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Medical Practice 2021年3月号(38巻3号)膠原病~分子標的薬による膠原病治療から病態の解明へ

  • ページ数 : 168頁
  • 書籍発行日 : 2021年3月
  • 電子版発売日 : 2021年5月7日
2,860
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商品情報

内容

膠原病~分子標的薬による膠原病治療から病態の解明へ

特集テーマは「膠原病~分子標的薬による膠原病治療から病態の解明へ」.記事として,[座談会]膠原病治療の進歩─日常診療にどのように取り入れていくべきか─ [この症例から何を学ぶか]SLEの難治性胸水の1例,[One Point Advice]危険な咽頭痛,[今月の話題]心不全に対する新規薬の臨床試験,[知っておきたいこと ア・ラ・カルト]二次性心筋症,[心電図のコツと落とし穴]急性冠症候群を疑ったら専門医へコンサルトを 他を掲載.
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序文

今月のテーマ
膠原病~分子標的薬による膠原病治療から病態の解明へ


膠原病の治療戦略は,筆者が学生の頃にはステロイド程度しか強い効果を示す薬剤がなく,それをゆっくりテーパーする悠長なもの,という印象があった.しかし各種の免疫抑制薬が次々に導入され,ステロイドの投与量,ひいては副作用を大きく軽減できるようになった.特に関節リウマチの領域ではメトトレキサートの導入に続いて2000年代には生物学的製剤が実用化され,パラダイムシフトと呼ばれるほどのめざましい予後の改善が認められた.最近では経口薬であるJanus kinase (JAK)阻害薬が相次いで認可されている.関節リウマチ以外の膠原病・膠原病類縁疾患における生物学的製剤の導入は遅れをとっていたが,いつの間にかさまざまな疾患に対して各種生物学的製剤が使えるようになっている.生物学的製剤やJAK 阻害薬の特徴は,分子標的薬であるためその作用メカニズムが明確なことである.G. Schettが2013 年の総説(Nat Med 19:822-824, 2013)でわかりやすく示したように,ある分子標的薬が効果を示す疾患群には共通点があると考えられるため,その効果から疾患を分類し直すことが可能になっている.膠原病・類縁疾患は発症メカニズムがいまだに明らかになっていないが,分子標的薬が示す効果はそのメカニズムに切り込むための有力な手がかりを提供しているといえよう.膠原病学はますますエキサイティングな時代を迎えている.

一方,最近実用化された薬剤の多くは強い免疫抑制作用を示す.したがって副作用には十分注意しなくてはならない.ここで重要な鍵となりえるのは病診連携である.大学病院から遠く離れた地域に住む患者を頻回に受診させることは患者にとっても負担になる.普段は近医でフォローし,定期的に大学病院も受診してもらう,また何かあった時にはすぐに紹介してもらう,といったシステムが構築可能であるか,その場合問題になるのはどのようなことか.本特集号ではこのような点も明確にできればと考えている.


佐藤浩二郎
自治医科大学内科学講座アレルギー膠原病学部門

目次

【特集】

〈扉〉佐藤浩二郎

〈座談会〉

 膠原病治療の進歩─日常診療にどのように取り入れていくべきか─/出席者:小池和彦・佐藤浩二郎・山口晃弘・奈良浩之

〈総説/実地医家のためのわかりやすい膠原病診療のオーバービュー〉

 全身性強皮症/桑名正隆

 全身性エリテマトーデス(SLE)/須田万勢ほか

 ANCA関連血管炎/駒形嘉紀

〈セミナー/実地医家が知っておくべき膠原病の基礎知識〉

 膠原病スクリーニングとしての自己抗体検査の進め方/藤井隆夫

 膠原病・類縁疾患における病診連携のポイント/山口晃弘

 膠原病・類縁疾患の皮膚病変の特徴/藤本 学

 膠原病関連肺高血圧症の診断と管理/釜田康行

 ベーチェット病の発症メカニズム/冨塚崇史ほか

 シェーグレン症候群の病態と管理/松本 功

 抗リン脂質抗体症候群の病態と管理/保田晋助

 高安動脈炎・巨細胞性動脈炎の異同─リウマチ性多発筋痛症との関連─/吉藤 元ほか

 結節性多発動脈炎の診断と治療方針/花岡洋成

 免疫チェックポイント阻害薬と自己免疫疾患/川畑仁人

〈トピックス〉

 膠原病の免疫フェノタイピングと免疫細胞プロファイリング/永渕泰雄

〈治療/予後改善を目指した治療の進め方〉

 臨床的無筋症性皮膚筋炎の治療/倉沢和宏

 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の治療/中山洋一ほか

 成人スチル病の病態と治療/三村俊英

 IgG4関連疾患の治療/高橋裕樹ほか

 脊椎関節炎の治療/岸本暢将

 膠原病・類縁疾患における感染症のマネージメント/落合萌子ほか

〈この症例から何を学ぶか〉

 SLEの難治性胸水の1例/島 菜月

〈Self-assessment test〉

【連載】

〈One Point Advice〉

 「誤解されている」脳梗塞/板橋 亮

 高血圧患者の外来診察─たまにはお腹を触ってみよう─/大門雅夫

 蕁麻疹診療のワンポイントアドバイス/森田栄伸

 コルヒチン経口投与の心血管イベント抑制効果/森田啓行

 オンライン化と五感/山岡邦宏

 アルカリフォスファターゼ(ALP)/松浦文三

 危険な咽頭痛/枝國信貴

 脂肪肝およびNAFLDに起因する肝臓癌のスクリーニング対策は?/徳重克年

〈今月の話題〉

 心不全に対する新規薬の臨床試験(VICTORIA試験)/沼田玄理ほか

〈知っておきたいこと ア・ラ・カルト〉

 二次性心筋症/網谷英介

〈心電図のコツと落とし穴(第12回)〉

 急性冠症候群を疑ったら専門医へコンサルトを/小菅雅美

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書籍情報

  • ISBN:9784011303803
  • ページ数:168頁
  • 書籍発行日:2021年3月
  • 電子版発売日:2021年5月7日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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