消化管内視鏡診断テキストⅡ 小腸・大腸 第4版

  • ページ数 : 200頁
  • 書籍発行日 : 2018年4月
  • 電子版発売日 : 2019年1月1日
8,250
(税込)
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商品情報

内容

消化管内視鏡を学ぶ医師必携のベストセラー,「小腸・大腸」編,13年ぶりの改訂!

消化管内視鏡のみかたをわかりやすく解説した定番テキスト,下部消化管(小腸・大腸)編が13年ぶりの大改訂.シンプルな記述と,厳選し,かつ豊富な写真,という第1版からのコンセプトは引き継ぎつつ,解説と写真の全面的な刷新を行った.今版では,全ての写真にサブ画像を添え,矢印や破線を駆使して,ポイントが一目でわかるようにした.多忙な研修医,若手医師や医学生が,下部消化管内視鏡のエッセンスを身につけられる一冊.

Ⅰ 食道・胃・十二指腸

序文

第4版の序

ここに『消化管内視鏡診断テキストⅡ(小腸・大腸)』第4版をお届けする.

2016年6月21日,文光堂の浅井麻紀氏から一通のEメールをいただいた.2008年に発行された『消化管内視鏡診断テキストI』第3版が,10年近く改訂されておらず,さらに下部消化管を扱った『消化管内視鏡診断テキストII』第3版は10年以上改訂されていないので,その編集を小生にお願いしたいという内容であった.文光堂にお世話になって『ピロリ菌陰性時代の上部消化管内視鏡』という本を作成した際の編集会議で,消化管内視鏡分野のバイブルであった本書の第1版を手に,日立総合病院の研修医として消化管内視鏡の勉強を行っていたことを懐かしく浅井氏にお話したのがご縁である.

もっとも,本書の編集はこれまで,小生の大先輩にあたる竹本忠良先生,長廻 紘先生がなされてきたものである.小生のような若輩者が関わらせていただいて良いものなのかと,即答できなかった.長廻先生のご意向をお伺いいただくようお願いしたところ,第4版の編集者については文光堂に一任(小生で可),さらに,I(食道・胃・十二指腸)の巻末に「内視鏡ヘの道」についての文章もご寄稿いただけるとのこと.長廻先生の寛大さに改めて敬服するとともに,もうお受けするしかないと覚悟を決めた.

第3版の上部は主に光永 篤先生を中心とする東京女子医大グループ,下部の小腸は河南智晴先生(現・大津赤十字病院),大腸は田中信治先生(広島大)が執筆されていた.さて,第4版はどの先生に執筆を依頼すべきか.第1版~第3版までのテキストを手に思い悩む日々が過ぎて行った.が,東大の内視鏡室に隣接する部長室に籠りながら,小生が光学医療診療部長を拝命した時に,旧ナンバー内科の枠を超えて,東大の消化管グループとしてやっていこうと決心したことを思い出した.東大の総力を挙げて先輩の意思を引き継ぐ第4版を作成することが,大先輩の恩に報いることではないかと考えるに至り,小池和彦先生に監修を,東大関連の先生方に執筆をお願いすることとした.

実際に作業を開始してからも,さまざまな困難に直面した.特に,東大病院では,近年,上部消化管内視鏡を年間約12,000件,下部消化管内視鏡を年間約6,000件行っているにも関わらず,どうしてどうして,本書にふさわしい良質な内視鏡画像がなかなか見つからない.一部の希少疾患などは関連施設の先生方の協力を仰いだ.執筆活動を通じ,内視鏡診療を見直す良い機会を与えていただいたと感謝している.これも大先輩たちからの叱咤激励であったのであろう.

ぜひ,多くの方々に本書を手に取っていただきたい.内視鏡診断に熟練しておられる先生方からは,忌憚ないご意見をいただければ大変有り難く,まだ内視鏡診断に不安があるまたはこれから内視鏡を握ろうと考えられている先生方には,日々の内視鏡診療にお役立ていただければ幸いである.


2018年4月

東京大学消化器内科(光学医療診療部)
藤城 光弘

目次

I 下部消化管の解剖

1.小腸の解剖

2.大腸の解剖

a.肛門管

b.直腸

c.S状結腸

d.下行結腸

e.横行結腸

f.上行結腸

g.盲腸

h.回盲弁

II 小腸

1.小腸の内視鏡検査

2.小腸の正常像

3.疾患からみた内視鏡所見

1) 小腸腫瘍性疾患

① 小腸癌

② 悪性リンパ腫

③ 転移性小腸腫瘍

④ Cronkheit-Canada症候群

⑤ Peutz-Jeghers症候群

⑥ 家族性大腸腺腫症(FAP)の小腸腺腫

⑦ GIST(gastrointestinal stromal tumor)

⑧ 脂肪腫

⑨ 神経内分泌腫瘍(カルチノイド)

2) 小腸炎症性疾患

① クローン病

② 単純性潰瘍

③ NSAIDs起因性腸炎

④ サイトメガロウイルス腸炎(CMV腸炎)

⑤ アミロイドーシス

⑥ 虚血性小腸炎

3) 小腸血管性疾患

① 血管拡張症

② 静脈瘤

③ blue rubber bleb nevus syndrome

4) その他の小腸疾患

① 移植片対宿主病(GVHD)

② メッケル憩室

③ 蛋白漏出性小腸症

④ リンパ管腫

III 大腸

1.大腸の内視鏡検査

a.大腸内視鏡検査の意義

b.長所と短所,特徴(他検査との比較を含めて)

c.適応と禁忌

d.偶発症と対策

2.大腸の正常像

a.盲腸と虫垂

b.回盲弁・終末回腸部

c.右結腸

d.左結腸・直腸

e.腸管攣縮

f.血管像

g.肛門部

h.吻合部・その他

3.疾患からみた内視鏡所見

1) 大腸腫瘍性疾患

① 大腸腫瘍の分類

a.組織学的分類

b.形態的分類

②腺腫・大腸癌─表面構造所見・腫瘍形態を中心に

a.観察のポイント

b.SM癌の内視鏡診断

c.進行癌

③ ポリープ

a.腺腫

b.若年性ポリープ

④ ポリポーシス

a.家族性大腸腺腫症(FAP)

b.若年性ポリポーシス

c.Cronkhite-Canada症候群

d.cap polyposis

e.Peutz-Jeghers症候群

f.serrated polyposis

g.Cowden病

h.炎症性ポリポーシス

i.その他

⑤ 粘膜下腫瘍

a.消化管間葉系腫瘍(GIMT)

b.脂肪腫

c.良性リンパ濾胞性ポリープ

d.リンパ管腫

e.血管腫

f.腸管囊胞状気腫症(PCI)

g.神経内分泌腫瘍,カルチノイド(NET G1,G2)

⑥ 悪性リンパ腫

a.内視鏡所見

b.組織分類

c.続発性リンパ腫の内視鏡所見

2) 大腸炎症性疾患

① 炎症性腸疾患

a.炎症性腸疾患と大腸内視鏡検査

b.炎症性腸疾患にはどのようなものがあるか

c.炎症の分類

② 腸管の炎症における内視鏡所見

a.内視鏡所見の重要性

b.生検の意義

c.アフタ

d.縦走潰瘍の鑑別

e.輪状潰瘍の鑑別

f.大腸炎と瘢痕

g.炎症性ポリポーシス

③ クローン病

a.概念

b.疫学

c.臨床症状

d.形態学的特徴

e.組織学的特徴

f.クローン病の診断手順

g.小腸クローン病と大腸クローン病の差

h.潰瘍性大腸炎とクローン病の鑑別

i.非特異性多発性小腸潰瘍とクローン病の鑑別

j.臨床的な活動性の評価

k.クローン病の内視鏡所見

l.上部消化管のクローン病変

④ 潰瘍性大腸炎

a.定義

b.診断手順

c.診断基準

d.病態(病型・病期・重症度)の分類

e.潰瘍性大腸炎の内視鏡所見

f.内視鏡所見に影響を与える要素

g.潰瘍性大腸炎とサイトメガロウイルス感染

h.colitic cancer(大腸炎に合併する癌)

i.dysplasia

⑤ 単純性潰瘍,Behçet潰瘍

a.Behçet病の診断基準

b.単純性潰瘍,Behçet潰瘍の内視鏡所見

⑥ 虚血性大腸炎

a.Marstonの分類

b.虚血性大腸炎の内視鏡所見

c.虚血性大腸炎の診断

d.特殊な虚血性大腸炎

⑦ 薬剤起因性大腸炎

a.急性出血性大腸炎(AHC)

b.偽膜性大腸炎(PMC)

c.NSAIDs起因性腸炎

d.MRSA腸炎

e.抗癌剤による腸炎

f.その他の腸炎

⑧ 微生物による腸炎

a.細菌感染症(感染性腸炎)

b.寄生虫による腸炎

c.ウイルスによる腸炎

⑨ 腸結核

⑩ 粘膜脱症候群

⑪ その他の炎症性疾患

a.急性出血性直腸潰瘍(AHRU)

b.放射線障害による腸炎

c.好酸球性胃腸炎

d.腸間膜脂肪織炎

e.graft-versus host disease(GVHD)

f.collageneous colitis(膠原線維性腸炎)

3) その他の大腸疾患

① 大腸憩室

a.大腸憩室

b.憩室反転

② S状結腸軸捻転

③ 粘膜下血腫

④ 直腸異物

⑤ 大腸偽メラノーシス

⑥ 子宮内膜症

⑦ Schönlein-Henoch紫斑病

⑧ 肛門乳頭腫大(肛門ポリープ)

⑨ 再発癌

⑩ 他臓器よりの浸潤癌

⑪ 痔核

IV 知っておきたい基礎知識

a.大腸ポリープ肉眼分類

b.pit pattern分類

c.NBI分類

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書籍情報

  • ISBN:9784830621024
  • ページ数:200頁
  • 書籍発行日:2018年4月
  • 電子版発売日:2019年1月1日
  • 判:B5判
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