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- 心電図スマートブック
商品情報
内容
遭遇することが極めて稀な現象や所見は取り上げず、日々の診療でよく見る必要最低限の事柄のみを紹介。各章の項目はすべて1~2頁で完結し、心電図の配置を統一するなど、読みやすさにもこだわりました。
常にお持ちのスマートフォン・タブレット端末で携帯いただき、日常診療の場、困った時にすぐに活用いただければ幸いです。
序文
心電図は臨床医にとって欠くことのできない検査の1つです.内科医においては,いろは順の"い"に相当するものであり,医師なら誰もが読むことができて当たり前の検査です.しかし,この心電図を判読できる医師は意外と少ないのが実情です.欧米の医師に尋ねると,「心電図は苦手だ」と言う医師はそう多くはありません.わが国では,循環器医は別として,ほとんどの医師が口をそろえて,「心電図は難しい」「心電図は何度聞いても判らない」と言います.なぜ,このような状況になったかを鑑みると,わが国では,心電図書籍の多くがまれな現象や所見にこだわりすぎて,どれがその疾患に特徴的な所見かが判らなくなってしまったことが原因ではないかと感じています.心電図にはバリエーションがたくさんあります.そのなかで,もっとも特徴的で知っておかなければならない所見を,確実におさえることが重要です.それが心電図を克服する道だと思っています.
筆者は,これまで心電図に関する書籍をいくつか手がけてきました.循環器医を対象にした書籍もあれば,パラメディカルや医学生を対象にした書籍までさまざまです.その場合,特に注意を払ったのは,書籍の対象読者によって執筆内容に変化をもたせたということです.専門医が対象であれば,一般的な心電図の解説は早々に切り上げ,現在トピックスとして話題を集めている心電図現象に重点を置いて解説しました.一方,看護師などのパラメディカルが対象であれば,最新のトッピクスの解説はメモ程度にとどめ,基本的な心電図の解説に重点を置きました.本書の場合,健康診断や一般内科診療に携わっている医師,および研修中の若いレジデントを読者対象にしています.そのため,遭遇することがきわめてまれな現象や所見は取り上げていません.是非,知っておいてほしい事柄のみを載せています.
書籍の体裁としては,用語はすべて学会が発行している用語集に準じて記載しました.心電図は略字を使用することが多いので,そのフルスペルとともに併記しました.読みやすいように解説はすべて箇条書きで,かつ見やすい紙面としました."あるかもしれない"というような,知らなくてもよい現象は触れていません.心電図の表示においては,縦パターンと横パターンのみの2つの規格とし,各パターンの心電図背面スケールはすべて同一とすることで,見やすさにもこだわりました.各章の項目はすべて1または2頁で完結し,心電図の配置をすべて統一しました.Ⅱ~Ⅲ章では最初に致死的な危険度と頻度,Ⅳ章では最初に疾患の重症度と頻度を印字表示することで,重要度がわかるように配慮しました.さらに,書籍の大きさをB6判とし,持ち運びやすさと厚さにもこだわりました.
本書のタイトルが「心電図スマートブック」であることからもわかるように,本書1冊の内容を網羅することで,日常臨床で遭遇する心電図のほとんどがマスターできるようになっています.忙しい日々の臨床において,本書をスマートにご活用していただければ幸いです.
2013年1月
池田隆徳
目次
Ⅰ章 基本知識編
1.心電図検査の意義
2.心電図検査の種類
3.心電図の原理
4.心臓内の刺激伝導系
5.心電図の計測値
6.心電図の誘導
7.誘導と心筋領域
8.電気軸と心臓回転
9.基本波形と基本間隔
10.P波の形状
11.QRS波の形状
12.T波の形状
13.ST部分の形状
14.PQ間隔の変化
15.QT間隔の変化
16.健常成人(中年期)の心電図
17.健常成人(青年期)の心電図
18.健常小児(学童期)の心電図
Ⅱ章 異常所見編
1.左軸偏位
2.右軸偏位
3.時計方向回転
4.反時計方向回転
5.高電位(QRS波)
6.低電位(QRS波)
7.早期再分極
8.非特異的ST-T異常
9.右胸心
10.洞頻脈
11.洞徐脈
12.異所性心房調律
13.房室接合部調律
14.洞不整脈
15.移動ペースメーカ
16.等頻度性房室解離
17.完全右脚ブロック
18.不完全右脚ブロック
19.左脚ブロック
20.左脚前枝ブロック
21.左脚後枝ブロック
22.二枝/二束ブロック(右脚+左脚前枝ブロック)
23.二枝/二束ブロック(右脚+左脚後枝ブロック)
24.三枝/三束ブロック(右脚+左脚前枝+1度房室ブロック)
Ⅲ章 不整脈編
1.洞不全症候群:Ⅰ群(洞徐脈)
2.洞不全症候群:Ⅱ群(洞停止)
3.洞不全症候群:Ⅱ群(洞房ブロック)
4.洞不全症候群:Ⅲ群(徐脈頻脈症候群)
5.房室ブロック:1度
6.房室ブロック:2度(ウェンケバッハ型)
7.房室ブロック:2度(モビッツⅡ型)
8.房室ブロック:2度(2:1房室ブロック)
9.房室ブロック:2度(高度房室ブロック)
10.房室ブロック:2度(発作性房室ブロック)
11.房室ブロック:3度(完全房室ブロック)
12.房室接合部補充収縮
13.心室補充収縮
14.心房期外収縮
15.心房期外収縮(心室内変行伝導を伴ったタイプ)
16.心房期外収縮(房室ブロックを伴ったタイプ)
17.心房頻拍(異所性/単源性)
18.心房頻拍(多源性)
19.心房頻拍(リエントリー性)
20.心房細動
21.心房細動(頻脈性)
22.心房細動(徐脈性)
23.心房細動(心室内変行伝導を伴ったタイプ)
24.心房細動(脚ブロックを伴ったタイプ)
25.心房細動(WPW症候群に伴ったタイプ)
26.心房細動(完全房室ブロックに伴ったタイプ)
27.心房粗動(通常型,4:1伝導)
28.心房粗動(通常型,2:1伝導)
29.心房粗動(通常型,1:1伝導)
30.心房粗動(非通常型)
31.発作性上室頻拍 (通常型の房室結節リエントリー性頻拍)
32.発作性上室頻拍(房室回帰性頻拍)
33.発作性上室頻拍(心房リエントリー性頻拍または非通常型の房室結節リエントリー性頻拍)
34.発作性上室頻拍(洞結節リエントリー性頻拍)
35.発作性上室頻拍(幅広いQRS波を示したタイプ)
36.心室期外収縮(単発性)
37.心室期外収縮(単源性,多発性,2連発)
38.心室期外収縮(多源性)
39.心室期外収縮(2段脈)
40.心室期外収縮(RonT型)
41.副収縮
42.心室頻拍(非持続性,単形性)
43.心室頻拍(非持続性,多形性)
44.心室頻拍(持続性,単形性)
45.心室頻拍(持続性,多形性)
46.促進性心室固有調律(スロー心室頻拍)
47.torsadedepointes
48.心室細動(発症早期)
49.心室細動(発症5分後)
Ⅳ章 症候群/疾患編
1.WPW症候群(A型)
2.WPW症候群(B型)
3.QT延長症候群(先天性)
4.QT延長症候群(後天性)
5.QT短縮症候群
6.Brugada症候群(coved型)
7.Brugada症候群(saddleback型)
8.早期再分極(J波)症候群
9.左室肥大(軽度中等度)
10.左室肥大(重度)
11.右室肥大
12.労作性狭心症(前壁中隔領域)
13.労作性狭心症(前壁中隔+側壁領域)
14.労作性狭心症(下壁領域)
15.不安定狭心症(前側壁領域)
16.冠攣縮性狭心症
17.急性心筋梗塞(前壁中隔領域:急性期)
18.急性心筋梗塞(前壁中隔領域:超急性期)
19.急性心筋梗塞(前壁中隔+側壁領域:亜急性期)
20.急性心筋梗塞(下壁領域:急性期)
21.急性心筋梗塞(下壁領域:亜急性期)
22.心内膜下梗塞(前壁中隔+側壁領域)
23.後壁梗塞
24.右室梗塞
25.拡張型心筋症
26.肥大型心筋症
27.不整脈原性右室心筋症
28.たこつぼ型心筋症
29.急性心筋炎
30.急性心膜炎
31.急性心膜心筋炎
32.心膜液貯留
33.大動脈弁狭窄症
34.僧帽弁狭窄症
35.心房中隔欠損症
36.肺高血圧症
37.高カリウム血症
38.低カリウム血症
39.高カルシウム血症
40.低カルシウム血症
41.ジギタリス効果心電図
42.薬物中毒心電図(抗不整脈薬)
43.薬物中毒心電図(ジギタリス)
44.ペースメーカ心電図(AAIモード)
45.ペースメーカ心電図(VVIモード)
46.ペースメーカ心電図(DDDモード)
47.ペーシング不全
48.センシング不全
49.ペースメーカモード不適合
50.アーチファクト心電図(筋電図ノイズ)
51.アーチファクト心電図(電極接触不良)
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書籍情報
- ISBN:9784498037823
- ページ数:286頁
- 書籍発行日:2013年3月
- 電子版発売日:2013年7月27日
- 判:B6判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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