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これであなたも免許皆伝! ドクターこばどんの感染症道場

  • ページ数 : 440頁
  • 書籍発行日 : 2014年2月
  • 電子版発売日 : 2014年4月11日
4,620
(税込)
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商品情報

内容

感染症の事始めからトラベルメディシン、HIVまで充実の内容。

アメリカで感染症を学んだドクターこばどんが、臨床感染症の基礎から応用まで、豊富なイラスト、写真、そしてこだわりの解説で感染症道場免許皆伝へ導きます。

医師のみならず、看護師、薬剤師、臨床検査技師など、すべての医療従事者が感染症診療に関する十分な知識と臨床力を身に着けるのに最適な一冊。

序文

「これからはコメディカルがもっと医療の第一線を担う時代が来る.だから,感染症を学ぼうとしている全ての医療従事者の役に立つ本にしたい!」はじめに本書の企画を頂いた際,西原崇創先生はこうおっしゃった.西原先生は聖路加国際病院時代に古川恵一先生の下で感染症を学ばれ,そのご経験をもとに臨床感染症のエッセンスを凝縮した『感染症 一刀両断!』を2006 年に出版されている.当初はその改訂版となる予定であった.そして,上記の西原先生の熱い思いにお応えすべく,徹底して改訂作業を進めていった.内容のアップデートだけでなく,感染症を理解するのに必要なポイントの説明を充実させ,初学書にもわかりやすいように図やイラストを加えていったところ,気付けば『一刀両断』とはかなり内容の異なる本ができあがりつつあった.換骨奪胎の末,こうして新しく独立した本として『感染症道場』が誕生したのである.

学生時代はまさか自分が感染症の道に進むとは思ってもいなかったし,どちらかというと苦手意識を抱いていた.しかし,大学の卒業が近づく頃,志ある先生方によって初学者を対象とした臨床感染症の勉強会が各地で開かれるようになっており,それと前後して,今では日本の臨床感染症の第一線で活躍されている先生方が米国での感染症研修を終えて続々と戻ってこられた時期でもあった.この流れに少なからず影響を受けた私の中でも臨床感染症への興味が芽生え,しまいにはアメリカへわたって感染症のフェローとなって学ぶまでとなった.

「苦手」から「フェロー」に進む過程には様々な失敗談もあり,「こういうことを知らなくてはいけないんだなあ」という思いも何度もした.こういった自分自身の思いや経験をもとに,初学者でもできるだけわかりやすく,しかし内容に妥協することなく,可能な限り文献でのバックアップを行いながら書き進めたのが本書である.本書を企画,編集された西原先生の構想を元に,著者が記した本ではあるが,前述のようにこれまで受けて来た教育,遭遇した症例,読んできた書物が背景にはある.これらが「シナジー効果」を生み出して,多くの方々の感染症臨床に役立つ一冊となれば,この上ない幸せである.

最後に,研修医時代,私を感染症臨床の道に進むきっかけをくださり,米国留学の応援もしてくださった古川恵一先生,フェローシップ中,厳しくも温かく感染症のおもしろさとプロ意識についてご指導くださったエモリー大学の先生方にはこの場をお借りして改めて心よりお礼を申し上げたい.本書の作成にあたり,直接的,間接的に私が個人的にメンターと仰ぐ先生方に貴重なアドバイスをいただいたが,ここで改めてお礼申し上げたい.また,研修医時代中からご自身の貴重な睡眠時間を削ってでも教育に熱を注がれてきた西原先生でいらっしゃるが,先生のこの本を素晴らしいものにしたいという思いと教育への情熱がなければ,ここまで至る事はできなかった.執筆の過程を通じて温かくご支援くださったことに感謝の限りである.そして,なかなか完成しない原稿を辛抱強くお待ちくださり,無理難題を聞き入れてくださった三輪書店の佐々木理智さん,本書に関わる機会をくださった青山智社長にも深くお礼申し上げたい.


2014年1月 小林美和子(カンボジアにて)

目次

基礎編

基礎 1 それは本当に感染症?

感染症を疑った時のアプローチ

基礎 2 相手がわかれば対策も立てやすい!

グラム染色とその意義

1.グラム染色の有用性

2.検査検体について-よい検体とはどのような検体か

3.標本の作成

4.グラム染色の手順

5.グラム染色の評価-そのチェックポイントとは?

6.実際のグラム染色標本とその評価

基礎 3 わからない相手をわかるようにするには?

培養検査とその意義

1.培養検査における一般的注意点

2.血液培養

3.喀痰培養

4.尿培養

5.便,腸管洗浄液培養

6.腹水,胸水,深部膿瘍からの穿刺液

7.髄液

8.中心静脈カテーテルなどの先端部培養

9.胃液

10.咽頭粘液など,スワブで採取する検体

基礎 4 より深く相手を理解する

各種細菌の基礎知識

基礎 5 手に持っている武器はどんな武器?

抗菌薬の基礎知識


臨床編

臨床 1 戦う相手をよく知ろう!

各感染症への基本的アプローチ

臨床 2 熱が下がらない......?

そんな時にはこう考える!

臨床 3 よりよい抗菌薬の選択のために

感受性試験の解釈

1.その菌は本当に起炎菌?

2.「感受性:susceptible」とある抗菌薬はどれを選んでもいい?

臨床 4 それって本当にアレルギー?

抗菌薬アレルギーへの対処

1.それって本当にアレルギー?

2.「ペニシリンアレルギー」といわれたら,βラクタム系薬はすべてダメなの?

3.患者は「ペニシリンアレルギー」と言っているけど,はっきりしないんだよねぇ...

4.これが疑われたら即薬剤を中止して専門医をコール!Stevens-Johnson症候群(SJS)とTEN

臨床 5 多けりゃいい?,というものではない

抗菌薬併用療法の意義

1.想定される起炎菌を単独でカバーできない場合

2.異なる作用機序を組み合わせて抗菌効果の増強(相乗・相加効果)を狙う場合

3.菌の耐性化を防ぐ目的

4.抗菌薬併用の欠点

臨床 6 過ぎたるは及ばざるがごとし

抗菌薬の調整が必要な時(腎機能障害時)とは?

1.腎機能による投与量の変更が必要ない抗菌薬

2.腎機能による投与量の調整方法

3.腎機能の評価

4.血中濃度を測定し投与量を調整する抗菌薬


応用編

応用 1 HIV,これだけは理解する

疑った時にどうするか?

1.HIV(ヒト免疫不全ウイルス)とは?

2.HIVの感染経路

3.HIVをモニターするパラメーター

4.HIV感染を疑う時

5.HIV診断の方法

6.HIVの診断がついた時のアプローチ

7.HIV既感染者を診た際のアプローチ

8.抗HIV薬の治療を開始する時

9.抗HIV薬 超!!入門編

応用 2 こんな時にはご用心!

特殊な状況(妊婦・授乳婦)での抗菌薬投与での注意点

1.妊婦に対する抗菌薬

2.授乳中の抗菌薬

応用 3 ステロイドってダメでしょ?

感染症治療にステロイドを使う時

1.副腎皮質ステロイドを使用する感染症

2.生物学的製剤の使用で注意すべき感染症

応用 4 感染症は世界を駆ける

トラベルメディスン入門

1.渡航前の準備

2.ワクチン

 ①ワクチンの種類

 ②ワクチンの投与間隔

 ③途上国の渡航時に接種が必要となる代表的なワクチン
(1)黄熱病
(2)A型肝炎
(3)B型肝炎
(4)狂犬病
(5)破傷風
(6)日本脳炎
(7)急性灰白髄炎(ポリオ)
(8)腸チフス
(9)髄膜炎菌

3.マラリアの予防

 ①マラリアの基本

 ②虫刺されを防ぐ

 ③マラリア予防内服の適応

 ④マラリア流行地域と耐性の関係

 ⑤マラリア予防内服に用いられる薬

4.旅行者下痢症

 ①主な原因

 ②渡航前の注意事項

 ③旅行者下痢症への対応策

5.旅行者の帰国後の発熱

 ①主な原因

 ②発熱者へのアプローチ

コラム

contamination(汚染)とは?

colonization(コロニー形成)とは?

"Treat the patient! Not the numbers"~電子カルテの落とし穴~

グラム染色以外の特殊染色

PRSP,PISP(ペニシリン耐性肺炎球菌)

脾臓摘出後の患者

Dテスト

VRE(バイコマイシン耐性腸球菌)

VRSA(バイコマイシン耐性黄色ブドウ球菌)

ESBL(Extended-spectrumβ-lactamase)

SPACEとは?誘導性染色体型AmpCを持つ細菌たち

BLNAR(βラクタマーゼ非産生性アンピシリン耐性インフルエンザ菌)

抗菌薬が効かない!カルバペネマーゼとは?

歩く肺炎?! Walking pneumoniaとは?

潜在性結核の検査~ツベルクリン反応とQFT検査

Germ Tube Test(ジャームチューブテスト;発芽管形試験)

真菌感染におけるアムホテリシンB(AMPH-B)とフルコナゾール(FLCZ)およびミカファンギン(MCFG)の感受性の違いについて

経口薬を選ぶときのポイント

横隔膜下の嫌気性菌とは?

シナジー効果とは?

MICとMBCの関係性

皮内反応の意義とは

脱感作とは

HIV-2って何?!

CD4数と日和見感染症の予防

NRTIとミトコンドリア障害

肝酵素P450と薬剤相互作用って?

忘れた頃にやってくる-播種性糞線虫症

渡航先の情報を入手する

ORS(oral rehydration solution:経口補水液)の作り方

感染症と潜伏期間の関係


付表1 腎機能障害時の抗菌薬投与量

付表2 届出の対象となる感染症の種類

付録3 グラム染色による抗菌薬の選択法

付録4 ジェネリック医薬品リスト

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書籍情報

  • ISBN:9784895904629
  • ページ数:440頁
  • 書籍発行日:2014年2月
  • 電子版発売日:2014年4月11日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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特記事項

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