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- 専門医がやさしく語るはじめての精神医学 第2版
商品情報
内容
序文
改訂第2 版刊行にあたって
精神医学について,わかりやすく,標準的な本を書きたいとの思いから,2007 年に本書の初版を出版したところ,幸いにして好評を得て,さまざまな学校でテキストとして採用していただき,嬉しく思っていました.
しかし,初版刊行以来,時が経ち内容に古い箇所も出てきましたので,このたび改訂版を出すことになりました.この間,精神医学の分野ではDSM─5 の刊行とその日本語訳の出版という大きな出来事もありましたし,新薬の登場や法律の改正なども行われています.
本改訂版では,そのような新しい動きを一応,取り入れたつもりです.
この改訂版が旧版と同様に,精神医学に関心のある読者の皆さまに少しでもお役に立つことを願っています.
2015年7月
渡辺 雅幸
第2版第3刷発行に際して,私の執筆活動を支えてくれている家族,特に,龍,理奈,太雅に感謝します.
目次
第1章 精神科医療,精神医学とは何か
I.精神科医療の歴史
A.古代から近代へ
B.近代精神医学の誕生
C.ナチスドイツの悲劇
D.わが国がたどった道
E.向精神薬の発見とその影響
II.心理現象の生物学的基礎
A.神経機能の生理学
B.遺伝子と神経機能
III.精神障害の定義と分類
A.疾患と障害
B.伝統的3分類
心因性精神障害
外因性精神障害[身体因性精神障害,(広義の)器質性精神障害]
内因性精神障害
C. 最近の国際分類
IV.精神科的面接・検査
A.面接
B.インフォームドコンセント
C.精神科の検査
心理テスト
精神症状評価尺度
身体医学的検査
第2章 精神科の病気とその症状
I.神経症とストレス関連障害
A.神経症とは何か
心因と性格
神経症についての理論
国際分類における神経症の位置
B.神経症の各論
不安症群/不安障害群
強迫症および関連症群/強迫性障害および関連障害群
身体症状症および関連症群
解離症群/解離性障害群と変換症/転換性障害
その他の神経症性障害
心的外傷およびストレス因関連障害群
C.神経症とストレス関連障害の治療
薬物療法
環境調整と精神(心理)療法
II.心身症
A.心身症とは何か
B.心身症と性格
C.精神科に関係するいくつかの心身症
摂食障害
書痙
過換気症候群
D.心身症の治療
III.統合失調症
A.統合失調症とは何か
B.発病年齢,頻度
C.病因
生物学的成因論
心理社会的成因論
生物学的・心理社会的複合論(脆弱性・ストレス仮説)
D.病前性格
E.症状の内容
感情の障害
意欲障害
自閉性
思考障害
幻覚
自我意識障害
病識の欠如
その他の症状
ブロイラーとシュナイダーの提案
最近の統合失調症の症状の区分
統合失調症の生活障害
F.病型
妄想型統合失調症
破瓜型統合失調症
緊張型統合失調症
単純型統合失調症
鑑別不能型統合失調症
精神病後抑うつ
残遺型統合失調症
その他
G.診断基準
H.経過と予後
I.治療
薬物療法
心理社会療法
薬物療法と心理社会療法との関連
通電療法(電気けいれん療法)
J.統合失調症関連の精神病
非定型精神病
妄想性障害
IV.気分障害(感情障害)
A.気分障害とは何か
B.発病年齢,頻度
C.原因
D.性格と誘因
病前性格
誘因
E.症状
躁状態
うつ状態
F.うつ病のDSM-5による診断基準
G.経過と予後
H.治療
双極性障害の治療
単極型うつ病の治療
I.気分障害に関連したトピックス
V.外因性精神障害(身体因性精神障害,広義の器質性精神障害)
A.外因性精神障害(身体因性精神障害,広義の器質性精神障害)とは何か
B.意識障害
意識障害とは何か
特殊な意識障害
C. 認知症
認知症とは何か
認知症検査スケール
老年期の認知症と生理的脳老化との鑑別
認知症の中核症状と周辺症状
D. 高次脳機能障害(失語,失行,失認)
運動と感覚
神経心理学的症状
VI.器質性精神障害
A. アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)
原因など
症状
予後
治療
B. 脳血管性認知症
原因など
症状
治療,予防
アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症の鑑別点
C.レビー小体型認知症 134
D.その他の認知症を生じるような器質性の脳の病気(変性疾患)
ピック病
ハンチントン舞踏病
進行性核上性麻痺
E.脳神経外科的疾患
慢性硬膜下血腫
正常圧水頭症
F.頭蓋内感染症
進行麻痺
日本脳炎
単純ヘルペス脳炎
感染後脳炎,接種後脳炎
クロイツフェルト・ヤコブ病
エイズ脳症
G.傍腫瘍性辺縁系脳炎ならびに抗NMDA受容体脳炎
VII.症状性精神障害(症状精神病)とコンサルテーション・リエゾン精神科
A.全身感染症
B.内分泌疾患
汎下垂体機能低下症(シモンズ病)
甲状腺疾患
副腎皮質疾患
C.膵臓疾患
D.肝臓疾患
肝性脳症
ウィルソン病
インターフェロンの副作用
E.尿毒症
F.分娩にともなうもの
G.膠原病
H.術後精神障害,ICU(集中治療室)精神病
I.栄養障害
ペラグラ
ウェルニッケ脳症
J. がんと精神医学的問題
がんが人間の心理に及ぼす影響
こころががんに及ぼす影響
VIII.物質関連障害群,物質依存症
A.物質関連障害,物質依存症とは何か
B.アルコール依存,アルコール関連障害群
アルコール依存症候群
治療
C.その他の依存性物質
バルビツール酸型依存
モルヒネ型依存(麻薬依存),オピオイド関連障害群
コカイン型依存
大麻型依存(カンナビス,マリファナ),大麻関連障害群
アンフェタミン型依存(覚せい剤依存)
幻覚剤型依存,幻覚薬関連症候群
有機溶剤型依存,吸入剤関連障害群
危険ドラッグ/薬物依存の治療
D.その他の依存
依存症の生物学的基礎
IX.てんかん
A.てんかんとは何か
定義
原因
B.症状
全般発作
部分発作
上記以外のてんかんおよびてんかん類似の病態
C.治療,対応
D.てんかんと精神症状
X.老年期精神障害
A.老年期の精神医学的問題の特徴
B.老年期の機能性精神障害
老年期うつ病
幻覚妄想状態
感覚障害が誘因となる老年期特有の疾患
XI.児童・青年期の精神障害
A.心理的発達の障害
特異的発達障害
広汎性発達障害
B.その他の神経発達症群
注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害
チック症群/チック障害群
C.その他の小児の精神障害
反抗挑発症/反抗挑戦性障害
素行症/素行障害
分離不安症/分離不安障害
選択性緘黙
反応性アタッチメント障害/反応性愛着障害
遺尿症
回避・制限性食物摂取症
睡眠障害
統合失調症
気分障害
不登校
家庭内暴力
D.青年期の心理的問題
E. 児童・青年期の精神障害の治療の特徴
XII.知的能力障害(知的発達症/知的発達障害)
A.知的障害とは何か
B.原因による知的障害の分類
生理的知的障害
病理的原因による知的障害
心理的・環境的原因による知的障害
C.病理的原因による知的障害各論
D.治療など
XIII.パーソナリティ(人格)障害
A.パーソナリティ障害とは何か
B.分類
C.境界性パーソナリティ障害
D.治療など
XIV.その他の障害
A.睡眠障害
不眠
ナルコレプシー
反復性過眠症
睡眠時無呼吸症候群
概日リズム睡眠障害
その他の睡眠障害
B.性別違和
C.衝動制御障害
第3章 精神科の治療法
I.薬物療法と身体的治療法
A.向精神薬
B.抗精神病薬
臨床効果
種類
治療の特徴
副作用
生化学的作用機序
C.抗うつ薬
臨床効果
種類と特徴
作用機序と治療の特徴
SSRIの有効な病態
抗うつ薬のその他の適応
D.気分安定薬
臨床効果
種類
治療の特徴と作用機序
E.抗不安薬
種類と臨床効果
作用機序
副作用
F.睡眠薬
ベンゾジアゼピン受容体に作用する睡眠薬の種類
副作用
G.抗てんかん薬
H.精神刺激薬(覚せい剤)とその関連の薬剤
I.抗酒薬
J.抗認知症薬
K.身体的治療法
通電療法
ロボトミー
光治療
II.精神(心理)療法
A.精神療法とは何か
B.支持療法
C.洞察療法
精神分析療法
分析的心理学(ユング派精神分析)
ロゴテラピー,実存分析
非指示的精神療法(ロジャーズ法)
D.訓練療法
森田療法
内観療法
自律訓練法
行動療法
認知療法,認知行動療法
E.その他の精神療法 243
遊戯療法(プレイセラピー)
箱庭療法
催眠療法
III.精神科リハビリテーション,社会療法と生活療法
A.統合失調症と社会療法
B.生活療法
C.治療共同体
D.作業療法
E.芸術療法
芸術療法とは何か
絵画療法
音楽療法
詩歌療法
F.デイケア
G.地域生活支援サービス
H.就労支援
IV.法と精神医学
A.刑法と精神医学
精神障害と犯罪
精神障害者の責任能力
現在の問題点
B.精神障害と運転免許
C.成年後見制度
D.精神保健福祉法
精神保健指定医
精神科入院
入院中の行動制限
V.病跡学
文献
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書籍情報
- ISBN:9784521742571
- ページ数:290頁
- 書籍発行日:2015年7月
- 電子版発売日:2020年1月17日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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