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- 救急·集中治療(26巻9・10号)人工呼吸管理
商品情報
内容
日々の治療方針決定で困らないよう、呼吸不全患者の治療に関する未解決の問題30項目を取り上げて、その分野のエキスパートが今後の見通しや限界も含めて中立な立場で解説。
内容は、人工呼吸そのものに限らず、酸素療法、呼吸理学療法、各種のケア、血糖管理・輸液・栄養療法などにも広く及んでいます。最新のエビデンス満載の本書は「困ったときに開く本」としてお役立て下さい。
序文
近年の呼吸不全治療に関する進歩には著しいものがあります.単に人工呼吸の換気モードだけでなく,関連する治療デバイス,人工呼吸以外の換気・酸素化の補助治療,種々の薬剤,輸液・栄養療法や全身管理など,分野も多岐にわたります.
当然それらの効果についても多くの研究が行われていますが,大規模研究とその後の検討を経て,救命率向上のコンセンサスが得られた治療はほとんどありません.重症呼吸不全の治療を例にとれば,換気量と換気圧に関するARMA study(ARDS network:N Engl J Med 342:1301-1308, 2000)の結果のみが有効と認められています.それ以外は,酸素化の改善や人工呼吸期間の短縮は認めるものの最終的な救命率に差がない,症例数が少ない,研究デザイン上の問題,群間のバイアス,報告によって結果が一定しないなどの理由で,確立した知見として認められるには至っていません.では,これらが無効なのかといえば,おそらくそうではないでしょう.今までは,対象患者の選択やプロトコールの問題で有効性が証明できなかっただけかもしれません.明日にも画期的な報告が現れても不思議はありません.
このような中で,臨床家が日々の治療方針決定で困らないように,呼吸不全患者の治療に関する未解決の問題30項目を取り上げて,その分野の第一線で活躍される先生方に今後の見通しや限界も含めて中立な立場で解説していただきました.内容は,人工呼吸そのものに限らず,酸素療法,呼吸理学療法,各種のケア,血糖管理・輸液・栄養療法などにも広く及んでいます.最後には,「ICUでの治療後」に重要となる嚥下障害と在宅人工呼吸の項目も設けました.
「わかっていることとわかっていないことを明らかにして下さい」とお願いしたこともあって,本書は現時点で最新のエビデンスが記載されたものになったと自負しています.臨床の現場に置いていただき,「困ったときに開く本」として役立てていただければ幸いです.
特集編集
大塚 将秀
目次
Ⅰ 気管挿管までの管理
非挿管下の酸素療法 尾崎孝平 1175
非侵襲的陽圧換気と高流量経鼻酸素療法 杉田慎二,小林克也,竹田晋浩 1185
気管挿管のタイミングと方法 瀧 健治 1193
Ⅱ 人工呼吸の方法
Pressure support ventilationの使い方と限界 時岡宏明 1200
PCV(pressure control ventilation)の使い方 赤坂威史,佐藤俊秀 1207
DCV(dual-control ventilation)の使い方 中川元文,桑迫勇登 1213
NAVA(neurally adjusted ventilatory assist) 橋大二郎 1220
重症呼吸不全におけるPEEPの設定法 山口 修 1227
頭蓋内圧亢進患者におけるPEEP設定 桑山直人 1238
肺保護人工呼吸 堂籠 博 1244
重症呼吸不全治療における筋弛緩薬の役割 山下幸一 1250
リクルートメント手技 松浦 優,川前金幸 1256
重症呼吸不全に対する呼吸理学療法 及川真人,神津 玲 1262
重症呼吸不全に対する腹臥位療法の効果 萩谷圭一,水谷太郎 1270
重症呼吸不全に対する高頻度振動換気(HFOV)の適応 秋元亮,中根正樹 1275
APRVの適応 後藤祐也,小谷 透 1282
ウィーニング 布宮 伸 1289
Ⅲ 人工呼吸に付随する管理
人工呼吸中のモニター 刈谷隆之 1299
人工呼吸中の鎮静 行岡秀和 1307
口腔ケア 岸本裕充,吉川恭平 1314
人工呼吸器関連肺炎(Ventilator-Associated Pneumonia:VAP)の予防 藤本潤一 1320
気管吸引 森永俊彦 1327
カフ圧の管理 森松 靜 1335
人工鼻と加温加湿器,加湿が不足する場合の対処 磨田 裕 1342
Ⅳ 輸液と栄養,慢性期の管理
血糖コントロール 江木盛時 1350
人工呼吸中の輸液管理 牧 裕一,豊田大介,小竹良文 1355
呼吸不全患者の栄養管理 海塚安郎 1362
呼吸不全と経腸栄養 新美太祐,西田 修 1373
嚥下障害 上野理美子,若林秀隆 1379
在宅人工呼吸 石原英樹 1388
索引 1395
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書籍情報
- ISBN:9784883785315
- ページ数:219頁
- 書籍発行日:2014年10月
- 電子版発売日:2015年4月10日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:2
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