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- みき先生の皮膚病理診断ABC(1)表皮系病変
商品情報
内容
著者の経験を「診断のための定義」として箇条書きでまとめ、イラストで呈示。
本文では診断のコツに相当する疾患に対する捉え方や診断の仕方を盛り込まれており、組織写真も多数掲載。
症例の経時的なバリエーションや亜型どうしの違いなども多数提示しています。
序文
はじめに
病理医でも皮膚科医でも,"脂漏性角化症の組織学的な定義は?"と聞かれて,明瞭に返答できる人はおそらくそう多くはないでしょう.これは,病理診断がもっぱら個人の経験に基づいて行われている証拠です.病理診断は,定義に基づいて構築された医学のひとつの領域ですから,まず診断のための定義(必要十分な所見)を知る必要があります.あとはその定義を用いてくり返し症例を重ね,自分なりのコツというか定義に微調整を加えていきます.これが"経験"と評される行為です.定義は明瞭で簡潔であるべきですから,本書ではそれをまずはじめに「診断のための定義」として箇条書きでまとめ,イラストで示しました.そして本文ではもっぱら,診断のコツに相当する私なりの疾患に対する捉え方や診断の仕方を盛り込みました.
教科書を書くというのは,自分の病理医としての経験から溢れ出る"思い"を記述していくという行為であると感じています.しかし,実は自分一人で創造したことはごく少量であり,多くは師匠から教授していただいたり,一流のdiscussantsとのやりとりを通じてもたらされたものです.これは幸運や僥倖としか言いようのないもので,その方々への感謝が本として具現化されたようなものです.
真鍋俊明先生(京都大学医学部附属病院病理診断部 教授)には,川崎医科大学の学生時代からお世話になりました.病理レジデントとして,顕微鏡の使い方から教わり,いまだに多くの貴重な助言を頂いています.本来は師匠を超えることが恩返しですが,それはとても叶わないという呵責から,この本を書いたことにより少しでも免がれたいと思います.深山正久先生(東京大学医学部人体病理学・病理診断学分野 教授)は,私を関東逓信病院(現 NTT東日本関東病院)に招いて下さり,皮膚病理を専門とするよう導いて下さった恩人です.深山先生のお陰で,病院で働きながら,皮膚病理の仕事で,東京大学から学位を授かることができました.医者としてどうあるべきか,病理医として生きていくうえでの楽しさや厳しさなどの多くのことを深山先生から学びました.現在の師匠である向井 清先生(東京医科大学病理診断学講座 教授)には,お前は英文論文は書かないが,教科書を書くのには向いている,と終始励まして頂きました.結婚や出産を経ても医師として奉職し続けることができ,こうして本を出版することなど,向井先生の深いご理解なしにはありえませんでした.大原國章先生(虎の門病院皮膚科 部長)とは,6年前から毎月勉強会をご一緒に主催させて頂いております.月刊誌「Visual Dermatology」創刊の際には,CPCを担当するという機会を与えて頂きました.そのお陰で,私の皮膚病理への理解と興味が格段に深まりました.大きなお人柄で,莫大なご経験と知識をつねに惜しみなく皆に分け与えてくださいました.本書の中でもいくつかの症例は大原先生からお借りしたものであり,心よりお礼申し上げます.感謝の気持ちを,勉強会にご参加のすべての先生方,東京医科大学および東京女子医科大学の皮膚科の先生方,東京医科大学病理診断学講座の同僚の先生方,技師の皆さまに謹んで表します.また私の良き理解者である秘書の高見澤貴美子さんに日頃の感謝を申し述べます.最後に,有能な編集者に恵まれたお陰で出版までこぎつけることができました.秀潤社の川口晃太朗さん,本当にありがとうございました.
2006年4月
東京医科大学病理診断学講座 講師
泉 美貴
目次
Chapter 1 表皮良性疾患
Point 1 尋常性疣贅
Point 2 その他のHPV感染症(ミルメシアとウイルス性足底囊腫)
Point 3 尖圭コンジローマ
Point 4 表皮母斑
Point 5 脂腺母斑(1歳)
Point 6 脂腺母斑(13歳)
Point 7 脂腺母斑(24歳)
Point 8 脂腺母斑(80歳)
Point 9 脂腺母斑(腫瘍合併例①BCCの芽)
Point 10 脂腺母斑(腫瘍合併例②脂腺系腫瘍)
Point 11 脂腺母斑(腫瘍合併例③BCC)
Point 12 脂漏性角化症(典型例,表皮肥厚型)
Point 13 脂漏性角化症(乳頭状型)
Point 14 脂漏性角化症(腺腫様型)
Point 15 脂漏性角化症(クローン型)
Point 16 脂漏性角化症(色素型)
Point 17 脂漏性角化症(Irritated type)
Point 18 脂漏性角化症(Inflamed type)
Point 19 脂漏性角化症(棘融解型)
Point 20 脂漏性角化症(異型性に富むタイプ)
Point 21 脂漏性角化症に関連して:老人性色素斑
Point 22 Inverted follicular keratosis
Point 23 Clear cell acanthoma
第1章セルフアセスメントクイズ
Chapter 2 表皮悪性疾患
Point 24 扁平上皮癌(上皮内癌,総論)
Point 25 日光角化症(総論)
Point 26 日光角化症(ピンク&ブルーサイン)
Point 27 日光角化症(萎縮型)
Point 28 日光角化症(棘融解型)
Point 29 日光角化症(皮角の形成)
Point 30 日光角化症(Bowen型)
Point 31 日光角化症(炎症細胞浸潤高度)
Point 32 日光角化症の一生
Point 33 日光角化症から発生した浸潤癌
Point 34 日光角化症に関連して:扁平苔癬様角化症(LPLK)
Point 35 Bowen病(総論)
Point 36 Bowen病(クローン型)
Point 37 Bowen病(Paget病様)
Point 38 Bowen病(乳頭状)
Point 39 Bowen癌(浸潤性のBowen病)
Point 40 Bowen病の一生
Point 41 Bowen病に関連して:Bowenoid papulosis
Point 42 ケラトアカントーマ(総論)
Point 43 ケラトアカントーマ(初期)
Point 44 ケラトアカントーマ(典型像)
Point 45 ケラトアカントーマ(退縮期)
Point 46 ケラトアカントーマ(SCCとの鑑別)
Point 47 扁平上皮癌(診断の進め方)
Point 48 偽癌性表皮過形成(扁平上皮癌との鑑別として)
Point 49 熱傷瘢痕後の扁平上皮癌
Point 50 疣状癌
Point 51 Basosquamous cell carcinoma
Point 52 扁平上皮癌(紡錘形細胞癌)
Point 53 紡錘形型の扁平上皮癌の鑑別疾患
Point 54 転移性皮膚腫瘍
Point 55 Paget病
Point 56 Paget病(浸潤の捉え方)
第2章セルフアセスメントクイズ
One Point Lesson
1 "尋常性"ということば
2 "母斑"とは?
3 間違いやすい単語集
4 Intraepidermal epithelioma
5 腫瘍の分化って何?
6 腫瘍と腫瘤の違い
7 基底細胞癌は,表皮系の腫瘍か? 付属器系の腫瘍か?
8 "皮下腫瘍"って,どこにあるの?
9 絶対に間違えてはいけない単語:肉芽組織と肉芽腫
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書籍情報
- ISBN:9784059110439
- ページ数:189頁
- 書籍発行日:2006年6月
- 電子版発売日:2015年11月27日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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