動画でわかる実践的心エコー入門 [動画付き]

  • ページ数 : 312頁
  • 書籍発行日 : 2015年9月
  • 電子版発売日 : 2017年10月20日
5,500
(税込)
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商品情報

内容

これから心エコーを始めようとする臨床医・検査技師の心エコー入門書!

撮り方の基本を解説した基礎編と症状などに応じた検査の進め方を中心にした応用編で構成。心エコーを一人で行うに当たっての基本的な知識を網羅した一冊。画像と連動した動画をwebで閲覧できるパスコード付きで多くの症例を経験できます。

序文

監修の序

循環器診療において心エコーは大変有用であるが,超音波装置の進化と医療技術の進歩により近年その重要性が増している.例えば,最近我が国でも注目されているTAVI(transcatheter aortic valve implantation)やMitral Clip などstructuralheart disease の診断・治療において,心エコーの果たす役割は極めて大きい.若い循環器医の中に,心エコーを専門にしたいと考える人が増えていることも頷けるが,心エコーを専門としない医師においても,是非心エコーの技術を習得して,日常診療に役立てていただきたいところである.

ところで,そこで必要になるのが良いテキストである.すでに心エコーに関しては多くのテキストがでているが,実地臨床に応用するだけの十分な情報を得ることは必ずしも容易ではなかった.そこで今回,心エコー入門のための実践的なテキストを企画した次第である.

心エコーでまず重要なポイントは,いかに適切な画像をとるかであろう.本書は,基礎編において,自分で心エコーをとるために必要な知識と技術をわかりやすく解説し,誰もがきれいな画像がとれるように工夫されている.

2つ目のポイントは,その画像をどのように読み,解釈するかであろう.どのテキストにも多数の心エコー画像が載っているが,何を示しているのか明確でないものも多い.写真が鮮明でないのは論外であるが,たとえ鮮明であっても,静止画では,実際の心エコー画像との差が大きく,実地臨床において役立たないことが多い.本書の応用編の疾患別解説では,冒頭に「心エコー検査のポイント」をあげ,さらに診断と治療における心エコーの役割,重症度診断,ピットフォールなどについて,わかりやすい図表を豊富に用いて具体的に解説している.しかし何よりも本書の特長は,各疾患に特徴的なエコー画像を掲載して読影のポイントを示すのみならず,その画像と連動した100本を超える多数の動画をweb 上で閲覧できるようにしたことである.

まさに本書は,心エコーの基本を身につけて臨床で活用したいと志す,すべての臨床医・検査技師にとって最高のテキストになっている.本書が心エコー習得の一助となり,日常診療の向上につながることを心から祈念する.


2015年8月

小室一成

編集の序

─心エコーの楽しさと素晴らしさに触れてほしい─

心エコーが臨床に応用されるようになって半世紀が経ち,現在,心エコーは循環器の診断と治療方針の決定には欠かせないものとなりました.その技術的進歩の反面,計測項目は増え,評価方法はより複雑になっております.そのため,「心エコーは難しい」と思われる方も多いのではないでしょうか.確かに心エコーの習得にはある程度の学習と経験が必要ですが,いったん基本が身につくと,「心エコーは楽しい」ものです.さらに,心エコーは「素晴らしい」有用性を秘めています.

本書では,心エコーを専門としない臨床医,あるいは検査技師の方々が,心エコーの基本を自分で習得し,疾患の診断と治療の流れの中で心エコーを活かすことのできる知識を身につけられることを第一の目標としています.そのためには,まずは心エコーの楽しさや素晴らしさが,十分に伝わらなければなりません.本書では,十分な経験と知識を持ち,心エコーの楽しさや素晴らしさも伝えていただける先生方に執筆をお願いしました.また,編集に時間をかけ,初心者に心エコーの基本となる部分がわかりやすく無駄なく伝わるよう,書き直しをお願いした項目も数多くあります.大変ご多忙の中,本書の趣旨をご理解くださり,原稿執筆ならびに書き直しに応じていただいた執筆者の先生方に,この場を借りて厚くお礼申しあげます.

本書は,大きく分けて,心エコーの撮り方の基本を解説した基礎編と,症状・症候に応じた検査の進め方,あるいは疾患ごとの所見を中心にした応用編からなっています.心エコーの撮り方から勉強されたい方は,基礎編を順を追って読んでいただければ,基本的な撮像方法と計測方法,その解釈についての知識が自然に身につくようになっております.また,ある程度経験のある方は,該当する応用編の疾患の項目から読んでいただき,必要に応じて基礎編に立ち戻って確認していただければと思います.まだ診断がついていない例では,症状・症候からみた心エコーの撮り方を解説してありますので,これを参考にして診断に心エコーを活かしていただければと思います.

心エコーは循環器診療に大変有用ですが,疾患の診断と治療方針決定は,心エコーだけで完結するものではなく,他の画像診断も含めた多角的なアプローチの中で行われるべきものです.そのため,応用編では,各疾患の診断・治療の流れの中で,心エコーの結果をどう活かすかを解説してあります.また,初心者が間違いに陥りやすい項目については,ピットフォールとして取り上げて解説してあります.さらに,心エコーでは「見た目で判断できる」ということが非常に重要で,そのためには多くの経験が必要です.本書ではweb上に多数の動画をリンクさせており,その動画を閲覧することで短時間に「多くの症例を経験」できるようになっております.是非とも,本書の内容と共に動画も活用して,活きた知識を身につけていただきたいと思います.

冒頭にも述べましたように,本書は心エコーの入門用テキストとして企画されたものであり,心エコーを一人で行うに当たっての基本的な知識は全て網羅してあります.しかしながら,本書で心エコーに関する全ての学習が完結するわけではありません.症例によっては本書の知識だけでは解決できないこともあるでしょう.その場合は,必要に応じてさらに成書で学んでいただき,知識を深めていただければと思います.

本書が心エコーを始めるきっかけとして役立ち,より多くの方が心エコーに親しまれ,その楽しさと素晴らしさを感じていただければ何よりの喜びです.


2015年8月

編集者一同

目次

第I部 基礎編

1.心エコーとはー特徴と可能性の大きさ

2.心エコーでわかること,わからないことー他の画像診断法との比較

3.心臓の解剖と正常像

4.断層法と基本断面

5.Mモード法の基本的記録

6.ドプラ法の基本

7.心エコー装置の設定の基本

8.知っておくべきアーチファクト

9.心エコーの種類と適応

10.断層法での基本的な計測とその流れ

11.左室収縮能の評価

12.左室拡張能の評価

13.右室収縮能の評価

14.左室肥大の評価

15.血行動態の評価

16.レポートの記載

第II部 応用編

A.症状・症候からみた心エコーの撮り方

B.疾患別にみた心エコー診断の実際

弁膜症

1.僧帽弁狭窄症

2.僧帽弁閉鎖不全症

3.大動脈二尖弁

4.大動脈弁狭窄症

5.大動脈弁閉鎖不全症

6.三尖弁閉鎖不全症

7.肺動脈弁狭窄症・肺動脈弁閉鎖不全症

8.感染性心内膜炎

9.人工弁機能不全

冠動脈疾患

10.冠動脈の支配領域と壁運動異常

11.狭心症

12.急性心筋梗塞

13.心筋梗塞の機械的合併症

特発性心筋症

14.拡張型心筋症

15.肥大型心筋症

16.拘束性心筋症

17.たこつぼ型心筋症

18.急性心筋炎

二次性心筋症

19.高血圧

20.心サルコイドーシス

21.心アミロイドーシス

心膜疾患

22.心嚢液貯留

23.心タンポナーデ

24.収縮性心膜炎

25.急性心膜炎

先天性心疾患

26.心房中隔欠損症

27.心室中隔欠損症

28.動脈管開存症

29.心内膜床欠損症

30.エブスタイン奇形

心臓腫瘍

31.原発性良性腫瘍

32.原発性悪性腫瘍

33.転移性心臓腫瘍

34.腫瘍と間違えやすい正常構造物

大動脈疾患

35.大動脈瘤

36.大動脈解離

その他の疾患

37.肺高血圧症

38.心臓内血栓

C.ポケットエコーの活用

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書籍情報

  • ISBN:9784521742649
  • ページ数:312頁
  • 書籍発行日:2015年9月
  • 電子版発売日:2017年10月20日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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特記事項

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