小児喘息のここが知りたいQ&A

  • ページ数 : 230頁
  • 書籍発行日 : 2011年8月
  • 電子版発売日 : 2011年12月17日
6,050
(税込)
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商品情報

内容

「喘息の診断」「喘息の治療」「喘息・喘息関連疾患のケア」「喘息予防」「治療を支えるヒント」の5つのテーマでのQ&A形式に基づく、明快な小児喘息診療実践書「小児喘息のここが知りたいQ&A」の電子書籍版です。
電子書籍版では、目次・索引リンク、薬剤名から今日の治療薬へのリンク参照、全文検索、PubMedリンクなど電子ならではの機能で、より快適に参照することができます。

序文

小児喘息は,小児最多の慢性疾患である.このため,喘息の専門・非専門にかかわらず,また内科や耳鼻咽喉科をご専門とする実地医家においても,小児喘息の診療機会は少なくないのではなかろうか.さらには診断・治療の考え方,薬のラインナップ,喘息児を取り巻く社会情勢も,めまぐるしいスピードで変化しているように思える.ネット上に溢れる情報を親から問われ,困惑することも決して珍しくはないだろう.

今日,小児喘息診療の標準的内容についてはガイドラインとして普及し,誰もが一定水準の喘息診療を子どもたちに提供できる時代となった.しかしながら,実際の臨床現場を総論だけで乗り切ることは難しい.一人一人の小児喘息に対し,繊細で適正な対応をするには,過去の経験,あるいは教科書やガイドラインレベルの情報だけでは間に合わないこともあるだろう.

今回,本書の企画・編集に携わる機会を得て,「至極現実的な読者の疑問に対し,実践的に分かりやすくお答えする」という発想を基本コンセプトに据えた.企画の第一段階としては,できるだけ多くの臨床医家,そして保護者の方々の生の声を伺うことに努めた.頂いたご質問を,「喘息の診断」,「喘息の治療」,「喘息・喘息関連疾患のケア」,「喘息予防」,「治療を支えるヒント」の5テーマに集約し,個々のQuestionを設定した.保護者から頂いた貴重なQuestionも共通性の高いものを選択させて頂いた.

それぞれのQuestionには,臨床の一線で,才気煥発にご活躍中のエキスパート達にご依頼し,現時点における最良の答をお示し頂いた.読者諸氏のご理解が容易に進むよう,答の要約を100~200字で冒頭に提示した上で,解説をお願いした.

本書は,Q&A形式に基づく,明快な小児喘息診療実践書であると,自信を持っていえる.是非,臨床の座右におかれ,Questionを懐かれる度,ページをめくって頂きたい.10秒後には概略を理解され,数分後には大いに頷かれているはずである.

読者諸兄の小児喘息診療のお役に立てると確信しています.


2011年 8月

勝沼 俊雄

目次

1章 喘息の診断

Q1.喘息診断のコツについて教えて下さい
乳幼児・年長児で気を付けるべき診断のポイントをそれぞれ教えて下さい 〈勝沼俊雄〉

Q2.肺機能の応用について教えて下さい
小児気管支喘息のモニターおよび診断に対して,実地医家では肺機能をどう活用すればよいですか? 〈山口公一〉

Q3.乳幼児の慢性咳嗽にはどのように対応すればよいですか?
長引く咳が主症状である乳幼児をどう取り扱うべきですか? 〈望月博之〉

Q4.年長児の慢性咳嗽にはどのように対応すればよいですか?
長引く咳が主症状である年長児をどう取り扱うべきですか? 〈望月博之〉

Q5.子どもの咳喘息の考え方について教えて下さい
小児にも咳喘息はあるのでしょうか?診断・治療法について教えて下さい 〈平井康太 望月博之〉

Q6.外来・入院の判断はどこで行いますか?
中等度の発作あるいは改善の乏しい場合,入院判断を教えて下さい 〈橋本光司〉

2章 喘息の治療

Q1.適正な治療について教えて下さい
たとえば気道感染時のみ喘息様症状を示す患者に対して,非感染時も治療をする必要がありますか? 〈富川盛光 海老澤元宏〉

Q2.乳幼児喘息をみるときのコツについて教えて下さい
診断,そして保護者教育や服薬を嫌がる乳児へのコツや注意点は? 〈吉原重美 小野三佳〉

Q3.喘息発作の治療について教えて下さい
発作時の治療法を重度別に教えて下さい 〈勝沼俊雄〉

Q4.喘息長期管理薬全般の減量・中止方法について教えて下さい
どのクスリからどのように減らしていくべきか,ステップダウンの考え方を教えて下さい 〈浜崎雄平〉

Q5.乳幼児喘息の吸入ステロイド(ICS)の適正使用について教えて下さい
乳幼児に対して長期間吸入ステロイドを使用することに問題はありませんか? 〈足立雄一〉

Q6.学童のICSの適正使用について教えて下さい
いつからいつまで吸入ステロイドをどのように用いればよいのでしょうか? 〈井上壽茂〉

Q7.ICSの減量・中止方法について教えて下さい
吸入ステロイド終了とする指標を教えて下さい 〈勝沼俊雄〉

Q8.ICS1日1回投与で効果はありますか?
200μg/day→100μg/dayとしたとき,朝・夕50μgずつの吸入と,夜100μg吸入とでは効果の差はあるのでしょうか? 2回/日→1回/日吸入の方が治療の減らされた実感が得られるため勧めやすいのですが...... 〈勝沼俊雄〉

Q9.ICSの副作用と対策について教えて下さい
ICS継続に際して心配なのは副作用です.どのように考え,対応すべきでしょうか? 〈星岡 明〉

Q10.家族や患児へのICSの説明について教えて下さい
吸入ステロイドを嫌がる保護者・患児へのムンテラ方法を教えて下さい 〈板澤寿子〉

Q11.アドエアの適正使用について教えて下さい
アドエアの減量法について,対応を教えて下さい 〈勝沼俊雄〉

Q12.乳幼児のロイコトリエン受容体拮抗薬の適正使用について教えて下さい
ロイコトリエン受容体拮抗薬の適正な使い方とやめ方を教えて下さい 〈藤澤隆夫〉

Q13.年長児のロイコトリエン受容体拮抗薬の適正使用について教えて下さい
長期管理にはロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)と吸入ステロイド(ICS)のどちらを導入に使うべきでしょうか? 〈藤澤隆夫〉

Q14.β2刺激薬の適正使用について教えて下さい
予防的にβ2刺激薬を吸入してもよいのでしょうか? 〈勝沼俊雄〉

Q15.テオフィリンの適正使用について教えて下さい
副作用の新たな報告が出てから根本的な使い方は変わりましたか? 〈勝沼俊雄〉

Q16.IPDの適正使用について教えて下さい
IPDの年齢別の適正使用について教えて下さい 〈吉原重美〉

Q17.内服ステロイド薬の適正使用について教えて下さい
内服ステロイドの適正な使用方法を教えて下さい 〈勝沼俊雄〉

Q18.抗ヒスタミン薬の有効性について教えて下さい
喘息児に対する抗ヒスタミン剤使用の是非や有用性の有無について知りたいのですが? 〈赤司賢一〉

Q19.漢方薬の使用法について教えて下さい
治療抵抗例などに対する漢方薬の応用法を教えて下さい 〈勝沼俊雄〉

Q20.気道炎症モニターの実際について教えて下さい
気道炎症の程度を知るためのバロメーターは何が有用なのでしょうか? 〈長尾みづほ〉

Q21.日誌とPFモニターについて教えて下さい
喘息日記,PEF,JPAC,ACTなどの活用法について教えて下さい 〈徳山研一〉

Q22.RTXの活用法を教えて下さい
小児の喘息治療においてRTXを使いこなすためにはどうすればよいのでしょうか? 〈岡田邦之 植田 穣〉

3章 喘息・喘息関連疾患のケア

Q1.アレルギーマーチにおける喘息の位置づけについて教えて下さい
食物アレルギーがあると喘息になりやすいのでしょうか?どこに注意すればよいですか? 〈田知本 寛〉

Q2.アレルギー性鼻炎への対応を教えて下さい
アレルギー性鼻炎合併時の注意点について教えて下さい 〈野村伊知郎〉

Q3.アトピー性皮膚炎への対応を教えて下さい
アトピー性皮膚炎合併患児へのステロイド重複使用は現在のガイドラインで明記されていないので,この点も詳しく教えて下さい 〈勝沼俊雄 赤司賢一〉

Q4.慢性副鼻腔炎への対応を教えて下さい
慢性副鼻腔炎を合併した喘息にはどのように対応すべきでしょうか? 〈寺田明彦〉

Q5.間欠型への適正対応について教えて下さい
間欠型への治療はどうあるべきですか? 〈下条直樹〉

Q6.症状がないにもかかわらず呼吸機能が低下している時の対応は?
PEF値は正常でありながらV・50,V・25が低下している場合,長期管理治療を続けるべきでしょうか? 〈伊藤浩明〉

Q7.喘息の予後について教えて下さい
小児喘息は治りますか? 最新情報を教えて下さい 〈亀田 誠〉

Q8.スポーツ時の注意について教えて下さい
運動・スポーツを行う時の注意点は?部活動に規制は? 運動療法は? 〈高増哲也〉

Q9.内科への引き継ぎ方法について教えて下さい
成人喘息へのキャリーオーバーをお願いするタイミングと最善の引き継ぎ方法は? 〈荒川浩一〉

4章 喘息予防

Q1.喘息発症予防(1次)について教えて下さい
特に兄・姉が発症しているケースについて予防法を教えて下さい 〈大嶋勇成〉

Q2.喘息発症予防(2・3次)について教えて下さい
アレルギーがある場合の喘息発症予防について注意することはありますか? 〈松本健治〉

Q3.アドヒアランス向上のコツについて教えて下さい
家族あるいは本人のアドヒアランスが上がらない患者さんがいます.向上させるコツはありますか? 〈西川 清〉

Q4.吸入指導の実際について教えて下さい
実際の指導方法はどうすればよいのでしょうか? 〈小田嶋 博〉

Q5.環境調整の重要性について教えて下さい
室内環境整備について,実践可能な指導方法はありますか? 〈西岡謙二〉

5章 治療を支えるヒント

Q1.思春期喘息への対応について教えて下さい
アドヒアランスの低下しやすい思春期の患者・家族をどのように指導すべきでしょうか? 〈増田 敬〉

Q2.市販薬を使用する際の注意点について教えて下さい
風邪薬をはじめとしたOTC薬の使用については,どのように指導すべきですか? 〈白尾謙一郎〉

Q3.喘息との診断をうまく伝えるコツを教えて下さい
親に短時間で理解してもらい,アドヒアランスを向上させてきちんと通院してもらえる説明の「コツ」を教えて下さい 〈大矢幸弘〉

Q4.喘息治療薬の費用対効果比について教えて下さい
吸入機器・補助具を含めた費用対効果比はどう考えるべきでしょう? 〈松原知代〉

Q5.良くなると来院しなくなる家族・患児への対応を教えて下さい
コントロールが良くなると来院しなくなる患者が多いのですが,どのように対応すべきでしょうか? 〈南部光彦〉

Q6.免疫療法について教えて下さい
点数が低くリスクが高いうえに保険請求をし難くなったように思いますが,減感作療法の位置づけと今後の展望は? 〈伊藤良子〉

Q7.在日外国人への対応について教えて下さい
外国人に対して,長期予防薬の内服の意義を理解させ,継続受診を続けさせるにはどのように説明したらよいでしょうか? 〈中川和子〉

Q8.長期管理の必要性を患者・家族にうまく伝えるコツを教えて下さい
なぜ長期管理が必要なのでしょうか? 治療が長期化するほどマンネリ化してしまい保護者(患児)がやる気をなくしてしまうことが多く,悩みの種になっています 〈山岡明子 三浦克志〉

想定問答 保護者からこんな質問をされたら...... 〈勝沼俊雄〉

◆大人になっても喘息は続くのでしょうか?

◆発作時の受診タイミングは?

◆アレルギー性鼻炎治療薬としてセレスタミンを処方されました...

◆2歳の子どもにプールは良いと聞いたのですが?

◆吸入が上手く行っているかよく分かりません

◆スペーサーは必要ですか?

◆ネコを飼ってはいけませんか?

◆飛行機に乗っても大丈夫?

◆子どもが風邪をひいたらどういう対応をすべきですか?

◆ワクチンを打っても大丈夫ですか?

◆ずっと調子が良いので薬を止めてもよい?

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書籍情報

  • ISBN:9784498145160
  • ページ数:230頁
  • 書籍発行日:2011年8月
  • 電子版発売日:2011年12月17日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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