頸動脈エコー検査アトラス[動画付き]

  • ページ数 : 160頁
  • 電子版発売日 : 2011年9月16日
7,700
(税込)
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商品情報

内容

さまざまなタイプの動脈硬化を知るための豊富な症例を収載し、それを確実に捉えるためのテクニックを簡潔に解説した一冊。動画付きなので、映像から症例を疑似体験できます。

序文

近年,生活習慣や食生活の変化,高齢者人口の増加によりアテローム動脈硬化症が増えており,特に頸動脈分岐部はアテローム動脈硬化の好発部位とされています.この部位に発生する頸動脈狭窄症は脳梗塞や一過性脳虚血発作の原因として近年注目され,頸動脈超音波検査がその診断や病態の把握に重要な役割を果たしています.超音波検査の最大の利点は他の検査方法に比べて無侵襲かつリアルタイムに繰り返して行うことができ,プラークの性状まで直ちに診断が可能なことです.また頸動脈の硬化は他臓器の血管に起こる動脈硬化の変化とよく相関することも明らかにされてきています.例えるならば,全身に張り巡らされた血管を森に茂る木々とすると頸動脈は一本の木に過ぎませんが,この木は森全体に茂る木々の変化を我々に教えてくれる木でもあります.つまり,頸動脈超音波検査は「木を見て森を見ず」ならぬ「木を診て森を診る」ことのできる検査方法として期待され,さまざまな動脈硬化性の疾患の原因とされるメタボリックシンドロームの重要性が叫ばれている今日,ますます需要が増えることが予想されます.

そこで今回,頸動脈超音波検査の分野においてエキスパートである寺島茂氏,宇治橋善勝氏を編著者として,『頸動脈エコー検査アトラス』を刊行することとなりました.両氏は第一線の臨床の現場で活躍されており,また今までの臨床経験も大変豊富な臨床検査技師である立場から,初心者でも理解しやすいように執筆いただきました.

本書の特徴としてまず,超音波の原理や装置の取り扱い方についてイラスト入りで詳細に解説し,被検者に対してのプローブ操作手順と血管解剖,検査で得られた超音波画像が一目瞭然となるように構成されています.また,それぞれの項目で覚えておくと便利な点は「ひとくちメモ」などのコラムとして文中に多く掲載し,実際の超音波画像が動画としてDVD にまとめられ,これから頸動脈超音波法を学ぼうとする技師や医師にとって,すぐにでも臨床の現場で活用できるようになっています.さらに近年発展の一途をたどる頸動脈ステント留置術を行った症例の画像も呈示されており,随所にさまざまな工夫が凝らされています.

本書が頸動脈超音波検査にこれから携わろうとする技師,医師にとって広く活用され,この分野の発展に寄与することを切望いたします.


相模原協同病院脳神経センター
須磨 健

目次

I章 基礎を学ぶ

超音波の基礎を理解する

装置の取り扱い

アーチファクト

プローブの種類

頸部周辺の血管解剖

狭窄が生じやすい部位

II章 検査の手順を身につける

患者体位とプローブの操作法

頸部動脈の画像表示法

健常者の基本画像

検査の進め方とレポート作成

III章 いろいろな症例をみる

血管径と走行の評価

内中膜複合体厚(IMT)の評価

プラークの評価

いろいろなプラーク(低エコー輝度病変/等エコー輝度病変/高エコー輝度病変/複合性病変/潰瘍性病変/可動性病変/vascular remodeling現象)

頸部動脈病変(狭窄性病変/閉塞性病変/血栓性頸動脈閉塞/塞栓性内頸動脈閉塞/高安病/椎骨動脈の狭窄や閉塞の推測/鎖骨下動脈盗血現象/頸動脈解離)

頸動脈の周辺病変(悪性腫瘍,リンパ節炎など/良性腫瘍,リンパ節腫脹,仮性動脈瘤など)

血管内治療の観察(頸動脈ステント留置術)

治療中の観察(内頸静脈カテーテル留置)

右総頸動脈閉塞にて側副血行路を形成した症例

左内頸動脈閉塞によるto-and-fro pattern波形の症例


Q&A

内頸動脈と外頸動脈の位置関係は

頸動脈の検査に適したリニア型プローブの長径は

検者間での画像の違い

内頸動脈と外頸動脈の見分け方について知りたい

狭窄率で超音波とCT,MRAの計測値との比較を知りたい

IMTやプラーク厚を正確に計測できる方法を知りたい

頭蓋内流入動脈の流速の基準値を知りたい

頭蓋内流入動脈の流速による末梢側の評価法を知りたい

PIとRIは何を示しているのか知りたい

狭窄率の計測法の組み合わせを知りたい

超音波ビームの入射角を小さくする工夫を知りたい

検診業務と臨床業務での検査法の違いを知りたい


ポイントはココ!

プローブ操作の心得

コンベックス型プローブのカラー表示法を用いた縦断走査で確認

レポート作成のkey sentence

内頸動脈と外頸動脈の見分け方

血流情報で評価する

低エコー輝度プラークの見落としを防ぐ

パワードプラ表示が有用

石灰化病変は評価不能も少なくない

潰瘍内の血流評価

潰瘍底の確認

プローブの操作はゆっくりと

血管外側への突出もプラーク

狭窄率計測の考え方

みえない病変部は血流情報を利用して

内腔の状態を巧みに描出する

病変の動きを観察する

高安病と動脈硬化の違い

直接描出を心がける

ステント先端部の確認

血流パターンで推測する

いろいろな表示法を用いる

確認にはカラードプラ法を併用

プローブによる適度な圧迫で静脈の変形を確認する

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書籍情報

  • ISBN:9784521730011
  • ページ数:160頁
  • 電子版発売日:2011年9月16日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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