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- こだわりのTLH エキスパートのTLHを知り,自分のTLHを作ろう
商品情報
内容
こんな手術書を待っていた! 手術の標準化・定型化の流れの中,こだわりのTLHを語る!「よりよいTLHを実現したい」という思いがあれば,自分の状況に適した方法で行うのがベスト.地方の若手医師,解剖研究者,ハイボリューム施設,ラパロなど15人の様々な視点・手術哲学からロールモデルを見つけよう.
全項目に実際の手技動画付きで,イメージを掴みあなただけのTLHを実現するために最適な1冊!
※本製品はPCでの閲覧も可能です。
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序文
はじめに
新潟大学産科婦人科学 磯部真倫
「こだわりのTLHの教科書を作ってみたい.」
2020 年TLHは,日本で行われる子宮全摘術の約50%を占めるようになった.筆者が研修医の頃はLAVH がやっとであり,TLHがこれまでに日本で普及されるとは思いもしなかった.解剖の理解,エナジーデバイスの進化,動画での勉強,教育ツールの開発,様々な要因があるであろう.研修医もがTLHを行う時代がやってきた.しかし,これほどまでにTLHを行う医師が増えたにもかかわらず,未だに標準化には程遠い.尿管を出す・出さない,使うエナジーデバイスの違い,子宮動脈結紮する・しない,施設による違い,専門による違い.日本産科婦人科内視鏡学会では「TLHの標準化」のセッションは何年も開催されているし,人気のセッションである.医師は標準化という言葉が好きである.これまで出版されてきた腹腔鏡の教科書は,標準化を目的としたものが多い.このようにした方がよいといった論調である.しかし,そもそも標準化は可能なのだろうか? 人にはそれぞれ置かれている状況は違うし,考え方も違う.人それぞれの思いで描かれるTLHに違いがあるのは普通ではないだろうか? 人それぞれに見える世界は違うのだ.
「こだわりのTLHの教科書を作ってみたい.」
そんな思いがこみ上げてきた.俺のTLH,私のTLH,それぞれのTLHがあるのではないだろうか? それぞれの違う立場の医師の視点でTLHを自由に描いてもらう.十人十色のTLHを自由に記載してもらう.もちろん他人の目や技術認定試験など気にしない.標準化ではなく,むしろ「属人的」な方向性とした.よって全国の選りすぐりの「こだわりのある」著者を選定した.若干「変人」も潜んでいるかもしれないが,ここでは「変人」はほめ言葉として扱う.
読者には,様々なTLHがあることを楽しんでいただければと思う.その上で,自分はどのTLHが好きか探してもらう.そして実践に生かしてほしい.そのままでなくてもよい,ハイブリッドでもよい.全く逆の道を進むのもよい.標準化の道を進むのもよい.自由な発想の楽しさを感じていただければ幸いである.そして,エキスパートのTLHを集めて,自分のTLHを作っていただきたい.
また,本書では「地方の若手医師から」と題して3 名のラパロスコピストを選んだ.これは,私のこだわりである.私も地方出身であるとともに,症例や教育体制など不利な条件もあるなか,しっかりと技術認定医を取得した「イチ押し」の若手ラパロスコピストである.地方にはロールモデルやメンターが不足している.ぜひ参考にしていただきたい.
今回著者に依頼したのは以下の内容である
① 自身のこだわりを箇条書きする.
② 自身の置かれた背景,自身のTLHに対する思いを書く.
③ TLHの記載については適応とか一般論を書くのではなく,自分のこだわりについて書く.手術の全体でもよいが,一部分だけにしぼって書くのもよい.技術認定医試験とか気にする必要はなく,自分のTLHについての哲学に徹底的にこだわる.
④ 今後のTLHはこうしたい.
⑤ 画像,図を多くする.
⑥ 動画はできれば音声入り10~20 分で.動画全体を流してもよいが,こだわりの部分を集中的に流してもよい.
⑦ ページの多数の増減は可能とした.
思う存分「こだわり抜いた」TLHとその哲学を楽しんでいただければ幸いである.
最後にこの本の出版にあたっては,中外医学社の上岡さんには多数の助言をいただいた.この場を借りて感謝したい.
目次
CHAPTER 1 地方の若手医師の立場から① [田村良介]
はじめに
術 前
手術術式
手術全体を通して
手術動画の振り返り
術 後
「私のTLH」のこれから
[それぞれのTLHコラム]未来のために,今,TLHが必要!
CHAPTER 2 地方の若手医師の立場から② [松川 淳]
はじめに
山形県の婦人科腹腔鏡下手術の現状とこれまでの道のり
TLHとは?
「私のTLH」とは?
まとめ―目指すTLHとは
[それぞれのTLHコラム]腹腔鏡下手術の上達のためにできること
CHAPTER 3 私が行ってきたTLH(地方の立場から) [小松宏彰]
私の背景
こだわり1: 誰でも簡単に再現性のある手順で
私の尿管同定方法を示す
こだわり2: 手術前後に必ず行うこと
こだわり3: 症例数を言い訳にしない
今後のTLHはこうしたい
[それぞれのTLHコラム]サマースクール実行委員から幹事までの道のり
CHAPTER 4 FUSE 有資格者の立場から [玉手雅人]
背景
本章の役割
TLHへの思い
こだわり1: デバイスの選択・組み合わせ
こだわり2: 展開ごとの動画
こだわり3: トラブルシューティング
こだわり4: 学習方法
今後のTLHはこうしたい
[それぞれのTLHコラム]TLHの思い出
CHAPTER 5 アイデアと工夫の立場から [竹中 慎]
自身の置かれた背景,自身のTLHに対する思い
TLHのこだわり
TLHの解説
今後のTLHはこうしたい
[それぞれのTLHコラム]手術の上手さってどのように決めますか?
CHAPTER 6 解剖の研究者の立場から「尿管を絶対切らないTLH」にこだわる [近澤研郎]
TLHと尿管損傷
TLHでどこまで腔を展開するか―手術の解剖教育,悪性教育を見据えて―
当科のTLH手順(子宮摘出まで)
[それぞれのTLHコラム]観の目,見の目を意識して教養を深め,学び続ける
CHAPTER 7 助手の立場から(助手力のTLH) [黒田 浩]
はじめに
当院のTLHのコンセプト
第1 助手のカメラワーク
第2 助手の子宮マニピュレーション
TLHでのパート別カメラワーク&子宮マニピュレーション
[それぞれのTLHコラム]手術見学のススメ~コロナ禍はWEB カンファで~
CHAPTER 8 婦人科腫瘍医の立場から [野村秀高]
背 景
手技の実際
おわりに
[それぞれのTLHコラム]変化を受け入れる!
CHAPTER 9 腹腔鏡技術認定医を18 名育成した教育者の立場から [磯部真倫]
自身の置かれた背景,自身のTLHに対する思い
地方での現状
「新潟大学方式」でのTLHの教育
腹腔鏡技術認定医試験の動画作成の準備
実際の手術で気をつけること
新潟で腹腔鏡技術認定医を取得した医師から
他県での教育
[それぞれのTLHコラム]技術認定医動画の思い出
CHAPTER 10 ハイボリュームセンターの立場から [浅井 哲,浅田弘法]
はじめに
手術に対するこだわり
TLHに対する思い
TLHのポイント
今後のTLHはこうしたい
最後に
[それぞれのTLHコラム]ミッドライフ・クライシス
CHAPTER 11 LCS を愛用する女性医師の立場から [長船綾子]
鉗子の持ち方(Thumb off)
エネルギーデバイス: 超音波凝固切開装置(LCS)
TLHに対するこだわり
今後のTLHはこうしたい
[それぞれのTLHコラム]私を変えた言葉
CHAPTER 12 仙骨腟固定術から学んだfascia と膀胱・直腸剝離 [谷村 悟]
はじめに
Fascia
膀胱剝離
直腸剝離
[それぞれのTLHコラム]子宮鏡を4K 化してみた件
[それぞれのTLHコラム]ダグラス窩の位置を変えたのは誰?
[それぞれのTLHコラム]穴を空けたのではなく,最初から開いている
CHAPTER 13 パイオニアおよび腹腔鏡専門病院の立場から The microsurgical TLH[松本 貴]
私のこだわり
わかりやすい手術のための手術戦略
よい術者に成長するために
[それぞれのTLHコラム]ジェダイの言葉と腹腔鏡下手術(映画『スターウォーズ』より)
CHAPTER 14 ロボット手術の立場から① [小林光紗]
筆者の背景
セッテイング,使用機器
実際の手術手技
今後のTLHについて
[それぞれのTLHコラム]ロボット支援下手術のメリットってなんだろう?
CHAPTER 15 ロボット手術の立場から② [近藤英司]
はじめに
筆者の置かれた背景およびTRHに対する思い
当院のMIS の現状
TLHor TRHの執刀条件(当院の場合)
TRHの手術の実際
TRHの利点
私のTLH
最後に
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書籍情報
- ISBN:9784498160149
- ページ数:193頁
- 書籍発行日:2021年5月
- 電子版発売日:2021年5月21日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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