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  • こういうときはこうする! 感染症クリスタルエビデンス 治療編

こういうときはこうする! 感染症クリスタルエビデンス 治療編

  • ページ数 : 520頁
  • 書籍発行日 : 2018年4月
  • 電子版発売日 : 2018年7月13日
6,380
(税込)
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商品情報

内容

日常の感染症治療で生じる「疑問点・知りたいこと」がよくわかる!

感染症治療における悩ましい問題点を抽出し、それらを踏まえたうえで、現状のエビデンスでは未解決のその先の悩みについて明快な指針になるようエキスパートオピニオンを提案。起因菌に有効な薬剤、副作用の有無、同種抗 菌薬の使い分け、投与量(短・長期間)の安全性検証など、充実した内容の実用的な1冊

序文

クリスタルとは時に水晶と同義だそうです。推奨する治療の根拠にクリスタルのような輝きと硬さを持ち,その水晶玉の中に映し出される解決が見つかるようにとこのようなタイトルを考えました。


時に,こういう時はこうするとよいという思い切りのよいエキスパートオピニオンは,経験の乏しい診療医にとって大変に有難いものです。しかしながら,そのエキスパートオピニオンは現時点で判明しているエビデンスを踏まえての発信であるべきです。本書は感染症治療における悩ましい問題点を抽出し,可能な限りの現時点でのエビデンスや教科書的な事実を確認し,それらを踏まえたうえで,現状のエビデンスでは未解決のその先の悩みについて明快な指針になるようにエキスパートオピニオンを提案したものです。


そのため,エビデンスを踏まえた良質な経験を常日頃から重ねて,担当分野の診療や研究に現在も中心的に携わっているメンバーにより本書は執筆されました。

例えば抗菌療法については,私のもっとも頼りにしている薬剤師である原先生に。心血管感染症については現在,本邦でもっとも大血管手術の症例が豊富な病院で感染症診療をしている根本先生に。敗血症では滝本医師を中心とした亀田総合病院集中治療科の先生方に。免疫不全の感染症については血液内科と感染症の両専門医である荒川先生に。微生物耐性菌については,感染症臨床研修の後に東邦大学微生物教室で研究されている三村,小野先生に。熱帯輸入感染症については私とともに数々の輸入感染症を診療して現在は新規の感染症科を立ち上げられている渋江先生により執筆されています。その他の項目の担当者も私の信頼する熱意と実力のある執筆陣です。編者としては各著者の原稿を興奮しながら拝読しつつ,各著者のエキスパートオピニオンについて私の経験を多少補足させて頂きました。


このような本書ですが,日常の感染症治療の悩ましい問題についての,皆様の最良の決定への一助となるならば執筆者一同の喜びです。


2018年4月

岡 秀昭

目次

第1章 抗菌薬

①PK/PD理論に従うべきか?

②肥満患者では抗菌薬を増量すべきか?

③食事に気を付ける抗菌薬はどのようなものがあるか?またどう対応したらよいか?

④敗血症など重症患者における薬物動態の変化はどう考慮すればよいか?

⑤注射用抗菌薬で配合に注意するものは何か?

⑥殺菌的抗菌薬と静菌的抗菌薬とは?臨床的な差は?

⑦バイオアベイラビリティの低い薬剤は使用してはいけないのか?

⑧抗菌薬のExtend infusion(持続投与)はより有効か?また,選択すべき場面は?

⑨TDM(therapeutic drug monitoring)を行うと治療に有益か?また初期投与設定は?

⑩ペニシリンアレルギーの既往がある場合,本当にペニシリン系抗菌薬は使用できないか?またその他のβラクタム系薬は?

⑪アミノグリコシド系抗菌薬やキノロン系抗菌薬は1日1回投与が良いのか?その他の抗菌薬は?

⑫分布容積の大小は何を示すか?水溶性・脂溶性とは?

⑬抗菌薬の組織移行性を考慮する疾患はどのようなものがあるか?

⑭抗菌薬を併用する目的は何か?治療効果への影響は?

⑮抗菌薬の局所投与はどのような場合に有効か?

⑯薬物動態における抗菌薬の相互作用には何があるか?

⑰腎機能低下患者での抗菌薬設定はどうすればよいか?透析患者では?

第2章 微生物治療

①肺炎球菌の治療は、ペニシリンで大丈夫か?、ペニシリンが使えない場合は?

②連鎖球菌には、クリンダマイシンやGMを併用するべきか?

③MSSAの脳膿瘍には何を用いるべきか?

④嫌気性菌に有効な抗菌薬は?

⑤インフルエンザ桿菌に対する治療は、常にBLNARをカバーするべきか?

⑥緑膿菌には2剤併用療法が望ましいのか?

⑦大腸菌に対する治療は、常にESBLsを考慮するべきか?ESBLsにはカルバペネム?

⑧カンジダにはキャンディン?フルコナゾール?

⑨肺MAC症の治療には、3剤治療と2剤治療どちらがよいか?CAM耐性ではどうするべきか?

⑩結核に対する標準的な治療は?

第3章 耐性菌治療

①MRSA感染症治療の第一選択肢はなにか?

②MRSAのVCM MIC=2の株には,VCM以外に変更するべきか?

③黄色ブドウ球菌(MRSA含む)に対して,抗菌薬併用療法を行うべきか?

④VRE感染症において,最良の抗菌薬治療はなにか?腎不全患者に対してはどうするか?

⑤腸球菌治療における抗菌薬併用によるシナジー効果を考えた場合,もっともよい組合せはどれか?

⑥MDRP治療におけるシナジー効果を考えた場合,もっともよい組合せはどれか?

⑦ESBLs産生菌治療では,カルバペネムで治療しなければだめなのか?

⑧AmpC産生菌治療では,カルバペネム系薬で治療しなければだめなのか?

⑨CRE感染症において,最良の抗菌薬治療はなにか?

⑩ステノトロフォモナス・マルトフィリア感染症において最良の抗菌薬治療はなにか?ST合剤耐性株ではどう治療するか?

⑪アシネトバクターの治療に,ABPC/SBTを使用してよいのか?

第4章 敗血症

①敗血症の管理にEGDTは有用か?

②敗血症の初期治療の輸液に膠質液(アルブミン・ HES)は有効か?

③敗血症性ショックにおける昇圧薬は何を選択すべきか?

④敗血症の治療ではどのような時にステロイドを投与するべきか?

⑤敗血症診療における輸血(赤血球)製剤投与の適応は?

⑥敗血症補助療法として免疫グロブリンの投与は必要か?

⑦敗血症診療にエンドトキシン吸着療法は必要ないのか?

⑧DICを合併した場合にアンチトロンビン,トロンボモジュリンの投与は必要ないのか?

⑨敗血症診療における血糖値のターゲットは?

⑩敗血症診療におけるプロカルシトニンの役割は?

第5章 中枢神経感染症

①細菌性髄膜炎の治療はカルバペネムが第一選択か?

②細菌性髄膜炎の抗菌薬de-escalationはどうやるのか?

③細菌性髄膜炎にステロイドを併用するべきか?開始したならいつ中止すべきか?

④ベータラクタム系抗菌薬アレルギー時の細菌性髄膜炎経験的治療,標的治療はどうする?

⑤細菌性髄膜炎への治療効果判断のために髄液検査をルーチンに行うべきか

⑥ウイルス性脳炎や無菌性髄膜炎にアシクロビルは投与すべきか。いつ中止すべきか。

⑦結核性髄膜炎をいつ疑うか,いつ治療するか?

⑧細菌性脳膿瘍に使用される抗菌薬は何か?

⑨脳室シャント感染,髄膜炎ではシャントの入れ替えは必須か?再留置のタイミングは?

⑩細菌性髄膜炎治療における抗菌薬髄注の適応や選択薬は?

⑪クリプトコッカス髄膜炎の治療において,フルシトシンを併用するべきか?

第6章 上気道感染症

①「風邪」に抗菌薬は有効か?

②細菌性結膜炎に点眼抗菌薬は有効か?

③Mycoplasma pneuumoniaeによる咽頭炎や気管支炎は治療すべきか?

④百日咳と診断された患者の家族に予防的抗菌薬投与を行うべきか?

⑤インフルエンザの治療においてペラミビル(ラピアクタR)はいつ使うべきか?

⑥A群β溶連菌以外の細菌による咽頭炎は治療すべきか?

⑦急性気管支炎に抗菌薬投与は必要か?

⑧COPD急性増悪に抗菌薬投与は必要か?

⑨外耳道炎に点耳抗菌薬は有効か?

第7章 下気道感染

①市中肺炎のエンピリック治療で非定型病原体をカバーすべきか?

②重症市中肺炎の治療でβラクタム系にマクロライドを併用すべきか?

③市中肺炎の治療でステロイドを併用すべきか?

④軽症市中肺炎の治療で内服抗菌薬は何を使うか?

⑤成人マイコプラズマ肺炎の治療の第一選択は?

⑥レジオネラ肺炎にはどの抗菌薬が最適か?

⑦院内肺炎,医療介護関連肺炎の治療で耐性菌のカバーをするべきか?

⑧院内肺炎,人工呼吸器関連肺炎の最適治療期間は?

⑨膿胸,複雑性肺炎随伴性胸水におけるドレナージ,線維素溶解療法,外科手術の適応は?

⑩難治化した肺膿瘍をどう治療するか?

⑪下気道感染を繰り返す気管支拡張症にどう立ち向かうか?

第8章 尿路感染症・性感染症

①単純性膀胱炎の治療薬は?

②腎盂腎炎の治療期間は点滴で絶対2週間必要?

③再発する女性の尿路感染症にどう立ち向かうのか?

④腎盂腎炎が治らないと思ったら?膿瘍が見つかった際の対応は?

⑤尿培養から黄色ブドウ球菌(MRSA)・カンジダが検出された際に治療は必要か?

⑥前立腺炎の治療における移行性の考え方は?

⑦慢性細菌性前立腺炎はいつまで治療するのか?再発したらどうするか?

⑧尿道炎は淋菌・クラミジアを両方カバーするべき?

⑨持続・再発する尿道炎にどう立ち向かうのか?

⑩骨盤内感染症の抗菌薬投与はどこまでカバーする?入院は必要?

⑪性器ヘルペスの抗ウイルス剤の選択は?軟膏?内服?点滴?

⑫日本における梅毒の標準治療は?

第9章 消化器感染症

①重症膵炎にカルバペネムを投与すべきか?

②Enterohemorrhagic Escherichia coli(EHEC:腸管出血性大腸菌)感染症の治療に抗菌薬 は必要か?

③感染性腸炎のempirical therapyは?

④二次性腹膜炎の治療期間は?

⑤二次性腹膜炎のempirical therapyに真菌と腸球菌のカバーは必要か?

⑥細菌性肝膿瘍の経口薬への切り替えと治療期間は?

⑦CDIの治療はメトロニダゾールかバンコマイシンか?

⑧胆嚢炎,胆管炎に胆汁移行性は重要か,治療期間は?

⑨憩室炎に抗菌薬は必須なのか?

⑩急性虫垂炎は手術しなくてもいいのか?

⑪胆管炎,胆嚢炎のempirical therapyに腸球菌,偏性嫌気性菌カバーが必要か?

⑫SBP(spontaneous bacterial peritonitis: 特発性細菌性腹膜炎)の治療はいつでもセフ トリアキソン,セフォタックスか?SBPの治療期間は?

第10章 心血管感染症

①血培で黄色ブドウ球菌が検出された場合,どこまで感染性心内膜炎(IE)を検索すべきか?抗菌薬はGMを併用すべきか?

②真菌性心内膜炎の治療は,アムビゾームでなければだめか?抗真菌薬を併用すべきか?

③感染性心内膜炎の手術適応とタイミングは?

④感染性心内膜炎で人工弁置換を行った場合,抗菌薬をどのくらい点滴投与すべきか?リファンピシン併用は必須か?

⑤感染性心内膜炎の治療開始後,血培採取のタイミングと頻度は?

⑥血液培養陰性感染性心内膜炎の抗菌薬選択と非感染症の鑑別は?

⑦感染性大動脈瘤(体幹部)の治療方針と抗菌薬投与期間は?

⑧血液培養陰性感染性大動脈瘤の抗菌薬選択と鑑別診断は?

⑨ペースメーカーリード感染の治療方針と抗菌薬投与期間は?

⑩S. viridansやEnterococcusの感染性心内膜炎にGMやCTRXを併用選択する適応と根拠は?

第11章 皮膚骨関節感染症

①化膿性関節炎(特に人工関節)の診断に関節穿刺は推奨されるか。治療目的の関節腔への抗菌薬投与は推奨されるか?

②人工関節/インプラント感染症にリファンピシンの併用は必要か?

③人工関節感染の治療において,抗菌薬含有セメントは有効か?

④人工関節感染で人工関節の抜去後,再置換はいつ頃行うべきか?

⑤人工関節感染に対する内服抑制療法はいつまで続けるか?

⑥骨感染症に抗菌薬の骨移行性,組織移行性は強く要求されるか?

⑦血液培養陰性の化膿性椎体炎はどうマネージメントするか?

⑧外傷での破傷風トキソイドの適応は?

⑨くり返す蜂窩織炎に予防内服は有効か?

⑩壊死性筋膜炎でクリンダマイシン併用やγグロブリン,高圧酸素療法は必要か?

第12章 免疫不全感染症

①発熱性好中球減少症の初期治療には何を用いるか?

②好中球減少期には抗菌薬予防内服をするべきか?

③全身状態の良い発熱性好中球減少症では好中球数の回復なしに抗菌薬の中止は可能か?

④発熱性好中球減少症で熱が下がらないことは治療失敗を意味するか?

⑤好中球減少症に合併した呼吸器感染症はどう考え,どう対応するか?

⑥好中球減少時にG-CSFはルーチンに用いるべきか?

⑦ニューモシスチス肺炎の予防はHIV 感染以外にはどんな患者に行うべきか?

⑧化学療法を行う悪性腫瘍患者ではルーチンでIGRAを測定すべきか?そして,陽性であった場合には治療対象となるか?

⑨CMV感染症の治療法について

第13章 人畜共通輸入感染症

①海外渡航帰りの敗血症に対するエンピリックセラピーは?

②腸チフスに対する治療は?セフトリアキソン?キノロン?アジスロマイシン?

③赤痢アメーバに対してパロモマイシンは使用すべき?膿瘍をドレナージすべき?

④日本でのマラリア治療はどうする?

⑤日本でのマラリア予防はどうする?

⑥デング熱の血小板減少に対する血小板輸血の適応は?

⑦日本紅斑熱ではテトラサイクリンにキノロンを併用するのが良いか?

⑧ネコひっかき病に抗菌薬を使用するか?

⑨日本でのトキソプラズマ脳炎の治療はどうする?

⑩旅行者下痢症には抗菌薬が必要か?使うなら何が良いか?

第14章 不明熱

①不明熱で抗菌薬・抗ウイルス薬が必要なときは?

②不明熱で抗結核薬を投与するときは?

③不明熱でステロイド投与が必要なときは?

④不明熱にコルヒチン投与を考えるときは?

⑤腫瘍熱の鑑別にナプロキセン(ナイキサン)テストは有用か?

⑥不明熱で薬剤熱を疑うときは?

⑦HIV不明熱で多いニューモシスチス肺炎の治療について

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書籍情報

  • ISBN:9784765317528
  • ページ数:520頁
  • 書籍発行日:2018年4月
  • 電子版発売日:2018年7月13日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
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