これだけ! DMAT丸わかり超ガイド

  • ページ数 : 260頁
  • 書籍発行日 : 2021年3月
  • 電子版発売日 : 2021年3月19日
5,720
(税込)
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商品情報

内容

ゴールのない災害医療に挑むために
常に変わり続ける災害医療に対応するために今学びたいDMAT関連研修の必携書!


必要なツール,ロジスティクス,避難所で起きていること,DMAT支援を受け入れる側の対応など,知っているようで知らないDMATの活動に必要な内容をエキスパートが解説.これからDMATを目指す人に嬉しい基礎編と,すでにDMAT隊員資格保有者のリマインドにも役立つ応用編,震災や台風による水害など実例の紹介で現場でどう動くかの実際がよくわかる1冊.

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序文

はじめに

災害医療分野が医療界において一般化したのは最近のことであり,非常に新しい分野であるといえよう.実際,現時点で医学部における医師育成の項目には入っておらず,辛うじて近年災害看護が看護師教育に入ったに過ぎない.つまり医療者の多くにとっては基本教育として災害医療は学んだことのない未知の世界なのである.こうした社会背景の中でDMAT(Disaster Medical Assistance Team:災害医療派遣チーム)の研修は我が国の災害医療教育の根幹をなしたと言っても過言ではない.DMAT隊員養成研修が2005年に始まってから月日が経過した.この研修の初期の内容と現在実施している内容は大きく異なっているということは特筆すべきことである.ではなぜそんなにも変わったのか? 新しくて生きた領域だからである.本書を執筆中にも次々に新しい災害が我が国を襲い,その都度反省に基づく学びを得てきた.災害医療にはおそらくゴールがない.当面は創意工夫に基づいて最良であると信じる対応策を講じ実践していくことにならざるを得ないのであろう.

こうした分野の特性として,教育すべき内容がどんどん大きく膨らんでいる事実がある.定期的に内容の精査と教育プログラムの見直しを行い,項目の新規追加以外に,削除,改変統合を行ってきた.しかし,教育内容が増加していることは事実である.こうした背景から,DMAT関連研修に参加される受講者の皆様から,理解が追いつかなかった,改めて内容を深めたい等のご意見を賜った.そこで研修の副読本として本書を執筆することにしたのである.本書はDMATとは何か少し知ってみたいという初学者の方やDMAT隊員養成研修に参加する方が使いやすいように基礎編を構成した.また,既にDMAT隊員であるが,新知見を習得したいと思われる方やDMAT技能維持研修の副読本として活用していただけるように応用編も構成した.

これからもどんどん改変されるDMAT教育に合わせて本書もバージョンアップすることを期待して,皆様に活用される書になると確信している.


2021年2月

神奈川県医療危機対策官
藤沢市民病院副院長
日本DMAT検討委員会委員
阿南 英明

目次

第1部 DMAT基礎編:これからDMATを学ぶ人へ

1.DMATとは何か? 災害とDMATの関係〈阿南英明〉

  1.総論

  2.DMATの構成メンバーと役割

  3.DMATに関連した各種研修と隊員資格

  4.DMATの派遣・出動

  5.化学(C)・生物(B)・放射線(R)・核(N)・爆発(E);CBRNE(NBC)災害対応

2.災害時対応の基本概念CSCATTT

 1)CSCA〈赤星昂己〉

  1.基本コンセプトのCSCATTTとは

  2.「Command and Control」

  3.「Safety」

  4.「Communication」

  5.「Assessment(評価)」

 2)TTT〈前澤翔太 山内 聡〉

  1.Triage(トリアージ)とトリアージ区分

  2.Treatment(治療)

  3.Transport(搬送)

3.情報共有・通信ツール

 1)情報共有の重要性と困難性〈澤畑良一〉

  1.通信手段の確保

  2.情報の収集

  3.情報の伝達

  4.情報の記録

  5.情報の共有

 2)情報ツール〔無線機(トランシーバー)・衛星携帯電話・EMIS〕〈藤原弘之〉

  1.無線機(トランシーバー)

  2.衛星携帯電話

  3.EMIS

4.局地災害と広域災害(種類や対応の差異について)〈中村光伸〉

  1.災害の分類

  2.局地災害と広域災害の定義

  3.局地災害現場のレイアウト

  4.局地災害で行うべきこと

  5.広域災害

5.DMATの組織:大規模災害時の組織〈近藤祐史〉

  1.DMATの組織的活動についての総論的コンセプト

  2.DMATの待機

  3.DMATの派遣

  4.本部の設置

  5.DMAT活動拠点本部

  6.DMAT都道府県調整本部

  7.航空搬送調整

  8.SCU

6.医療搬送〈本村友一〉

  1.医療搬送とは

  2.搬送様式

  3.搬送資源

  4.指揮・命令系統

  5.搬送調整

7.救護所・SCUの運営〈服部 潤〉

  1.救護所

  2.Staging Care Unit:SCU(航空搬送拠点臨時医療施設)

8.メンタルヘルス〈池田美樹 河嶌 讓〉

  1.災害時のメンタルヘルスの問題

  2.災害のメンタルヘルスケアにおける考え方

9.知っておくべきツール

 1)災害診療記録/J−SPEED〈高橋礼子 久保達彦〉

  1.災害診療記録

  2.J−SPEED診療日報

  3.災害診療記録・J−SPEED使用時の留意点

 2)DMAT標準資機材〈中嶋康広〉

  1.資機材の準備について

  2.DMATの活動に求められる物品

  3.主な活動の内容は他で述べているため,ここでは必要資機材にまつわる話をする

  4.資機材を多く持っていくが,できる処置には限りがあることを事前に知っておく

 3)ヘリコプター(特にドクターヘリについて)〈町田浩志〉

  1.被災地へのドクターヘリの参集方法

  2.被災地におけるドクターヘリ関連部門の体制

  3.ドクターヘリニーズへの対応

第2部 DMAT応用編:DMAT隊員がさらに身につけるべき知識と技能

1.国家的災害医療対策〈若井聡智〉

  1.我が国の災害医療体制

  2.南海トラフ地震に対する災害医療対策

  3.首都直下地震に対する災害医療対策

  4.千島海溝沿い地震について

  5.水害対策

2.統括DMAT〈佐藤栄一〉

  1.統括DMAT登録者と統括DMATとは

  2.災害時の統括DMAT登録者の活動

  3.統括DMAT研修と登録について

3.本部運営(CommandとControl)〈中島成隆〉

  1.DMAT活動の目的と目標

  2.DMAT本部運営に必要な6つの“R”

  3.立上げ

  4.本部活動開始「HeLP−DMAT(助けてDMAT)」

  5.本部活動中:「REMEMBER(忘れないで)」

  6.「戦略・作戦・戦術」

  7.DMAT本部の引継ぎと撤収:「THANK you」

4.DMATロジスティックチーム〈中田正明〉

  1.経緯

  2.定義

  3.人材育成

  4.DMATロジスティックチームの現状について

5.広域災害でDMATの活動を展開する際の考え方〈高橋栄治〉

  1.広域災害とは

  2.広域災害におけるDMAT活動の基本と主な活動内容

  3.広域災害におけるDMAT活動の特徴と注意点

6.支援を受ける立場で〈阿南英明〉

  1.被災病院の初期対応と自己評価

  2.外部から支援に来るDMAT

7.病院避難〈山内 聡〉

  1.病院避難とは

  2.災害時病院対応のフロー

  3.病院避難の判断

  4.建物倒壊の恐れの判断

  5.病院避難の調整

  6.搬送のポイント

  7.受援病院の初動機のCSCA

  8.病院避難支援行動のCSCA

  9.病院避難の課題

  10.病院避難の実例(石巻市立病院の例)

8.亜急性期から慢性期〈中森知毅〉

  1.急性期からの移行

  2.保健医療調整本部のあり方とDMAT隊員が担うべき役割

  3.保健医療調整本部で生じうる問題点と行政との関わり

9.避難所で起きていること〈小早川義貴〉

  1.避難所とは

  2.避難所の開設

  3.避難所での医療活動

  4.避難所で使用するツール

  5.避難所活動を行う際の心得

  6.避難所環境

10.連携するいろいろなチーム

 1)DPATの活動体制と現在の動向〈河嶌 讓 福生泰久〉

  1.DPATの派遣要請

  2.災害時におけるDPATの統括体制

  3.DPATの連携体制

  4.DPATの活動実績と現在の動向

 2)災害時小児周産期リエゾン〈岬 美穂〉

  1.災害時小児周産期リエゾンとは

  2.災害時小児周産期リエゾンが使う情報システム

第3部 実例に学ぶ

1.地震だけじゃない自然災害

 1)水害〈阿竹 茂〉

 2)土砂災害〈眞瀬智彦〉

 3)大規模停電〈水野浩利〉

2.人為災害都市型災害 多数傷病者事件・事故(川崎殺傷事件など)〈下澤信彦〉


  巻末資料

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書籍情報

  • ISBN:9784498166288
  • ページ数:260頁
  • 書籍発行日:2021年3月
  • 電子版発売日:2021年3月19日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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