,それは間違っている.相手のレベルや興味に合わせて,知りたいところを簡潔に教えるのが教育のコツだ」

basic lectureでは輸液の適応〝3R〟が提案されています.① Resuscitation( 蘇生), ② Redistribution( 補正), ③ Routinemaintenance(維持)です.これらの状況に適応しない場合,輸液は必要ないのです.とりあえず行う輸液は過剰輸液の原因となり有害だと述べられています.

この本は肺炎や糖尿病,下痢,心不全などの疾患ごとにどのような輸液の組み立てが必要かを学ぶcase studyとなっています.実際の診療を意識した,擬似OJT(on the job training)でのトレーニングは医学知識の習得に最も効果的です.輸液成分や静注用薬剤の注意点などの基本的医学知識を再確認しながら,生理学や代謝内分泌の知識を復習できます.基礎的な知識が身につくと応用が可能です.

さらに深く学びたい人のために,本書の後半では,胆管炎による敗血症性ショックや糖尿病性ケトアシドーシス,低カリウム血症,低ナトリウム血症に対する治療が様々な文献を引用しながらわかりやすく解説されています.従来の内科書とは異なるユニークな視点もあり,アドバンスドな知識を獲得したいモチベーションの高い研修医やNPは知的好奇心をくすぐられるに違いありません.解説に出てくる図表はシンプルで秀逸です.視覚からの直感的なインプットで知識が整理されます.病態生理からの深い考察や超音波を補助診断に活用する戦略はなるほどと感銘を受けます.高齢化社会に必須の終末期医療における輸液についても最後に解説されています.

ところどころの解説に出てくる四字熟語はどういう意味だろうと思いながら辞書を引きました.例えば,鞭辟近裏です.このような言葉があるのかと楽しみながら教養を深めることができます.救急室や病棟における輸液の基本理論はこの本1冊に凝集されています.本書を何度も読み返して学習すれば,かなり医学知識がつきます.さあ実戦あるのみです.患者管理に遭遇するたびに本書を何度も読み直し,知識をさらに強固なものにしていくのがよいでしょう.


諏訪中央病院総合診療科
山中 克郎

目次

序   山中克郎

略語一覧

本書のターゲット

Basic 1 こっそり読んでいる医大生・卒後1年目研修医向け 輸液の準備から滴下まで

Case 1 当直 当直デビュー!! 肺炎っぽい人、まず見といてー。

コラム 市中肺炎のエンピリックセラピーにアジスロマイシンを足すか?

Basic 2 輸液の適応〝3R〟

Case 2 病棟 病棟管理デビュー!! とりあえず、点滴出しといて。

コラム 急性アルコール中毒患者への輸液でアルコールをwash outという迷信

Basic 3 リアルワールドの輸液オーダーに必要な知識・技術を俯瞰する

Case 3 病棟 肺炎患者さんを任された!! この患者さんの担当は今日から先生に。

コラム 薬の配合変化他の頻出パターンも知っておこう

Case 4 病棟 糖尿病患者さんを任された!! 輸液とインスリンの管理はどうする?

コラム 患者さんを早くに退院にもっていくコツ

Case 5 病棟 一般成人とフレイル高齢者はどうやら違う?! フレイルの高齢者は落とし所が大事。

コラム 静脈栄養製剤と血流感染症

Case 6 当直 ひどい嘔吐下痢による脱水の初期対応を任された!! 血液データ、こじれてそうだなぁ。

コラム 心不全・肝硬変で代謝性アルカローシス、生食入れられないよね?!

Case 7 当直 心不全疑いの対応を任された!! たぶん、心不全だ。

コラム 循環動態の概要を把握するエコーにチャレンジ!!

Case 8 当直 ショックの対応を任された!! どんな準備をして待っておく?

コラム 身体所見から〝静脈瘤出血らしさ〟を見積もる

Case 9 病棟 胆管炎での敗血症性ショックの入院担当に!! 今日の輸液戦略を一緒に考えよう!!

コラム VExUSって何?

コラム 〝輸液反応性あり〟≠〝有効循環血漿量低下〟

Case 10 病棟 胆管炎での敗血症性ショックの入院担当、その後…… 少し利尿かけてみたら?

コラム ラシックス®は〝last six hours〟利尿薬の大事なエッセンスを深堀り

Case 11 病棟 初期治療を任された!! 糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)だ。

コラム 〝エコーでのIVC径評価〟の誤解あれこれ

Case 12 当直 低カリウム血症の対応を任された!! 重度の低カリウム血症だ。

Case 13 当直 低ナトリウム血症の対応を任された!! 重度の低ナトリウム血症だ。

コラム 抗利尿ホルモン(ADH)と低ナトリウム血症の関係

Case 14 病棟 入院後の低ナトリウム血症の対応!! 低ナトリウム血症、過剰補正になりそうだ。

コラム 尿比重と尿浸透圧の関係

Case 15 病棟 終末期の輸液を任された!! 終末期の輸液、どうやってケアしよう。

TroubleShooting 1 ルート刺入部付近が赤く腫れています。

TroubleShooting 2 血液ガスで乳酸が下がり止まっていますが、何かします?

さいごに 輸液もどんどんエビデンスがアップデートされている

索引

著者略歴

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書籍情報

  • ISBN:9784911284025
  • ページ数:400頁
  • 書籍発行日:2024年11月
  • 電子版発売日:2024年11月27日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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