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- インターベンショナリストのための心臓CT活用ハンドブック
商品情報
内容
術前から術中に渡り、CTをフル活用した今までにない心臓CT症例集である。CAGに匹敵する情報だけでなく、CAGにもIVUSにもない情報がここにある。CAG前からのPCI治療戦略構築、術中の手技・デバイス選択、リスク回避など、PCIの疑問点・問題点を補う情報が満載!
序文
はじめに
小生が心臓CTを見始めたのは2005年で,当時は16列CTが最上級モデルであった.連日,りんくう総合医療センター市立泉佐野病院で恩師である角辻暁先生のもと,深夜までCT画像をひたすら見続け,その可能性と限界を体で体験した.16列CTでも条件がよければ,現在の64列もしくは320列CT画像に匹敵する画質が得られたが,実際にそのような症例はまれであった.現在,一般的に使用されている64〜320列のCT画像のように,単一フェーズで1本の主幹冠動脈が近位部から遠位部まで観察できることはまれで,volume rendering(VR)やcurved MPR画像が構築できないことが多かった.そのため冠動脈のセグメントごとに観察するフェーズを変更し,最適フェーズを探しながら評価を行ったものであるが,今から考えると気の遠くなる作業である.
このときに体得したのがslab MIP法である.もちろん,画像が向上した現在でも有用な画像構成法であるが,16列CT画像の評価では必須の方法であった.2006年から64列CTを使用しているが,16列CTとは別世界であった.大きな違いは,多くの場合において拡張末期の単一フェーズで冠動脈すべてが評価可能となったことである.また,画質の向上により狭窄病変の検出のみならず,プラークの質や分布も評価可能となり,多列化と時期を同じくして心房細動などの不整脈に対するソフトウェアの開発も進み,良好な画像を得ることが可能となった.
プラークの質や分布は冠動脈造影(CAG)からは得られない情報であり,今までにない新たな形態的・組織的画像情報であった.こうして心臓CTは「画像不良な簡易CAG」という位置づけから,独自の情報を有する一つの独立したモダリティとなったのである.狭窄病変の局在,360°自由自在な形態観察,脂質性から石灰化までプラークの組織などが,CAGを行う前からある程度把握できる.このことはPCIを行うにあたり大きな事前情報となることは言うに及ばず,CAGやIVUSとは異なった画像情報であるがゆえに,PCIの治療方針を決定する新たな情報として活用することができると期待された.ただし,その普及にはさまざまな活用法を提示・共有することが必須であると考え,2011年8月にCTの可能性の追究を志す先生方とともに関西を活動拠点とする「インターベンショナリストのための心臓CT研究会」を発足した.年に4回研究会を開催しており,多くの医師や技師の先生方とCTの可能性を議論・探求し,総じて好評価をいただいていると感じている.
CT情報のPCIへの活用はいまだエビデンスが少なく,個々の医師が独自に活用しているのが現状である.本書は研究会の活動の一環として,PCIにおけるCTの活用法をより多くの方々に知っていただき,その理解がより深まることを期待して主に研究会の運営メンバーで作成した.系統的解説だけでは必ずしも臨床に応用することは容易ではないと考え,症例集という形態をとった.明日からの皆さまの診療にご活用いただけることを願うとともに,皆さまからも有用な活用法のフィードバックをいただければ幸いである.
末筆ではあるが,今回の企画を書籍化するにあたりご快諾いただいたメディカ出版,編集をご担当いただいた鈴木陽子氏,西岡和江氏へお礼を申しあげたい.また,小生の恩師であり,研究会発足時より顧問として研究会の方向性に関するご指導を賜り,本書へ症例の寄稿も頂戴した角辻暁先生へは,この場をお借りして心よりお礼申しあげたい.
2013年6月
インターベンショナリストのための心臓CT研究会 代表世話人
奥津 匡暁
目次
・はじめに
・本書に使われている主な略語一覧
【総論】心臓CTをみる
【症例】
<1章>脂質性病変
◆末梢塞栓の予測(高リスク)1
・ワンポイントアドバイス
◆末梢塞栓の予測(高リスク)2
◆末梢塞栓の予測(低リスク)
<2章>石灰化病変
◆石灰化評価:ロータブレーターの必要性の予測
・ワンポイントアドバイス
◆ロータブレーター不要の石灰化
◆ステントがデリバリー困難であった石灰化病変
◆軽度石灰化病変
<3章>分岐部病変
◆2stent strategyを要する分岐部病変
◆分離が困難なLMT分岐部病変
◆アンギオで分離が困難な側枝の多い病変
<4章>再狭窄
◆ステントの破損,変形に伴う再狭窄
<5章>慢性完全閉塞病変
◆慢性完全閉塞病変の走行と血管径の評価
◆慢性完全閉塞病変の入口部
◆心臓CTで得られた解剖学的情報が非常に有効であったLADCTO病変
◆複雑な走行を呈する右冠動脈近位部病変
◆高度狭窄病変における血管の評価:血管内かブリッジか?
◆右冠動脈近位部の慢性完全閉塞病変か?
◆ガードレールの石灰化
◆冠動脈瘤を伴った慢性完全閉塞病変
<6章>急性冠症候群病変
◆分岐部病変を有する不安定狭心症
◆血栓を伴う切迫心筋梗塞
◆血栓性病変
<7章>冠動脈形態,その他
◆起始異常を有する右冠動脈へのPCI
◆非心臓CTによる血管走行の同定
◆ベーチェット病に伴う巨大な冠動脈瘤病変
◆コレステリン塞栓症
◆CT装置多列化による撮影時間の短縮が偽性閉塞性病変を生み出すか?
・索 引
・おわりに
・執筆者一覧
・インターベンショナリストのための心臓CT研究会の紹介
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書籍情報
- ISBN:9784840445252
- ページ数:144頁
- 書籍発行日:2013年7月
- 電子版発売日:2013年12月6日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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