整形外科診療のためのガイドライン活用術

  • ページ数 : 240頁
  • 書籍発行日 : 2019年8月
  • 電子版発売日 : 2020年5月13日
13,200
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内容

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体幹・上肢・下肢の外傷・障害,骨粗鬆症,関節リウマチ,軟部腫瘍など,整形外科で扱う領域を幅広くカバーし,標準治療を行うためのガイドライン活用法を各領域の第一人者が指南.
国内のガイドラインが策定されていない領域は海外のガイドラインや臨床研究などを踏まえ,最新のコンセンサスを解説.
保存療法・手術療法を交えて典型例,難治例で紹介するとともに,患者説明のポイントも提示,整形外科医必携のガイド.

序文

以前エビデンス・ベースト・メディシン(EBM)がもてはやされた時代がありました.それに対して,臨床の現場ではエビデンスに基づく最良で標準化された診療を患者に提供することは必ずしも簡単でないとの批判がおきました.エビデンスにこだわると個々の患者に対してはかえって「冷たい」医療となりかねず,エビデンスに加えてナラティブであることも必要とされました.

同時に,薬剤を中心とした内科的な治療と異なり,整形外科では手術や理学療法などが多く,ランダム化比較試験(RCT)は困難で,レベルの高いエビデンスが確立できないという問題点も指摘されました.そのため,従来の整形外科ガイドラインではエビデンスレベルが弱いか,どちらともいえないという回答しかないクリニカル・クエスチョンが多く見られました.

一方,医療事故防止や患者安全確保の立場からみれば,医療の標準化は重要な視点です.結果的に最近は,RCT によらない,複数の論文を集めて解析するメタ分析やエキスパート・オピニオンも加味された,新たな診療ガイドラインが次々と発表されるようになりました.

本書では,具体的な症例に対してこうした考えのもとに改訂されつつあるガイドラインを,実際どのように適用するのかを示すようにしました.整形外科領域の主な疾患に関連するガイドラインの内容をコンパクトに紹介するとともに,とくにガイドラインに沿った診断治療ができる典型的症例について手術治療とともに保存治療を提示し,外来診療にも役立つよう心掛けました.それとともに,ガイドラインを逸脱するような非典型的な症例についても触れることで,現状での問題点,将来への課題にも言及しました.さらに,神経内科や血管外科などの整形外科の関連領域のガイドラインについても,整形外科医師に向けてポイントを概説していただきました.ガイドラインがまだ策定されていない領域では,筆者のエキスパート・オピニオンに基づいて,現状でのコンセンサスについて解説していただきました.

本書により,ガイドラインがさらに効率的・立体的に活用され,読者の日常診療がより良いものになることを期待してやみません.


2019年7月

編者 大川 淳
平田 仁

目次

第1章 脊椎・脊髄の疾患・外傷

頚椎症性脊髄症

頚椎後縦靱帯骨化症

腰痛

腰部脊柱管狭窄症

腰椎椎間板ヘルニア

強直性脊椎炎

骨粗鬆症性椎体骨折

成人脊柱変形

筋萎縮性側索硬化症

第2章 上肢の疾患・外傷

上腕近位部外傷-鎖骨骨折,肩鎖関節脱臼,上腕骨近位端骨折

肩関節周囲障害

上腕骨外側上顆炎

肘関節不安定症(骨折・脱臼を伴う肘複合不安定症)

橈骨遠位端骨折

尺側手関節痛

手根不安定症

手の変形性関節症

外傷性スワンネック,ボタンホール変形

上肢絞扼性神経障害

橈骨神経障害

第3章 下肢の疾患・外傷

変形性股関節症

小児股関節疾患

大腿骨頚部/転子部骨折

膝前十字靱帯損傷

変形性膝関節症

半月板損傷

アキレス腱断裂

足関節外傷

外反母趾

ロコモティブシンドローム

下肢血行障害-末梢動脈疾患と閉塞性静脈疾患

下肢神経障害

第4章 腫瘍

軟部腫瘍

骨転移

骨腫瘍-骨肉腫・Ewing肉腫・骨嚢腫・線維性骨異形成

第5章 炎症・代謝性疾患

骨粗鬆症

関節リウマチ

高尿酸血症・痛風

第6章 リスク管理

疼痛管理

線維筋痛症

術後感染予防

症候性静脈血栓塞栓症の予防

輸血

高齢者の薬物療法

妊産婦・授乳婦への投薬

医療放射線被曝


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書籍情報

  • ISBN:9784521747743
  • ページ数:240頁
  • 書籍発行日:2019年8月
  • 電子版発売日:2020年5月13日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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