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- EBMの道具箱 第2版
商品情報
内容
EBMと人間社会との接点をベースに、EBMを「知る」ことから「正しく使いこなす」ためのステップアップに必携の書。訳者による、日本の現状に即した註釈も充実した、貴重な一冊です。
序文
初版日本語版への序文
EBM草命は今や世界的現象です.診療が臨床研究の「最前線」に遅れをとっているということが認識されたために生まれたものです.また,われわれが診療に『役立つjと思い込んでいる知識は往々にして不正確で偏ったものです.そして,多くの質の低い研究は単にその問題を広げているにすぎません.こうした臨床的な知識の格差は明示的かつ厳密に処理されなければならない,というのがEBMの核心となる発想であり,その解決策としてEBMは考え出されたのです.
EBMが提案された当初は多くの議論を呼びました.「EBMなど不可能だ」と言った人も少なくありませんでしたし.Iそんなことはわれわれはもうすでに何年もの問実行しているし,珍しくもない」と言った人もいます.なかにはこの両方を主張した人すらいるのです! しかし,英国では論議は熟しており.EBMの本質への反対はなく,今ゃいかにしてEBMをうまく実行に移すかということカf議論の中心なのです.つまり. IEBMを実践すべきかどうかjが問題なのではなく.「いかにEBMを実践すべきか」が問題なのです.EBMは5年間あまりという,ほんの短い期間に異端から正統へと立場を一変したのです.
EBMの実践を妨げるものとして,医療職から一貫して3つの事柄が挙げられています.
1. 時聞がないこと
2. 主題の複雑さ
3. 個々の患者にエビデンスを適用することの難しさ
この「EBMの道具箱」はこうした課題へのささやかな取り組みです.第ーに,私たちは何がEBM実践の核心となる要素なのかを整理しました•私たちの目的はEBMのテキストにいちいちあたる時間のない人に, EBMの概要を理解しやすいように示すことです.そして,こうして高められた「路上運転感覚」で,読者が次にどこを探していけばよいのかがわかるようにすることをめざしています.
第二に.EBMのステップのなかでも最も重要な要素が何であるのか,を思い出しやすくなるように各章の構成を考慮しました.EBMによほど詳しい人でも,ときにはEBMの重要な手法を間違ってしまったり,忘れてしまうことだってあるのです! すべての人がEBMに詳しくなれるわけではないでしょうから,読者が本害のどこを読めばよいのかカ雪容易にわかり,また,本舎で紹介する概念が理解しやすいように筒漢に書いたつもりです.
第三に,エビデンスを個々の患者にあてはめたり,診療の決断をする際に,エビデンスというものをいかに考えるべきかに特に重点を置きました.これがEBMでは一番重要なのだという人もいるでしょうし,「標準化」に反対する人もいるでしょう.EBMは,研究によってもたらされたエビデンスを状況,臨床家の知識・経験,そして個々の患者の病歴・病態・選好などと統合することです.EBMは「料理本医療」ではありません.EBMは科学と芸術が出会うところなのです.
このような理由から,本書はできる限りシンプルに,そして実用性を重んじるように書きました.本書では「エビデンスを適用する」の章の枠組みとして,クリニカJレ・クェスチョンを使いました.というのも,根拠に基づく知識システムをつくっていくには自らの疑問(あるいは患者の疑問)に答えを出していくしかないからです夙最後に,本書は何と違うのかということに注意を促しておきます.本書はEBMの理論と実践のための完成された教科書ではありません.また,最先端の概念を探究する,学問的に厳密な本でもありません.こうしたものが必要ならば,ほかに何をご覧になっても結構です(おそらく本書に記されている参考文献リストがよい参考になるでしょう).本書はEBMの核心となる概念を,持ち運びゃすくシンプルな形にしようという,初めての試みにすぎないのです.本書をさらによくする方法があると思います.本書が読者の皆様のお役に立つこと,そして,皆様からのフイ」ドパックをいただけますことを期待しております.
2002年8月
ダグラス・パデノック
カール・ヘネガン オックスフォードにて
目次
臨床的な疑問を解答可能な形であげる
エビデンスを見つける―上手な検索のしかた
診療ガイドラインを批判的に吟味する
システマティック・レビューを吟味する
診断に関する論文を吟味する
害/病因の論文を吟味する
予後に関する論文を吟味する
治療に関する論文を吟味する
質的研究を吟味する
経済評価研究を吟味する
エビデンスを適用する
EBM用語集
インターネット上の主要なEBH情報源
エビデンスのレベル/研究デザイン
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