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- CCUエキスパート看護マニュアル Part1.急性期治療と看護
商品情報
内容
<Part1の主な収録内容>
・CCUとは
・虚血性心疾患
・大動脈疾患
・急性左心不全
・重症不整脈
序文
榊原記念病院は,心臓外科のパイオニアの一人である故榊原仟東京女子医科大学教授が,一人でも多くの心臓病患者を救うことと,循環器医療に携わる医師や看護師の教育のために日本心臓血圧研究振興会に附属する循環器専門の臨床研究施設として,1977年11月に設立しました.病院設立当初は,ICUに附属した設備としてCCU(coronary care unit)4床を稼働させ,1984年に独立した10床のCCUになりました.
当初のCCUは,その用語の意味のとおり,冠動脈疾患患者を収容して治療と看護を行っていましたが,循環器治療の進歩と変遷とともに,その機能や役割も変化してきました.たとえば,1980年代は,通常の経皮経管的冠動脈形成術であるPOBAが主流でしたが,1990年代に冠動脈ステントに移り,同時にDCAやロータブレーターなどの新たな冠動脈形成術が開発され,そして,循環補助の内科的システムとして,経皮的人工心肺システムPCPSが導入されました.それにより,左冠動脈主幹部やLAD近位部に対するPTCAの治療適応が拡大し,身体侵襲の大きい外科的治療から侵襲の少ない内科的治療へとシフトし,重症循環不全患者の急性期の救命率も格段に進歩したような印象があります.とくに,1980年~1990年代は日本の高度成長期の真最中であり,日本の食事が欧米化するとともに,肥満や高脂血症を生み,その結果,虚血性心疾患の罹患患者の増大と若年化傾向があったため,CCUの果たした役割は大きいと思います.
また,CCUの設備も大きく様変わりしました.心電図モニターは,単に心電図をモニターするものではなく,数多くの身体所見をモニターすることができるようになり,それら刻々と変化するデジタル数値をあらゆる方法でトレンドすることができるようになりました.また,人工呼吸器や補助循環装置は,小型化されつつ高性能のコンピュータを内蔵した機械に変化していきました.CCUで働く看護師は,患者の身体を,自分の手で触れ,目で見て,耳で聞いて観察するだけではなく,生体モニター画面や,人工呼吸器,補助循環装置のデジタル画面をみて,そこに表示される数値も管理しなくてはならなくなりました.その結果,機械の取り扱いやデータのアセスメントに苦手意識をもつ看護師は,CCUやICUにあるモニターやME 機器をみただけで,圧倒されてしまうのではないでしょうか.
本書は,そんな看護師のために,CCUに入室する患者の代表的な疾患の治療と看護,それぞれの循環管理の実際を図や写真を用いてわかりやすく解説し,そして,CCUナース育成のために必要なチェックリストを紹介することを目的に作成しました.執筆は,榊原記念病院のCCU・ICUで働くSRN(Sakakibara RegisteredNurse)が行いました.担当したSRNは,自分の持っている技術と知識を出し惜しみすることなく執筆しましたので,足掛け4年の歳月をかけ,大変多くのボリュームになってしまいましたが,中外医学社の宮崎氏のご尽力により,3 分冊にして,発刊することができました.深く感謝いたします.本書が,循環器の急性期に対する苦手意識を克服することに役立つことを祈念しています.
2011年 3月
榊原記念病院
三浦稚郁子
目次
1 CCUとは
A.CCUの目的
B.CCUの施設基準
C.CCUの構造とケアのための設備
D.CCU適応疾患
E.CCU入室までの流れ
F.患者入室時のチーム医療
G.CCU看護師の役割
2 虚血性心疾患
1 急性冠症候群とは
A.虚血性心疾患とは
1.冠動脈とは
2.刺激伝導系とは
B.急性冠症候群とは
1.急性冠症候群の定義
2.急性冠症候群の治療アルゴリズム
2 急性心筋梗塞の治療と看護
A.急性心筋梗塞の定義と分類
1.梗塞部位による分類
2.筋層内範囲による分類
B.心筋梗塞の急性期における合併症
1.心不全
2.重症不整脈
3.心原性ショック
4.心筋破裂
5.右室梗塞
6.心膜炎
7.心室瘤
C.心筋梗塞の所見
1.自覚症状
2.身体所見
3.検査所見
4.心臓超音波検査
5.胸部X線写真
6.核医学検査
7.冠動脈造影検査
D.鑑別診断
1.大動脈解離
2.急性肺塞栓
3.急性心膜炎
4.急性心筋炎
5.気 胸
6.胃潰瘍・逆流性食道炎・食道スパズム
7.胆 石
8.帯状疱疹
9.過換気症候群
E.急性心筋梗塞の治療
1.初期治療
2.再灌流療法
3.合併症管理
F.看護の実際
症例提示
1.看護過程の展開
2.看護の結果
3 不安定狭心症の治療と看護
A.狭心症の分類
B.症 状
C.検 査
1.標準12誘導心電図
2.血液検査
3.心エコー
4.胸部X線
5.冠動脈CT
6.運動負荷心電図
7.24時間心電図(ホルター心電図)
8.核医学検査
9.心臓カテーテル検査
D.治 療
1.安定化のための治療
2.侵襲的治療
E.看護の実際
症例提示
1.看護過程の展開
2.看護の結果
4 冠動脈カテーテル治療と看護
A.冠動脈カテーテル治療とは
1.方 法
B.冠動脈カテーテルの合併症
C.治療前後の看護
D.看護の実際
症例提示
1.冠動脈カテーテル治療施行前
2.冠動脈カテーテル治療施行後
5 外科的治療と看護
A.虚血性心疾患の外科的治療
1.適 応
2.手術の方法とグラフト血管の種類
B.術後合併症
1.術中の影響で起きる合併症
2.術後の影響で起きる合併症
C.看護の実際
症例提示
1.術前看護の実際
2.術後看護の実際
3 大動脈疾患
1 急性大動脈解離の治療と看護
A.定 義
B.病態生理
C.分 類
D.合併症と症状
E.鑑別診断
F.治療と手術適応
1.治療方法
2.手術適応となる主な症状
G.看護の実際
症例提示
1.看護の実際
2.看護の経過
症例提示
1.術後看護の実際
2.看護の経過
2 腹部大動脈瘤破裂の治療と看護
A.定 義
B.分 類
C.鑑別診断
D.症 状
E.治 療
F.合併症
G.看護の実際
症例提示
1.緊急手術前アセスメント
2.手術後アセスメント
4 急性左心不全
A.急性左心不全の定義
B.急性左心不全の原因と増悪因子
C.急性左心不全の病態生理
1.心機能規定因子
2.病態生理
D.急性左心不全の症状と所見
1.自覚症状
2.身体所見
3.検査所見
E.急性左心不全の原因と要因検索
1.12誘導心電図検査
2.心臓超音波検査
3.血液検査
F.鑑別診断
1.急性呼吸不全
2.腎不全に伴う呼吸困難
3.肺血栓塞栓症
G.急性期治療
1.初期治療
2.初期治療終了後からの治療
H.治療における看護アセスメント
I.急性左心不全における看護の実際
症例提示
1.看護過程の展開
2.結 果
5 重症不整脈
A.不整脈の種類
B.重症不整脈の特徴
1.高度房室ブロック
2.Ⅲ度房室ブロック
3.洞停止
4.心室性頻拍
5.心室細動
C.重症不整脈出現時の対処法と看護のポイント
1.徐脈性不整脈
2.頻脈性不整脈
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書籍情報
- ISBN:9784498075825
- ページ数:124頁
- 書籍発行日:2011年6月
- 電子版発売日:2012年6月30日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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