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- 一気に上級者になるための麻酔科医のテクニック 第3版
商品情報
内容
麻酔関連手技の基本から応用まで、実践的理論で必ず上達できる「四維式メソッド」!
麻酔関連を中心としたベッドサイドで必要とされる手技を絶対不可欠な14の章に分け、習得に数年はかかるとされるテクニックの数々を短期間で身につけられるようにまとめている。
第3版では、新章として超音波ガイド下穿刺を独立させて詳述し、他章でも常に進化を続ける四維式メソッドをもとにした新しいテクニックや理論を追加した。
自分のテクニックを築くために、自分のテクニックを磨くために、ぜひ本書を手にされたい。
初版から12年以上にわたり支持されている研修医・麻酔科医の定番書。
※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
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序文
第3版の序
初版から12年が経ち,麻酔科領域の医療もだいぶ進歩しました.これまで多くの読者の方々から,本書がお役に立ったとうかがうことができ,たいへんうれしく思っています.
やさしい症例というのはある程度慣れるとできるようになります.工夫もたいしていりません.しかし,症例には個体差があるので通り一辺倒のやり方でなんでもできるものでもありません.そして,難しい症例(特殊なまれなケースではなく,日常しばしば遭遇する上級者がやればできる程度のレベル)ができるようになるためには,多くの経験と長い年月が必要です.医療現場では時間など様々な制約があるため,上級医が教える内容はごく限られたものになります.筆者は特に器用ではありませんので,どうしたら成功するのか,なぜ失敗するのかを様々な方の話をうかがい,勉強し,徹底的に考えました.そして,誰がやっても再現性のある理論に基づいた確実な方法を目指し,本書を執筆しました.
第3版では新たに気がついたことをもとにブラッシュアップ,加筆を行いました.また,近年,様々な場面で使われるようになった超音波ガイド下穿刺のテクニックについて詳述しました.
本書は内容が濃いため,1回読んだだけではなかなか頭には入らないと思います.失敗するたびにそのイメージが消えないうちになるべく早く本書を読み返してください.そして,失敗の原因と対策を把握してください.経験値は1 回ごとに上がり,技術力は1回ごとにレベルアップするでしょう.
2008年から皆さんの理解を助けるために関連動画をYouTubeにアップしてきました.総再生回数は170万回を超え,それなりに意義のある内容であったと思います.しかし,2019年9月のYouTube のポリシーの変更に伴い,残念ながら動画を配信できなくなりました.針を刺す場面が一般には有害であると認識されたようです.いくつか選択肢はありましたが,本書を読んでいただくだけで内容は十分理解していただけると判断し,そのまま動画配信停止とすることにしました.
本書は筆者の方法や考えを述べたものであり,反対意見や,よりよい方法もあると思います.みなさんには多くの考え方に接してもらい,取捨選択していただければと思います.
実際に行う操作は赤字で記し,強調したいところは黒太字で記しました.あなたが指導する立場なら,赤字で記された内容を明確に指示するとうまく指導できるのではないかと思います.
みなさんの技術力の向上のお役に立てれば幸いです.
2020年12月
森山記念病院麻酔科
四維東州
目次
推薦のことば
第3版の序
Chapter 1 経鼻エアウェイ挿入
Chapter 2 末梢静脈ライン確保
1 基本
2 いろいろな状況におけるテクニックと考察
a 血管がもろく,浮いている場合
b 血管がもろそうで皮膚の表面に浮いてこない場合
c 静脈が逃げる場合
d 血管にアプローチするときの角度
e 表面に浮いておらず,ある程度血管が硬い場合
f 蛇行あるいは分岐して先当たりしてしまうときにカテーテルを進める方法
g 静脈弁のために失敗する場合がある
h 幼児の場合
i 静脈留置針を180°回転させる方法
j 腕に筋肉があって,中枢に向かって急に太くなるところに血管がある場合
k むくんでいる場合
l 針の持ち方
Chapter 3 橈骨動脈ライン確保
1 一般的,基本的な流れ
2 真髄
a 水平面における血管の走行の把握
b 垂直面における血管の走行の把握
c どこを皮膚上の刺入点とするか
d 血管に当たらない理由
e 内針に血液の逆流があり,カテーテルが血管内に入るまで針を進めようとしても,針先が血管壁に当たって血液の逆流がなくなってしまうとき
f 血管内にカテーテルの先端が入ったが,カテーテルを進めるのが困難なとき
g fへの対処
h 血管貫通法
i 手の背屈はどの程度か
j 垂直方向において針を血管の走行に平行にする方法
k 針を180°回転させる方法
l jの方法とkの方法のどちらを選ぶか
m 動脈壁に当たったときの抵抗の変化を意識する
n 18G針で皮膚を切る
o 動脈と皮膚がカテーテルと一緒に動いてしまう
p ショックなどで脈が触れない場合
q 腕がむくんでいて動脈が深いところにあるとき
r 針の持ち方
s 固定の仕方
Chapter 4 超音波ガイド下穿刺
1 針の穿刺角度
2 プローブの操作方法
3 マーキングの方法
4 神経ブロックにおける平行法での針の描出
a 針とプローブの角度
b 針の深さ
c プローブの軸と針の軸の合わせ方
d 針の太さ
5 血管穿刺の際のプローブの持ち方
6 超音波ガイド下中心静脈穿刺
6‒1 超音波ガイド下内頸静脈穿刺(交差法)
a slidingで追尾法を行う
b tiltingで追尾法を行う
c ハイブリッドで行う追尾法
6‒2 超音波ガイド下内頸静脈穿刺(平行法)
a 内頸静脈を長軸で描出
b 穿刺
7 超音波ガイド下動脈穿刺
a 超音波ガイド下動脈穿刺の適応
b 交差法
c 平行法
d 平行法と交差法はどちらがよいか
8 超音波ガイド下末梢静脈ライン確保
9 神経ブロック各論
a 神経ブロックに使う針
b 腹横筋膜面(TAP)ブロック
c 腹直筋鞘ブロック
d 大腿神経ブロック
e 坐骨神経ブロック膝窩部アプローチ
f 腕神経叢ブロック鎖骨上アプローチ
g 腕神経叢ブロック斜角筋間アプローチ
h 腕神経叢ブロック腋窩アプローチ
i 前腕での尺骨神経ブロック,正中神経ブロックなど
j 外側大腿皮神経ブロック
10 fasciaリリース(筋膜リリース)
11 超音波機器を使わない内頸静脈穿刺
a 穿刺前
b 試し刺し
c 本穿刺
Chapter 5 マスク換気
Chapter 6 気管挿管
1 マッキントッシュ型喉頭鏡による挿管までの一連の流れ
a 頭部の傾きを直す
b 頭部を後屈する
c 開口
d 喉頭鏡の挿入から舌をよけるまで
e 舌の弯曲に喉頭鏡の角度を合わせる
f 喉頭蓋が見えるまで
g 喉頭蓋が見えてから
h さらによく見えるようにするために
i それでも見えないとき
j チューブの挿入
2 喉頭鏡の角度の変え方と力の入れ方
3 見えないときのテクニック①
4 見えないときのテクニック②
5 見えないときのテクニック③
6 見えないときのテクニック④
7 様々な操作の影響
a 喉頭鏡を持つ場所とはじめの枕の高さ
b 枕の高さと下顎,軟部組織
c 頸部後屈と下顎,軟部組織
d 枕の高さ,頭部後屈と軟部組織
e 開口と軟部組織
f 開口と頸部後屈
g 開口と下顎門歯
8 スタイレット
9 声門の入り口(仮声帯)は通過したのにすぐにつかえてしまう
10 声門がまったく見えないとき
11 ガムエラスティックブジー,オブチュレーターなどのガイド下で挿入する場合
12 エアウェイスコープ
a 基本
b 様々な工夫
13 マックグラス
14 キングヴィジョン
15 バイトブロックと挿管チューブの固定
16 その他
17 経鼻挿管
Chapter 7 肺分離換気
1 左気管支用チューブ
a 挿入中につかえて進まない
b 右気管支にチューブが入ってしまう
c 挿管中にどのくらいの深さまで進めればよいか
d 正しく入っているかの確認
e 初心者がファイバーを見て最も犯しやすいミス
f 側臥位にしてチューブの位置がずれる
2 右気管支用チューブ
3 ユニベントチューブ,気管支ブロッカー
4 その他
5 肺分離換気での呼吸設定
a ボリュームコントロールベンチレーションとプレッシャーコトロールベンチレーション
b 換気回数は多いほうがいいか少ないほうがいいか
c I:E比
d PEEP
e HPV(hypoxic pulmonary vasoconstriction)
f 薬剤
g ヘッドアップ
Chapter 8 声門上器具
1 ラリンゲルマスククラシックタイプの挿入
a 開発者の方法
b リバース法
2 ラリンゲルマスクプロシールの挿入
3 プロシールの際のストマックチューブ挿入
4 陽圧呼吸にするなら
5 ファストラック
6 ディスポーザブルタイプ
7 i‒gel
8 経口エアウェイ
Chapter 9 ストマックチューブ挿入
1 最初に試す方法
2 1の方法で通過しないとき
3 喉頭展開して入れる
4 胃食道接合部でつかえるとき
5 その他
Chapter 10 膀胱カテーテル挿入
Chapter 11 指輪の電メスへの対処
1 指輪を抜く方法
2 絶縁体を指と指輪の間に入れる
Chapter 12 スワンガンツカテーテル挿入
1 右内頸静脈から入れる場合
a 穿刺前に心得ておくこと
b 上大静脈から右心室に入るまで
c 右心室から肺動脈に入るまで
d ウェッジさせるまで
2 左内頸静脈から入れる場合
Chapter 13 脊椎麻酔
1 写真を見る
2 アプローチは臨機応変に
3 穿刺の流れ
4 骨に当たってしまった場合
5 電激痛
6 刺入速度
7 その他のうまくいかないとき
8 麻酔範囲の調節
a どこまで麻酔範囲が必要か
b どのように調節するか
Chapter 14 硬膜外カテーテル挿入
1 硬膜外カテーテル挿入部位
2 正中法と傍正中法
3 傍正中法:すばやくスムーズに
a 目指す椎間の棘突起間(皮膚上)に+印をつける
b 皮膚上の刺入点
c 椎弓に当て,その深さをマーキングする
d カテラン針を皮下までしっかり抜く
e 棘突起の根元を探す
f マーキングの調整
g 棘突起の根元より少し背側に当てる
h 棘突起の頭側縁を探す
i 棘突起間であることをさらに確かめる
j 棘突起の根元へ振っていく
k 探りにくいとき
l 硬膜外針での「マーキングの長さ」の確認
m 硬膜外針を椎弓に当てる
n マーキングする
o 棘突起の根元に当てる
p 椎弓間より気持ち尾側に向けて刺す
q loss of resistance
r loss of resistance を行い骨に当たってから椎弓間を探せ!
4 その他
a 脊椎麻酔で述べたようにアプローチは臨機応変に
b 下向きにカテーテルを入れる
c 棘突起が触れないような肥満に対して
d ありがちだが気がつかない難渋するパターン①
e ありがちだが気がつかない難渋するパターン②
5 最後に
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書籍情報
- ISBN:9784895907088
- ページ数:372頁
- 書籍発行日:2021年3月
- 電子版発売日:2021年3月17日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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