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- 脳卒中データバンク2015
商品情報
内容
大規模データバンクでしかできない多角的な解析であり、興味深い解析結果が満載!
日本の脳卒中の現状を知るうえで欠かせない貴重な、脳卒中データブックとしてご活用ください。
序文
『脳卒中データバンク2015』発刊にあたって
厚生労働科学研究費(1999-2002)による脳卒中急性期患者データベース構築研究の成果である8,000 例のデータをまとめた『脳卒中データバンク』を,2003 年に発刊してから脳卒中データバンクが注目され,多くの施設に参加していただくことができました.さらに2005 年には脳卒中16,000 例を解析した『脳卒中データバンク2005』を発刊,その後,『脳卒中データバンク2009』では47,782 例を集計,名実ともに日本の標準的脳卒中データバンクとして成長し,海外でもJapanese Stroke Databank の名前が知られるようになりました.さらにその後も成長を続け,今回は2012 年までの急性期脳卒中の登録データ101,165 例を集計して『脳卒中データバンク2015』として発刊することになりました.登録数でいえば世界でもトップクラスとなりました.
臨床現場での印象が数字に現れるのも一つのエビデンスではないかと思います.教科書的な常識や治験とは違うデータも出てきますが,これは疫学調査や前向き調査ではありませんので,その理由を考えて新たな研究テーマにしていただければと思います.登録開始から13 年以上を経て年次推移も追えるようになり,特に超高齢社会になった日本では心房細動による心原性脳塞栓症比率が増加していることが明らかになってきました.また,脳ドックなどでの未破裂脳動脈瘤の発見による予防手術により,くも膜下出血比率が減少していることも見えてきました.t-PA 承認後のデータも増えて,real world の詳細な解析ができたと思います.脳卒中データバンクは前向き調査ではないので治療効果などを評価することはできませんが,大規模データでしかできない多角的な解析であり,日本の脳卒中の現状を知るうえでは極めて有効なものと思われます.脳卒中のデータブックとして活用いただければと思います.
最初の2 回の出版の際には,私が整理したデータをデータ登録してくれた執筆者に解析を依頼あるいは私自身が解析したものを送って執筆していただきましたが,次第にデータ量が増加したため,前回同様に医学統計学の専門家で脳卒中データバンクの運営委員でもある大櫛陽一先生に主な統計解析をしていただきました.通常の原稿と異なり,データクリーニングや整合性チェック,解析者や著者とのやりとりも大変な回数となり,出版予定がかなり延びてしまいました.この大変な作業をやり遂げてくれた中山書店の頼高誠氏に深謝します.また,2003 年版から2009 年版までを担当してくれた同社編集部の故廣江久子さんに心から御礼を言いたいと思います.最新の脳卒中の解析結果が,多少なりとも読者の皆様のお役に立てば幸いです.
2015年2月
小林祥泰
目次
第1部 脳卒中急性期患者データベースの概要
1.日本脳卒中データバンクの誕生からの歩みと今後
2.脳卒中急性期患者データベースにおける標準化項目の解説
3.脳卒中急性期患者データベース(Version 6.0)(FileMaker Pro 11)入力画面
第2部 脳卒中診療のエビデンス
[1] 急性期脳卒中の実態
1.病型別・年代別頻度
2.脳血栓と脳出血の月別(季節別)にみた発症頻度
3.病型別,男女別にみた発症の日内・週内変動
4.脳卒中の病型別・重症度別来院方法と発症-来院時間
5.脳卒中の病型別にみた初発神経症状の頻度
6.病型別にみた入院時重症度と退院時予後の関係
7.発症から来院までの時間の地域間比較
8.加齢医学の面からみた脳卒中
9.病型別にみた脳卒中家族歴と危険因子の関係
10.脳卒中急性期死亡例の解析
11.病型別にみた脳卒中既往歴と予後
12.入院後進行と再発における病型別の頻度と予後 (脳梗塞,脳出血)
13.病型別にみた飲酒と喫煙の影響−性別,他の危険因子との関係も含めて
14.動脈解離による脳梗塞,くも膜下出血の病態・治療・予後
15.急性期リハビリテーションの実施状況と予後
[2] 急性期脳梗塞の実態
1.脳卒中データバンクにおける虚血性脳卒中病型別頻度の経年的推移
2.病型別にみた脳梗塞危険因子とその13年間の推移
3.心房細動(一過性と持続性)の年代別・性別頻度および発症前抗血栓薬服用頻度
4.心房細動(発作性と持続性)における重症度,予後等の相違
5.心房細動例におけるCHADS2スコアと重症度,予後
6.卵円孔開存の頻度と発症病型
7.非心原性脳梗塞における入院後進行と再発に対する危険因子
8.出血性脳梗塞:頻度・重症度・血栓溶解療法との関係
9.心原性脳塞栓における出血性梗塞重症度とearly CT sign,ASPECTS,予後
10.病型別にみた脳血管狭窄性病変と重症度・予後
11.脳梗塞の重症度・予後と血圧変化
12.脳梗塞と脂質異常症−病型別頻度,重症度・予後・頭蓋内外主幹脳動脈狭窄への影響
13.脳梗塞と糖尿病−病型別頻度,重症度・予後・血管狭窄への影響
14.脳梗塞における脳室周囲高信号域と重症度,予後の関係
15.陳旧性脳血管病変の有無と重症度,予後
16.脳梗塞の脳血管狭窄・閉塞の部位別,病型別頻度
17.脳梗塞における保険適応治療薬の病型別使用頻度とその年次別変化
18.t-PA静注投与群の病型別頻度と重症度別退院時転帰−発症3時間以内例と比較
19.内頸動脈塞栓(心原性)急性期のt-PA静注療法の頻度と結果ー他部位閉塞との比較
20.t-PA静注投与群の退院時予後に影響を与える因子−発症-投与時間,発症前脂質異常症治療含む
21.オザグレル投与群と抗トロンビン薬投与群および併用の予後解析
22.オザグレルと脳保護薬(エダラボン)併用療法
23.脳梗塞における抗トロンビン薬と脳保護薬(エダラボン)併用療法
24.TIA・脳梗塞における急性期(7日以内)抗血小板療法 (内服)の有無と予後
25.心原性脳塞栓における発症前抗血栓療法と出血性梗塞の頻度, 重症度,予後
26.脳梗塞における血栓溶解療法:t-PA静注,選択動注の比較
27.t-PA静注と脳保護薬(エダラボン)併用療法
28.脳梗塞における外科的治療(血管内手術含むすべて)の内訳と頻度
29.頭蓋外血管狭窄に対するCEA,CASの解析
30.脳梗塞における発症前抗血栓薬の頻度,重症度,予後の関連
31.BADと診断された例の特徴とラクナ梗塞,アテローム血栓性梗塞との比較
32.その他の脳梗塞の解析
33.大動脈アテローム血栓由来塞栓の臨床と画像所見
34.脳梗塞における心血管検査実施状況と所見
35.動脈解離による脳梗塞の特徴
36.病型別,重症度別,年代別,性別にみたリハビリテーション開始時期と予後
[3] 脳出血の実態
1.脳卒中データバンクにおける出血性脳卒中病型別頻度の13年間の推移
2.脳出血の原因別・部位別・年代別・性別頻度
3.地域別にみた脳出血の発症年齢,性差,治療,予後
4.脳出血重症度別頻度・手術加療頻度・手術加療群と保存的加療群の予後比較
5.高血圧性脳出血予後に関する予知因子
6.高血圧性脳出血における入院時重症度(NIHSS,JSS)と予後の関係
7.脳出血の重症度・予後と血圧の関係
8.発症前抗血栓薬服用と脳出血重症度,入院後進行,転帰の関係
9.高血圧性脳出血の危険因子としての飲酒,喫煙−他の危険因子との関係を含めて
10.脳室穿破,水頭症の頻度と出血部位,危険因子との関係
11.高血圧性脳出血における白質病変,陳旧性病変の有無と重症度,予後との関係
[4] くも膜下出血の実態
1.くも膜下出血をきたした破裂脳動脈瘤の疫学−大きさ,部位,年齢,性差,年齢別性差,および内科的合併症の頻度に関する解析
2.くも膜下出血の重症度分類と部位別・CT所見別頻度
3.地域別にみたくも膜下出血の発症年齢,性差,治療,予後
4.くも膜下出血の重症度と予後に関する国際比較
5.脳血管攣縮の頻度と予後
6.くも膜下出血の予後に関連する予知因子
7.脳動脈瘤の直達手術と血管内治療の頻度と予後
8.くも膜下出血の退院時予後に対する喫煙,飲酒,高血圧などの関与
9.くも膜下出血の家族歴の頻度−性別,部位別,家族性の特徴を含めて
10.くも膜下出血における未破裂脳動脈瘤合併の頻度,部位別などの解析
11.くも膜下出血における水頭症の合併頻度と予後に与える影響
第3部 脳卒中急性期患者データベースの付加価値
1.電子カルテからの半自動取り込みによる継続入力システムの活用
2.島根大学電子カルテ情報転送取込システムの手順解説
3.『脳卒中治療ガイドライン』の作成と急性期脳梗塞治療の検証
4.脳卒中入院台帳の病院脳卒中データベースとしての利用価値
5.病院前脳卒中救急データベースとの連携
6.地域連携パスデータベースの活用と連携
7.DPCデータ取り込みの意義と活用法
8.リハビリテーション患者データベースとの連携と活用
日本脳卒中データバンク運営細則
日本脳卒中データバンク登録症例ランク別施設一覧
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書籍情報
- ISBN:9784521740928
- ページ数:224頁
- 書籍発行日:2015年2月
- 電子版発売日:2016年10月7日
- 判:AB判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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