麻酔科で使う薬の疑問58

  • ページ数 : 232頁
  • 書籍発行日 : 2018年5月
  • 電子版発売日 : 2018年12月26日
4,400
(税込)
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商品情報

内容

研修医,若手麻酔科医が麻酔を学び,用いる上でつきあたる薬の疑問を集めたQ&A形式のガイドブック.

「揮発性吸入麻酔薬はどうして効くか?」「プロポフォールが持続投与で使われる理由は?」といった作用機序にまつわる質問から,「揮発性麻酔薬と静脈麻酔薬はどのように使い分けるか?」「高齢者での薬物使用の注意点は?」といった臨床上の問いに至るまで幅広く解説した.各項目の末尾には「まとめ」としてポイントが要約.

序文

序文

麻酔科領域で使用される薬物の種類は多くはありませんが,手術中の患者様の急激な変化に対応するために,適切な薬物を適切な時期に投与することが必要となってきます.このようなことができるようになるには,十分な薬物の知識を持つことが必要となります.さらに適応症・禁忌など,実際に使用する際に問題となる点も理解しておくことが必要です.

このような対応が可能となるように,研修医・若手麻酔科医を対象として,麻酔科で使用する薬物の使用時の問題点を解決するための本を刊行することになりました.本書では,麻酔科でよく使用する薬物の知識を深め,さらに薬物への疑問に答え,実際の臨床使用時に役立つ本となるように企画いたしました.特に理解しやすさを狙って,Q&A形式といたしました.また作用機序・薬物動態などの基礎的な知見と,実際に使用する際の注意事項などをコンパクトにまとめるように留意しました.

項目には,基本的な事項から,麻酔の実臨床を行っているときに疑問となりそうな"チョットした"項目まで,読者が興味を持てそうなものを取り上げました.そのため,取り上げた薬物は多少の偏りがあるかと思います.さらに,ほかの薬の解説本とは一味違った内容となっているところもあると思います.ただこのような内容になった理由は,ここで述べました通り「実臨床で役立つ内容を盛り込みたい」の一言に尽きます.

本書が,少しでも研修医・若手麻酔科医の日常臨床で感じる薬の疑問に答え,麻酔の魅力を感じる手助けとなることを希望しております.


平成30年5月吉日

山本達郎

目次

Ⅰ章 基礎編:作用機序はどうなっているの?

Q1 揮発性吸入麻酔薬はどうして効くの?

Q2 笑気の使用頻度が減ってきた原因は?

[鎮静薬]

Q3 超短時間作用型バルビツール酸系薬物はどうして覚めるの?

Q4 プロポフォールが持続投与で使われる理由は?

Q5 ベンゾジアゼピン系の特徴は?

Q6 ケタミンは,ほかの鎮静薬とどこが違うの?

Q7 デクスメデトミジンの適応は?

[鎮痛薬]

Q8 オピオイド受容体(μ,κ,δ受容体)の特徴は?

Q9 非ステロイド系消炎鎮痛薬の良い点,悪い点は?

Q10 アセトアミノフェン,非ステロイド系消炎鎮痛薬との違いは?

[筋弛緩薬]

Q11 脱分極性筋弛緩薬の作用部位は?

Q12 非脱分極性筋弛緩薬の種類と特徴は?

Q13 筋弛緩拮抗薬の作用機序は?

Q14 筋弛緩薬のモニター法は?

[心血管作動薬]

Q15 α刺激薬とβ刺激薬の特徴は?

Q16 ホスホジエステラーゼⅢ阻害薬の特徴は?

[冠動脈拡張薬]

Q17 硝酸薬はどのように冠動脈を拡張するの?

Q18 ニコランジルは硝酸薬とどこが違うの?

[降圧薬]

Q19 カルシウム拮抗薬はどのようなカルシウムチャネルに作用するの?

[抗不整脈薬]

Q20 βブロッカーの適応は?

Q21 降圧薬で使うカルシウム拮抗薬と抗不整脈薬として使うカルシウム拮抗薬はどこが違うの?

Q22 アトロピンの作用機序と,適応は?

Q23 局所麻酔薬の作用機序は?

[輸液製剤]

Q24 リンゲル液は,点滴後にどこに分布するの?

Q25 代用血漿には,どのような種類があるの?

[抗凝固薬・抗血小板薬]

Q26 凝固系はどうなっているの?

Q27 ワルファリンは凝固系のどこに効くの?

Q28 Xa 因子阻害薬の特徴は?

Q29 アスピリンの作用の特徴と,適応は?

Ⅱ章 応用編:どのように使うの?

Q30 肝機能障害時にどのように薬を使うの?

Q31 腎機能障害時にどのように薬を使うの?

Q32 吸入麻酔薬はどのように使い分けるの?

Q33 揮発性麻酔薬と静脈麻酔薬はどのように使い分けるの?

Q34 麻酔導入時の鎮静薬は,どのように使い分けるの?

Q35 TIVA or VIMA,それぞれの利点は?

Q36 局所麻酔時の鎮静はどのようにするの?

Q37 硬膜外麻酔時の局所麻酔薬の使い分けは?

Q38 TAP ブロック時の局所麻酔薬の使い分けは?

Q39 笑気を使用すべき状況は?

Q40 フェンタニルとレミフェンタニル,使い分けは?

Q41 筋弛緩薬の使い分けは?

Q42 筋弛緩薬の効果はどのように評価するの?

Q43 筋緊張性ジストロフィー患者での筋弛緩薬の使用は?

Q44 重症筋無力症患者での筋弛緩薬の使用は?

Q45 エフェドリンor ネオシネジン,どのように使い分けるの?

Q46 人工心肺離脱時の循環作動薬に何を使用するのか?

Q47 心臓血管外科手術の循環作動薬は,単剤 or 多剤併用?

Q48 OPCAB 時に使用するのは,ネオシネジンor ノルアドレナリン?

Q49 硝酸薬or ニコランジル,どのように使い分けるの?

Q50 周術期の抗凝固薬対策は?

Q51 術後痛管理に何を使用すべきか?オピオイド鎮痛薬 or NSAIDs or アセトアミノフェン?

Q52 オピオイド鎮痛薬とNSAIDs,アセトアミノフェンは併用すべきか

Q53 硬膜外鎮痛による術後痛管理にオピオイド鎮痛薬を使用すべきか

Q54 術中のアナフィラキシーショック,原因は何を考えるか?

Q55 高齢者での薬物使用の注意点は?

Q56 新生児での薬物使用の注意点は?

Q57 幼児での薬物使用の注意点は?

Q58 妊婦での薬物使用の注意点は?


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書籍情報

  • ISBN:9784830628467
  • ページ数:232頁
  • 書籍発行日:2018年5月
  • 電子版発売日:2018年12月26日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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