脳神経外科手術 私のアプローチ

  • ページ数 : 288頁
  • 書籍発行日 : 2021年3月
  • 電子版発売日 : 2021年3月3日
13,200
(税込)
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内容

選び抜かれた手術例がエキスパートの理念を伝える

脳神経外科手術への考え方や体制には変化が生じたものの,手段は異なっても病巣へのアプローチには共通した認識が存在する.本書では,著者自身によるイラストレーションにより,選び抜かれた手術例をリアルに再現.経験に裏打ちされたテクニックと病巣へのアプローチの極意が浮かびあがる.

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序文

はじめに


2007年から2年にわたり中外医学社の「Clinical Neuroscience」の連載で脳動脈瘤の経験記を綴りました.この連載は,私自身の臨床医としての心技の歴史であり,数多くの諸兄と後輩に参考にして頂ければと考えまとめました.これをもとに,私の経験した脳神経外科のあらゆるジャンルの手術記を上梓しようと決心し,この本を書き始めました.一脳外科医として,臨床現場で実際経験した手術を自身の記憶に留めるだけではなく描画を通じて記録に残したいと考えました.そこで手術を中心にした内容で脳神経外科の各分野を私好みのタッチで表現させて頂きました.このように気ままなスタイルで編集し始めたことから,書き上げるまでにかなりの年月を費やしてしまいました.この間に,血管内手術が脳動脈瘤の治療を席巻するようになり,頭蓋底手術では内視鏡技術が広く応用されるようになりました.10年余りで脳神経外科の手術への考え方と体制に大きな変化が生じましたが,手段は異なっても病巣へのアプローチには共通した認識が存在すると信じています.このような意味からも私自身の経験をまとめる意義があると思い,この本を仕上げました.僭越ながら,書名を『脳神経外科手術 私のアプローチ』としました.

これまで手術を中心に詳解する教科書は数多くありますが,日本発信のもので概ね単一の著者が統一された哲学で綴ったものは見当たりません.本書は,脳卒中外科および脳腫瘍外科を中心にまとめました.私が,種々の観点から苦労した症例を中心に以下のようなスタイルで仕上げました.そのため入手可能な限り脳血管撮影,MRI画像,CT画像,手術中の画像を提示しようと努力しました.やむなく手術記載から復元することになった部分に関してはご容赦頂きたいと思います.

構成としては,大項目として脳動脈瘤,脳動静脈奇形,脳血管腫,髄膜腫,神経鞘腫,脳室内腫瘍,小脳血管芽腫,頭蓋頚移行部疾患,脊髄腫瘍,小児疾患に区分けし,さらに中項目に分類し最終的に症例を基にした解説となっています.

各々に(1)大・中項目における一般的な理解,(2)症例の紹介,(3)手術の企画と手術後の経過に対する私の考えを加えて解説しました.(4)特に重要と感じている箇所には,重要なポイントとして整理しました.

症例の中には,難度が高い,あるいは注意を喚起させるものが多くあり,特別に長期にわたり経過観察した症例も含まれています.脳神経外科医として約40年の私の経験が,幅広い世代の脳神経外科医のお役に立てれば幸いと考えています.


2021年2月

松居 徹

目次

第Ⅰ章 脳動脈瘤

1 .テント上未破裂動脈瘤

 1 手術適応への一般論と著者の考え方

 2 基本的な動脈瘤手術への標準的な考え方―テント上の脳動脈瘤

 3 各論

  ❶ 眼動脈分岐部動脈瘤

  ❷ 後交通動脈分岐部動脈瘤

  ❸ 前脈絡叢動脈分岐部動脈瘤

  ❹ 前交通動脈瘤

  ❺ 中大脳動脈瘤

2 .テント上破裂脳動脈瘤

 1 一般論

 2 各論(特に内頚動脈瘤)

3 .テント下脳動脈瘤

 1 一般論

 2 各論

  ❶ 脳底動脈上小脳動脈分岐部動脈瘤  

  ❷ 脳底動脈先端部動脈瘤  

  ❸ 脳底動脈本幹部動脈瘤

  ❹ 椎骨動脈瘤  

  ❺ 上小脳動脈瘤  

  ❻ 後大脳動脈瘤  

第Ⅱ章 脳血管奇形

1 .発生学的にみた脳の血管構築

2 .脳血管奇形とは何か?

 1 Capillary telangiectasias

 2 Cavernous angiomas

 3 Venous and arteriovenous malformation(VM and AVM)

  ❶ VM(静脈血管腫)  

  ❷ AVM  

3 .各 論

 1 AVM

  ❶ 臨床的な観点から見たAVM の分類  

  ❷ AVM の治療戦略  

  ❸ AVM 外科手術をする際の技術的な治療戦略  

  ❹ Location によるAVM の分類  

  ❺ SM 分類と症例と治療経験  

  ❻ 特殊なAVM 症例  

 2 海綿状血管腫

  ❶ 一般論

  ❷ 各論

第Ⅲ章 髄膜腫

 1 一般論

 2 各論

  ❶ Convexity type 髄膜腫  

  ❷ Falx type 髄膜腫  

  ❸ Parasagittal type 髄膜腫  

  ❹ 静脈洞交会(confluence of sinus)から横静脈洞,S状静脈洞周辺髄膜腫  

  ❺ 脳室内髄膜腫  

  ❻ 前頭蓋底髄膜腫  

  ❼ 中頭蓋窩髄膜腫  

  ❽ 後頭蓋窩髄膜腫  

  ❾ 頭蓋頚移行部髄膜腫  

第Ⅳ章 神経鞘腫

1 .聴神経腫瘍

 1 一般論

 2 基本的な手術手技(Koos Ⅲ,Ⅳの場合)

 3 各論

2 .三叉神経鞘腫

 1 一般論

 2 各論

3 .滑車神経鞘腫

 1 一般論

 2 各論

4 .下位脳神経神経鞘腫

 1 一般論

 2 各論

第Ⅴ章 脳室内腫瘍

1 .第四脳室腫瘍

 1 一般論

  ❶ 第四脳室の基本的な手術指針のまとめ  

 2 各論

  ❶ 上衣腫(ependymoma),異形成上衣腫(anaplastic ependymoma)  

  ❷ Medulloblastoma  

2 .第三脳室腫瘍

 1 一般論

 2 各論

  ❶ 松果体腫瘍  

  ❷ Ependymoma  

  ❸ 頭蓋咽頭腫  

第Ⅵ章 小脳血管芽腫

 1 一般論

 2 各論

第Ⅶ章 頭蓋頚移行部の希少疾患

 1 一般論

 2 手術アプローチ

  ❶ 体位と皮膚切開

  ❷ キャダバーによる解説  

 3 各論

第Ⅷ章 脊髄腫瘍

 1 一般論

 2 各論1.硬膜内髄外腫瘍:神経鞘腫

 3 各論2.髄内腫瘍

第Ⅸ章 小児疾患

 1 Reduction cranioplasty

 2 奇形

 3 小児脳腫瘍

  ❶ テント上  

  ❷ テント下  

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書籍情報

  • ISBN:9784498328648
  • ページ数:288頁
  • 書籍発行日:2021年3月
  • 電子版発売日:2021年3月3日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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