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医学のあゆみ272巻9号 オートファジー~分子機構・生物学的意義・疾患との関わり

  • ページ数 : 272頁
  • 書籍発行日 : 2020年2月
  • 電子版発売日 : 2021年2月10日
6,490
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商品情報

内容

オートファジー――分子機構・生物学的意義・疾患との関わり
企画:水島 昇(東京大学大学院医学系研究科分子細胞生物学専攻分子生物学分野)

・オートファジーとは,細胞質成分をリソソームで分解する細胞機能と一般に定義される.なかでもマクロオートファジーとよばれる,オートファゴソームを利用した経路が最もよく知られており,研究されてきた.
・また,マクロオートファジーだけではなくミクロオートファジー,膜透過型オートファジー,クリノファジーに代表されるその他のオートファジーについてもさまざまなエビデンスが得られてきた.
・本特集は,ここ数年の最新トピックスを中心にしつつも,オートファジー研究分野の基礎から臨床までを俯瞰できるように構成した.分野内だけではなく,分野外の研究者にとっても有用なものとなれば幸いである.

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序文

はじめに

オートファジーとは,細胞質成分をリソソームで分解する細胞機能と一般に定義される.複数のタイプがあるが,マクロオートファジーとよばれる,オートファゴソームを利用した経路が最もよく知られており,そして最もよく研究されてきた.しかし,マクロオートファジーの分子メカニズムの本質的な部分が見えてきたのは最近である.オートファゴソームへの膜供給,オートファジーの選択性,オートファジーの複雑な膜動態などの分子基盤の実態がやっと説明できるようになってきた.一方で,オートファジーの多様性も一段と認識されるようになった.マクロオートファジーがさまざまな基質を認識できることが明らかになり,その認識に関わるアダプター分子も多数同定されている.また,マクロオートファジーだけではなくミクロオートファジー,膜透過型オートファジー,クリノファジーに代表されるその他のオートファジーについてもさまざまなエビデンスが得られてきた.いうまでもないが,これらの展開には最新の形態学や質量分析などが大きく貢献している.

オートファジーの基礎的機能の理解は,いよいよ疾患の理解や制御へと結びつこうとしている.実際,ヒト疾患でオートファジー関連遺伝子の変異が同定され,オートファジー関連制御薬の臨床試験が海外でははじまっている.しかし,ヒトでオートファジーをどのように測定するかなど,まだ多くの課題も残っている.今後のさらなる展開が必要とされる.

2016年の大隅博士のノーベル賞受賞以降も,オートファジー研究の勢いはとまらない.それは日本だけの動向ではなく,むしろ海外で顕著である.関連論文の出版数で議論されることが多いが,飛躍的に増加しているオートファジー分野の論文のほとんどは実は海外からである.日本は今でもオートファジー研究の中心にあって,高い質の研究成果を発信し続けているが,より多くの研究者が他分野から参入することで一段とはずみがつくはずである.本特集は,ここ数年の最新トピックスを中心にしつつも,オートファジー研究分野の基礎から臨床までを俯瞰できるように構成したつもりである.分野内だけではなく,分野外の研究者にとっても有用なものとなれば幸いである.


水 島   昇
Noboru MIZUSHIMA
東京大学大学院医学系研究科分子細胞生物学専攻分子生物学分野

目次

マクロオートファジーの基礎

オートファジー関連因子のoverview……山本林

オートファジーの誘導①:アミノ酸によるオートファジーの制御……野田健司

オートファジーの誘導②:選択的基質による制御……神吉智丈

オートファゴソーム膜の供給①:小胞体関連構造を介した隔離膜形成……荒井律子・和栗聡

オートファゴソーム膜の供給②:小胞……小谷哲也・中戸川仁

オートファゴソーム膜の供給③:蛋白質依存的な隔離膜への脂質供給機構……大澤拓生

オートファジー関連因子の非オートファジー機能……森下英晃

隔離膜分裂による二重膜小胞“オートファゴソーム”の完成……高橋良徳

オートファジーの最後期過程――オートリソソームからリソソームの再生……中村毅・藤田尚信

オートファゴソーム形成の物理モデル……境祐二・本田郁子

オートファジーと液-液相分離……藤岡優子

選択的オートファジーの構造生物学的基盤……野田展生

ユビキチン介在性選択的オートファジー……一村義信・小松雅明

■オートファジーの生理機能のoverview……久万亜紀子

オートファジーと脂肪滴の関わり……小笠原裕太・他

オートファジーと核酸・イオン代謝……堀江朋子

マイトファジーの分子機構と生理的意義……大西真駿・岡本浩二

オートファジーによる父性ミトコンドリアの選択的分解……佐藤美由紀

小胞体分解 いつ? どこで? どうやって?……千野遥

ゼノファジーの分子機構……森田英嗣

リソファジーの分子機構と意義……濱﨑万穂・吉森保

寄生性原虫のオートファジー……津久井久美子

オートファジーと細胞死……清水重臣

その他のオートファジー

ミクロオートファジー研究の課題……奥公秀・阪井康能

RNautophagyとDNautophagy……株田智弘

クリノファジー――分泌顆粒とリソソーム膜の膜融合……板倉英祐

LAP (LC3-associated phagocytosis)――オートファジー因子が関与する特殊なファゴサイトーシス……吉井紗織

オートファジーと疾患

オートファジーと神経変性疾患――パーキンソン病・SENDAを中心に……斉木臣二

オートファジーと神経変性疾患――筋萎縮性側索硬化症(ALS)と前頭側頭型認知症(FTD)を中心として……秦野伸二

オートファジーとがん……一村義信・小松雅明

オートファジーと代謝性疾患・腎疾患……山原真子・他

オートファジーと膵β細胞……西田友哉・綿田裕孝

オートファジーと心疾患……佐渡島純一

肝疾患の病態形成に関与するオートファジー……疋田隼人・竹原徹郎

オートファジーと炎症性腸疾患……大島茂

オートファジーと寿命延長……中村修平・吉森保

オートファジーの先端技術

三次元電子顕微鏡法……小池正人

オートファジー研究におけるプロテオミクス……栗川義峻

飢餓代謝におけるオートファジーの役割の解明へむけて――メタボローム解析によるアプローチ……杉浦悠毅・小松雅明

マクロオートファジーの化合物による制御――創薬をめざして……高橋大輝・有本博一

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書籍情報

  • ISBN:9784006027209
  • ページ数:272頁
  • 書籍発行日:2020年2月
  • 電子版発売日:2021年2月10日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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