生体電気・物理刺激による骨・軟部組織修復法

  • ページ数 : 304頁
  • 書籍発行日 : 2013年3月
  • 電子版発売日 : 2014年1月24日
17,600
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商品情報

内容

日本が世界に誇る、生体電気・物理刺激による骨・軟部組織修復研究の歴史および最新の基礎研究・応用法を集成した記念碑的成果。

「骨の圧電気現象と電気的仮骨」の歴史、日本生体電気・物理刺激研究会の発足と発展、生体電気・物理療法の基礎と臨床について、各分野の重鎮・エキスパートが執筆。
編集の「日本生体電気・物理刺激研究会」は、骨折後の遷延治癒および偽関節に対する、電気刺激等の物理刺激による骨癒合促進を主な研究対象としている。骨疾患、骨腫瘍、骨粗鬆症に対する治療や、軟部組織、神経組織、血管の再生にも対象が広まってきている。

整形外科医・歯科医・医療工学研究者必携の書です。

序文

本年は,"世界に誇れる日本の整形外科の偉業" として日本整形外科学会の Historians に評価された「骨の圧電気現象と電気的仮骨」が,故保田岩夫先生によって1953 年に世界で初めて報告されて60 周年にあたります.私共の教室の先輩である保田先生が第二次世界大戦の終了から間もない,設備も人材も現在とは比較にならない中で成果をあげられたことには頭の下がる思いがいたします.この業績は早くから海外でも注目され,米国の有力な学術誌であるClinical Orthopaedics andRelated Research の124 号(1977 年)に特集が組まれ保田先生の肖像写真とともに紹介されています.

本書は,現在多彩な臨床応用がなされている,生体電気・物理刺激法の出発点となったこの偉業が,60 周年という節目を迎えたことを記念して企画されました.長年,本研究会に多大な御貢献をいただいた故湯川佳宣先生が切に望んでおられた書でもあります.「骨の圧電気現象と電気的仮骨」の歴史,日本生体電気・物理刺激研究会の発足と発展,そして生体電気・物理療法の基礎と臨床について,それぞれエキスパートの諸先生に執筆をいただきました.参考にさせていただいたのは,本研究会が1993 年に編集し,東京大学名誉教授の故津山直一先生と理化学研究所名誉研究員の深田栄一先生が監修された『電気刺激による骨・軟部組織修復の促進』です.

津山先生はその序文において保田先生の業績について「昭和29 年仙台における日本整形外科学会総会で先生の実証的な電気刺激による仮骨形成を起こす兎大腿骨を用いた動物実験のスライドで,はっきり電気刺激で新しくもり上がった仮骨形成をみたときの驚きと,さらにそれが世界においても注目を浴び,1975 年のコペンハーゲンにおける第13 回国際整形災害外科学会(SICOT)における特別招待講演者として保田先生の講演を聴いたときに感じた誇らしい気持ちを忘れることができない.」と記載されています.

本書により,この分野の研究成果を認識していただき今後さらなる発展につなげていただければ幸いです.

なお,発刊にあたっては,金郁喆准教授(京都府立医科大学大学院医学研究科運動器機能再生外科学),株式会社金芳堂市井輝和様,そして関係者の皆様に多大なご尽力をいただきました.ここに心から御礼申し上げます.


平成25年2月

久保 俊一

目次

生体電気・物理刺激の歴史と展望

1 生体電気刺激の回顧と展望

2 日本生体電気・物理刺激研究会について

3 生体電気刺激の現状と展望

4 低出力超音波パルスによる物理学的刺激の歴史と展望

基礎Ⅰ 生体電気・物理刺激の物理現象

1 生体電気刺激の物理現象

2 生体磁場刺激の物理現象

3 生体力学刺激の物理現象

4 生体超音波刺激の物理現象

基礎Ⅱ 生体電気・物理刺激の細胞応答

1 生体交流電気刺激による細胞応答

2 磁場刺激による細胞応答

3 生体液流刺激による細胞応答

4 力学刺激に対する細胞応答:骨形成過程を中心に

5 骨における生体力学刺激による細胞応答

6 生体温熱刺激による細胞応答

7 低出力超音波刺激の細胞による受容と伝達

8 低出力超音波刺激による細胞応答

9 イリザロフ法における細胞応答

基礎Ⅲ 生体電気・物理刺激の基礎研究

1 生体直流電気刺激による骨形成と細胞応答

2 生体直流刺激による腱・靱帯の修復促進

3 電気刺激による神経修復促進

4 交流電気刺激による骨形成促進

5 パルス電磁場刺激による骨形成促進

6 骨肉腫細胞に対するパルス電磁場刺激効果

7 低出力超音波パルス刺激による内軟骨性骨化の促進

8 低出力超音波刺激による靱帯修復促進

9 温熱刺激による変形性関節症の進行抑制効果

臨床 生体電気・物理刺激による骨・軟部組織形成促進

1 生体電気・物理刺激療法のメタアナリシス

2 上腕骨近位部骨折に対する創外固定・交流電気刺激法

3 橈骨遠位端関節内骨折に対する交流電気刺激法―交流電気刺激装置付き創外固定器とロッキングプレートによる治療成績の比較―

4 パルス電磁場刺激法によるION の予防効果

5 骨折に対するパルス電磁場刺激法EBI Bone Healing System の使用歴

6 骨折に対する低出力超音波刺激法

7 ペルテス病に対する近赤外線照射法

8 骨折に対する衝撃波刺激法

9 整形外科領域における体外衝撃波療法

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書籍情報

  • ISBN:9784765315616
  • ページ数:304頁
  • 書籍発行日:2013年3月
  • 電子版発売日:2014年1月24日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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