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- ナースの精神医学 改訂5版
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序文
5版の序
本書の初版が2003年に出版されてから,すでに15年の歳月が経過した.本書の特色としては,数年ごとに改訂を繰り返し,その時々の新しい知見を取り入れることを試みてきたことにある.また当初は上島,渡辺の精神科医による編集であったが,「ナースの精神医学」の書名にふさわしいように精神疾患についての基礎知識から精神看護の実践に至るまでの幅広い内容が含まれるように企画することに努めてきた.この理念は精神看護の専門家である榊が編集者に加わってからさらに強められ,その結果,内容豊富でかつ質の高い精神看護のテキストになったものと考えている.本書が精神領域のみならず,すべての臨床現場で,患者さんのメンタルな問題に取り組んでいる多くの看護師の皆さん方のお役にたつことを願っている.
2018年11月
編集者一同
初版の序
精神医学は他の臨床医学と比較し理解が難しいといわれる.その理由は,対象とする精神現象を客観的に捉えたり,計量することが困難なことによるが,それに加えて精神医学で使われる用語も難解なものが多い.それゆえ,なにかとっつきにくい分野とみなされてきた.ところが最近,医療や看護の現場において,それらの担い手と受け手の心の触れ合い,信頼関係の重要性が多くの人々に認識されるに及んで,病人の心に関心をもち配慮する学問領域が,クローズアップされてきている.医療関係者は,自らの一挙手一投足が病人の心に影響しその病状をも左右することは幾度となく体験していることと思われる.精神医学は今や精神科医や精神科関係の人々だけのものではなく医療関係者総てにとりきわめて重要な領域といえよう.
昨今,精神医学や精神医療を取り巻く環境の変化は著しく,時代とともに変遷している.新しい疾病概念が生まれ,ある病態は増加し,あるものは減少している.疾患の分類体系も次第に整備され,診断システムも進歩している.看護も病院のみならず各種施設,さらに地域,家庭へと広がりをみている.ナースも保健,医療,福祉にたずさわる多くの人々と共同してチーム医療を実践する時代となってきている.チームの他の仲間と共通の疾病に対する知識と理解をもち,各疾患に最適な看護を行うためにも専門知識が要求される.
将来看護の仕事にたずさわる方々に最低必要と思われる精神医学ならびに精神科看護の知識を提供するのが本書である.これらの基礎知識をもとに科学性を失わず,広い視野と豊かな人間性をもち,激変する社会の要請に充分対応した質のよい医療の実践に役立つことを願っている.なお本書の執筆は,精神疾患については主として精神科医が,看護に関しては看護専門家が担当した.
2003年2月
上島国利渡辺雅幸
目次
1.総論
1 精神医学,精神医療とは 〈柴田恭亮,榊 惠子〉
1.精神の健康
2.精神障害の概念
3.精神医学・医療の歴史
a.欧米における精神医療の歴史
b.日本における精神医療の歴史
2 精神障害の病因・分類 〈坂井俊之〉
A.原因論
1.内因,身体因(外因),心因
B.分類
1.ICD分類
2.DSM分類
3 診断と検査
A.精神科診療の特徴 〈小山田静枝〉
1.治療者-患者関係
2.治療契約
3.インフォームド・コンセント
a.外来
b.入院
B.精神科的診察 〈小山田静枝〉
1.病歴聴取
a.現病歴
b.家族歴
c.生活歴,生育歴,教育歴および一般的背景
d.性格
e.既往歴,合併症
2.現症の把握
a.身体的現症
b.精神的現症
3.表情,ふるまい,しぐさ(観察所見)
a.表情
b.ふるまい,しぐさ,態度など
C.身体的検査 〈高橋裕秀〉
1.内科学的身体所見
2.一般内科的検査
3.神経学的検査
a.神経学的所見
b.神経学的補助検査
D.心理検査 〈中島香澄〉
1.知能検査
a.ビネー検査法
b.ウェクスラー式知能検査
c.コース立法体組み合わせテスト
d.老人用知能検査
2.認知機能検査
a.記銘力検査
b.遂行機能検査
3.性格検査/人格検査
a.投影法検査
b.質問紙法
c.作業検査法:内田・クレペリン精神作業検査
4.テスト・バッテリー
4 精神症状の把握
A.知覚の障害 〈渡辺雅幸〉
1.錯覚
2.幻覚
a.幻視
b.幻聴
c.幻嗅
d.幻味
e.幻触
f.体感幻覚
g.幻(影)肢
3.その他の知覚障害
B.思考の障害 〈渡辺雅幸〉
1.思考の進み方の異常
a.観念奔逸
b.思考制止
c.迂遠
d.保続
e.思考途絶
f.思考滅裂
2.思考体験の異常
a.思考の被影響-作為体験
b.強迫観念
c.恐怖(症)
d.支配観念
3.思考内容の障害:妄想
a.妄想の生じ方による分類
b.妄想の内容による分類
C.自我意識の障害 〈松倉素子〉
1.離人症
2.被影響体験,作為体験
3.憑依妄想
4.多重人格障害
D.感情の障害 〈松倉素子〉
1.不安
2.抑うつ
3.気分高揚
4.上機嫌(多幸)
5.感情失禁
6.感情鈍麻
E.意欲・行動の障害 〈松倉素子〉
1.精神運動興奮
a.躁病性興奮
b.緊張病性興奮
2.精神運動制止
3.昏迷
4.個々の欲動の障害
a.食欲の異常
b.性欲の異常
c.自殺念慮,自殺企図
F.意識障害 〈吉野文浩〉
1.意識混濁
3-3-9度方式
2.意識変容
a.せん妄
b.もうろう状態
c.アメンチア
G.知能の障害 〈吉野文浩〉
1.精神遅滞
2.認知症
a.診断基準
b.評価
c.類型化
d.脳血管性認知症
e.治療可能な認知症
3.仮性認知症
うつ病性仮性認知症
4.軽度認知障害
H.記憶の障害 〈吉野文浩〉
1.記銘力障害
2.健忘
a.全生活史健忘
b.一過性全健忘
3.見当識障害
4.コルサコフ症候群
I.病識の障害 〈吉野文浩〉
a.アントン症候群
b.疾病無認知
c.コルサコフ症候群
d.幻覚が非現実であることの認識
e.統合失調症における病識
f.躁うつ病における病識
5 脳科学と精神医学 〈渡辺雅幸〉
1.神経伝達物質と精神機能
a.神経細胞の構造と機能
b.向精神薬の作用と精神障害の病態
2.免疫機能と精神機能
a.精神神経系(脳)-内分泌系とホメオスタシスならびにストレスとの関係
b.うつ病と内分泌系
c.免疫系の精神神経系(脳)および内分泌系への作用
d.サイコオンコロジー(精神腫瘍学)
3.睡眠と概日リズム
a.睡眠および概日リズムとは何か
b.睡眠を生じるメカニズム
c.睡眠と精神医学的問題
4.脆弱性-ストレスモデル
6 神経心理学 〈渡邉弘美〉
1.大脳半球の優位性
2.失語
a.失語症
b.失語症のリハビリテーションの看護上のポイント
3.失認
a.物体失認
b.相貌失認
c.視空間失認
d.身体失認
4.失行
a.肢節運動失行
b.観念運動失行
c.観念失行
d.構成失行
e.着衣失行
5.脳局在症候群
a.前頭葉症候群
b.側頭葉症候群
2.各論
1 内因性精神障害
A.統合失調症 〈峯岸玄心〉
1.概念と歴史
2.疫学
3.成因
a.発病に関係する因子
b.脳内の生化学的変化と大脳の構造的特徴
c.症状悪化や再発に影響する要因
4.症状
a.歴史的な分類
b.内容による分類
5.病型
6.経過と予後
7.治療
a.薬物療法
b.精神療法(心理的治療)
c.精神科的リハビリテーション
d.その他の特殊療法
B.統合失調症の類縁疾患 〈峯岸玄心〉
a.妄想性障害
b.非定型精神病
c.統合失調型障害
C.気分障害 〈尾鷲登志美〉
1.概念
2.病因
a.モノアミン仮説
b.神経伝達物質受容体仮説
c.モノアミン以外による病態説
3.病前性格
4.症状
a.うつ状態
b.躁状態
5.鑑別疾患
6.治療
a.サイコエデュケーション
b.治療計画
2 心因性精神障害
A.神経症とストレス関連障害 〈太田有光〉
1.概念,病因,治療
2.各論
a.不安症群/不安障害群
b.強迫症および関連症群/強迫性障害および関連障害群
c.心的外傷およびストレス因関連障害群
d.身体症状症および関連症群
e.解離症群/解離性障害群
f.その他の神経症
B.心身症 〈村松公美子〉
1.心身症
2.心身症の定義
3.心身医学
4.主な心身症
5.ICD-10の分類
6.DSM-5の分類
7.心身症の診断
a.面接
b.身体的検索
c.補助的手段
8.心身症の治療
9.各種の心身医学的治療
a.自律訓練法
b.筋弛緩法
c.交流分析
d.ゲシュタルト療法
e.行動療法
f.認知療法
g.バイオフィードバック療法
10.東洋医学的治療
a.絶食療法
b.森田療法
c.内観療法
d.ヨーガ療法
11.摂食障害
a.神経性無食欲症
b.神経性過食症
12.過換気症候群
3 身体因性精神障害
A.器質性精神障害および症状性精神障害 〈巽 雅彦〉
1.疾患の概念
2.原因
3.臨床症状
a.せん妄
b.器質性健忘症候群
c.器質性気分障害
d.器質性統合失調症様障害
e.器質性パーソナリティ(人格)障害
4.各論
a.器質性精神障害
b.症状性精神障害
5.診断と治療
a.原因疾患と精神症状の把握
b.治療歴の聴取
c.環境の整備
d.精神科薬物療法
B.物質依存,ギャンブル障害(病的賭博) 〈成瀬暢也〉
1.物質依存
a.概念
b.病因
c.症状
d.診断
e.治療
2.ギャンブル障害(病的賭博)
a.概念
b.病因
c.診断
d.症状
e.治療
C.てんかん 〈稲本淳子〉
1.概念
2.原因
3.分類
4.症状
a.てんかん発作
b.てんかんに伴う精神障害
5.治療
a.診断
b.治療
4 老年期精神障害 〈磯野 浩〉
A.器質性精神障害
1.定義
2.症状
a.中核症状
b.行動と心理症状
3.原因疾患と分類
a.アルツハイマー型認知症
b.レビー小体型認知症
c.前頭側頭型認知症
d.血管性認知症
B.機能性精神障害
1.うつ病
2.幻覚妄想状態
3.その他
5 知的障害 〈磯野 浩〉
1.概念
2.原因,分類
3.症状
4.治療
6 児童・青年期精神医学 〈笠原麻里〉
A.心理発達の障害
1.自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害
a.概念
b.原因
c.症状
d.治療と介入
B.行為および情緒の障害
1.注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害
a.概念
b.原因
c.症状
d.治療
2.素行症/素行障害
a.概念
b.原因
c.治療
3.チック症/チック障害
a.概念
b.原因
c.症状
d.治療
4.抜毛症
a.概念
b.症状
c.治療
5.選択性緘黙
a.概念
b.症状
c.治療
C.思春期・青年期に特有な精神医学的問題
1.不登校・ひきこもり
a.概念
b.症状
c.治療
2.いじめ
a.概念
b.最近のいじめの特徴
c.大人は何をすべきか
3.家庭内暴力
a.概念
b.対象
c.発現要因
d.治療
7 パーソナリティ障害 〈平島奈津子〉
1.概念
2.病因
3.分類
a.クレッチマーの分類
b.「精神疾患の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)」(2013)による分類
4.治療
8 睡眠障害 〈岡島由佳〉
1.不眠
a.種類
b.原因
2.過眠
a.原因と疾患
b.検査法
3.睡眠-覚醒スケジュール障害
a.原因と疾患
b.検査法
4.睡眠時随伴症
a.夜驚症
b.睡眠時遊行症
c.レム睡眠行動異常
d.悪夢
9 性をめぐる問題 〈平島奈津子〉
1.概念
2.病因
3.分類
a.性別違和(性同一性障害)
b.性機能不全
c.パラフィリア障害(性倒錯)
4.治療
10 リエゾン精神医学 〈八田耕太郎〉
1.概念と現況
2.精神科リエゾン診療で扱う代表的な疾患・症状
a.ICUや一般病棟にて:せん妄,興奮
b.救急室,救命救急センターにて:自殺未遂
c.がん患者の精神症状:正常範囲の反応と病的な症状
d.各種身体疾患と精神症状
3.精神科リエゾン診療の実際
3.治療と予防
1 精神療法(心理療法)
A.精神療法とは 〈中島香澄〉
B.精神分析療法/精神分析的精神療法 〈中島香澄〉
1.理論
a.こころの構造と相互作用
b.こころの発達:フロイトの心理性的発達理論
2.方法
C.来談者中心療法 〈中島香澄〉
D.森田療法 〈中島香澄〉
E.内観療法 〈中島香澄〉
F.認知行動療法 〈岡田佳詠〉
1.認知行動療法とは
2.認知行動理論(認知行動モデル)
3.認知の2つのレベル
4.認知のアンバランス(歪み)
5.協同関係
6.認知行動療法の進め方
7.認知行動療法の技法
a.認知のスキル
b.行動のスキル
G.自律訓練法 〈中島香澄〉
1.具体的な実施手順
2.自律訓練法の効果と適用領域
H.催眠療法 〈中島香澄〉
I.遊戯療法 〈中島香澄〉
J.サイコドラマ 〈中島香澄〉
K.グループワーク,集団療法 〈神宮京子〉
1.グループ/集団の意味
2.集団精神療法とは?
3.集団精神療法の実際
a.コミュニティミーティング
b.小集団精神療法
4.集団精神療法的なグループワークの様々
L.芸術療法 〈神宮京子〉
1.芸術療法とは
2.芸術療法の実際
a.ダンス/ムーブメントセラピー
b.ミュージックセラピー
c.アートセラピー
2 薬物療法 〈渡辺雅幸〉
1.向精神薬
2.抗精神病薬
a.臨床効果
b.抗精神病薬の種類
c.抗精神病薬治療の特徴
d.抗精神病薬の副作用
e.抗精神病薬の生化学的作用メカニズム
3.抗うつ薬
a.抗うつ薬の臨床効果
b.抗うつ薬の種類
c.抗うつ薬の作用機序と,抗うつ効果や副作用との関連
d.抗うつ薬治療の特徴
4.気分安定薬
a.気分安定薬の臨床効果
b.気分安定薬の種類
c.気分安定薬治療の特徴
5.抗不安薬
a.抗不安薬の臨床効果
b.抗不安薬の作用機序
c.抗不安薬の副作用
6.睡眠薬
a.睡眠薬とは
b.ベンゾジアゼピン系睡眠薬の種類
c.副作用
7.抗てんかん薬
8.精神刺激薬(覚せい剤)と関連薬
a.統合失調症と覚せい剤精神病との関連
9.抗酒薬
10.抗認知症薬
3 電気けいれん療法 〈渡辺雅幸〉
1.電気けいれん療法とは
2.適応
3.旧来型ECT施行の実際─特に看護との関連において─
4.修正型ECTについて
5.反復経頭蓋磁気刺激法
4 精神科リハビリテーション
A.精神障害者リハビリテーションの歴史と概念 〈榊 惠子〉
1.精神障害者リハビリテーションの概念と特徴
a.リハビリテーションと社会復帰
b.精神障害者リハビリテーションと支持的環境
2.精神障害者リハビリテーションの歴史
a.モラル療法と人権擁護
b.環境療法と治療共同体
c.施設病と全体施設
d.日本の精神障害者リハビリテーション
e.レジリエンスとストレングス
f.当事者中心の動き
3.精神障害者リハビリテーションと国際生活機能分類
a.国際障害分類
b.国際生活機能分類と精神障害者リハビリテーション
c.ICFと生活機能
4.脱施設化とコミュニティケア
a.世界の精神病床数の変化と日本の脱施設化の遅れ
b.精神障害者の退院支援とコミュニティ・ケア
c.精神障害者リハビリテーションと精神保健福祉の今後
B.環境療法(社会療法) 〈水野高昌〉
1.環境療法(社会療法)とは
2.作業療法とは
a.「伝統的な作業療法」と新たな「作業療法Occupational Therapy」
b.環境と作業療法
3.社会療法とは
a.コミュニティミーティング
4.人的環境としてのスタッフ(医療保健福祉従事者)
C.家族療法 〈榊 惠子〉
1.システムとしての家族
a.ダブルバインド
b.偽相互性と偽敵対性
c.紛らかす
d.一般システム理論
e.家族成員の役割とIP
2.円環的因果関係
3.家族と感情表出
4.家族関係と個人の自己分化度
5.家族の多世代的理解
6.物語としての家族
7.家族の対処能力とサポート
8.家族療法の理論の発展
D.地域生活支援
1.地域生活をサポートするサービス(地域生活支援サービス) 〈原田雅美〉
a.暮らしの場
b.日中活動の場
2.医療 〈大河内敦子〉
a.ACT
b.精神科デイケア
c.オープンダイアローグ
3.精神科訪問看護 〈柴田真紀〉
a.精神科訪問看護の概要
b.訪問看護における基本的心構え
c.精神科訪問看護の具体的内容
E.当事者活動とピアサポート 〈宮本有紀〉
1.当事者活動
a.患者会
2.ピアサポート
3.ピアサポートの効果
4.ピアサポートの提供される形
a.セルフヘルプグループ(自助グループ)
b.疾患や障害を経験した人がピアサポートを提供する人として雇用される
5.医療者の関わり
5 自殺対策 〈高橋祥友〉
A.自殺の危険因子
1.自殺未遂歴
a.選ばれた手段の致死性
b.自殺未遂直後の感情
2.精神疾患
3.サポートの不足
4.性別
5.年齢
6.喪失体験
7.他者の死の影響
8.事故傾性
9.虐待
B.自殺の危険の高い患者への対応の原則
C.演習
4.精神保健看護
1 精神科看護の特徴 〈榊 惠子〉
A.精神医学と看護ケア
1.精神医学の知識
2.個別看護の知識
3.精神医学と看護ケアの接点
2 精神保健とライフサイクル
A.精神保健と危機 〈石橋通江〉
1.ストレスと危機
a.ストレスの定義
b.ストレスの種類
c.ストレスによる反応(セリエによる一般適応症候群の段階)
d.ストレスへの対処
e.危機の定義
f.危機の種類
g.危機の特徴
h.危機への対処
2.ライフサイクルと危機
a.ライフサイクル(人生周期)
b.エリクソンの漸成的発達論
c.危機を乗り越える力
B.死にゆく人とケア 〈河野伸子〉
1.死にゆく人の理解
a.全人的苦痛の理解
b.死にゆく人の心理的プロセス
c.老いの先に迎える死
2.死にゆく人へのケア
a.患者の体験に寄り添い続ける
b.患者の意思決定を支援する
c.今を生きることを支える
d.家族へのケア
3.患者の死を悼み,専門職としてケアを振り返る
C.学校のメンタルヘルス 〈篁 宗一〉
1.学校とは何か
2.学校をめぐるメンタルヘルスの状況
3.学校のメンタルヘルスの特徴と対策
4.集団および個人で対策を考えるべき事例
a.いじめ
b.事件・事故
c.不登校
5.主に個人で対策を考えるべきこと
6.教育のなかの心の健康の位置づけ
7.子どもを支援する体制
D.災害時の精神保健医療活動 〈曽根原純子〉
1.災害によるストレス
2.急性ストレス反応:災害後から1カ月位まで
3.心的外傷後ストレス障害(PTSD):1カ月以上
4.喪失体験による反応:災害における死別の特徴
5.生活上のストレスを緩和する:支援者間の連携と支援の継続
6.救援者のこころのケア:影の被災者にならないために
E.看護職とメンタルヘルス 〈榊 惠子〉
1.感情を包む容器として機能する看護師
2.共感ストレスと二次的外傷性ストレス
3.看護師の共感疲労とサポートの必要性
a.共感疲労とは
b.共感疲労の症状
c.表層演技と深層演技
d.看護師のサポートの必要性
3 精神看護プロセスと援助的人間関係 〈榊 惠子〉
A.個別看護のプロセス
1.感情を通して他者を理解する
2.患者のストーリーを理解する
3.看護過程における問題解決と相互作用
a.問題解決方法としてのプロセス
b.対人的な相互作用のプロセス
4.援助的人間関係とプロセスレコード
a.ペプロウのプロセスレコード
b.オーランドの自己一致
c.ウィーデンバックの再構成
d.プロセスレコードの実際
B.看護ケアとグループ
1.グループの雰囲気
2.グループ内の役割と現象
3.グループダイナミクス
4.看護師が参加するグループ
5.看護師グループの特徴
6.グループの力
4 病院における精神看護
A.病院における精神看護
1.入院ケアとタイダルモデル 〈秋山美紀〉
a.タイダルモデルとは
b.タイダルモデル10のコミットメント
c.タイダルモデルの4つのポイント
d.日本におけるタイダルモデルの状況
2.回復段階の看護 〈田中 直〉
a.急性期の看護
b.慢性期(回復期)の看護
3.精神科病棟と看護管理 〈柴田真紀〉
a.安全管理(セーフティマネジメント)
b.患者の権利擁護(アドボカシー)
B.児童思春期精神科看護 〈船越明子〉
a.子どもへの個別の関わり
b.暴力・暴言への対応
c.子どもを知る
d.外泊・就学への支援
e.家族への支援
f.集団への関わり
g.医療チームの一員としての関わり
C.リエゾン精神看護 〈佐々木千幸〉
1.患者とその家族へのケア
a.包括的アセスメント
b.対応
2.患者・家族を取り巻く医療チームがよりよいケアを提供できるように支援していく
3.メンタルヘルス支援
D.チーム医療と看護 〈岩㟢壮登〉
1.チーム医療とは
2.精神科におけるチーム医療の必要性
a.それぞれの専門性を発揮できるチームを目指す
b.地域の精神保健福祉を含めたチームを目指す
3.チームづくりに大切なこと
4.精神科看護師にとってのチーム医療の有用性
5 症状と精神看護
A.睡眠障害 〈渡辺純子〉
B.不安状態 〈渡辺純子〉
C.ひきこもり状態 〈野村賢一〉
D.拒否(拒食,拒薬) 〈野村賢一〉
E.攻撃的行動 〈藤城久嗣〉
F.強迫行動 〈藤城久嗣〉
G.操作・試し行動 〈北原佳代〉
H.自傷・自殺企図 〈北原佳代〉
I.幻覚・妄想 〈平井尚子〉
J.抑うつ状態 〈河口良登〉
K.躁状態 〈河口良登〉
L.昏迷状態 〈平井尚子〉
M.衝動行動 〈成瀬 治〉
N.せん妄,もうろう状態,アメンチア 〈成瀬 治〉
O.離脱状態(退薬症候群) 〈成瀬 治〉
P.認知症 〈林 みつる〉
Q.発達障害 〈河野由理〉
6 身体合併症の看護 〈瀬野佳代〉
1.麻痺性イレウス
2.嚥下性肺炎
3.糖尿病
4.肺動脈血栓塞栓症
5.多飲症,水中毒
6.精神科における身体合併症のケア
7 性(セクシュアリティ)をめぐる問題と看護 〈山田浩雅〉
1.セクシュアリティの6要素
2.性をめぐる健康問題について
a.制度と治療
b.DSM-5(アメリカ精神医学会診断)による疾患分類
c.性別違和とは
d.セクシュアリティに関連した生きにくさ
3.看護師としての自己認識
8 身体療法と看護
A.薬物療法を受ける患者の看護 〈高野幸子〉
1.精神科における薬物療法の概観
a.ストレス-脆弱性-保護因子モデル
b.精神科における薬物療法の位置づけ・治療効果
c.精神科における治療法の比較
2.薬物療法とアドヒアランス
a.アドヒアランスが重要な精神科
b.アドヒアランスに影響する要因
3.精神科における薬物療法の看護の特徴
a.心理教育
b.精神科における与薬
c.服薬自己管理
B.電気けいれん療法を受ける患者の看護 〈高野幸子,榊 惠子〉
1.インフォームド・コンセントのサポート
2.実施時および実施後の看護援助
3.患者,家族の意思決定への援助
9 地域生活における精神看護
A.「入院医療中心から地域生活中心」に向けた動き 〈今泉亜子〉
1.長期入院による弊害
2.地域生活への移行に向けての考え方の転換
3.リカバリーとは
B.リカバリーを支える力−レジリエンス 〈今泉亜子〉
1.レジリエンスとは
2.レジリエンスを育む
C.病院-地域連携
1.病院-地域連携が求められている理由
2.精神科デイケアとは
3.デイケアにおける看護師の役割と多職種連携
4.事例:Mさんの入退院とその後の生活
5.多職種連携に求められるもの
D.精神障害者を支える家族 〈新納美美〉
1.精神障害者と家族
2.家族の当事者性
3.家族支援の目的
4.アセスメントの視点
5.支援者としての関わり方
a.支援関係の構築
b.家族全体の自律を支える支援と危機を想定した支援
10 精神看護専門看護師と精神医療 〈阿保真由美〉
1.精神看護専門看護師の歴史
a.米国
b.日本
2.精神看護専門看護師の役割と実践
a.専門看護師の6つの役割
b.精神看護専門看護師の役割
c.精神看護専門看護師の活動と実践
d.精神看護専門看護師の活動によってもたらされる効果
3.今後の高度看護実践と医療
a.実践能力の向上
b.活動の可視化
c.役割拡大
5.法と精神医療
1 精神保健医療と法制度
A.精神保健ケアに関する国際的な原則 〈白石弘巳〉
1.精神疾患を有する者の保護およびメンタルヘルスケアの改善のための原則
(いわゆる国連原則)
2.精神保健ケアに関する法:基本10原則
3.精神保健に関する法制度の世界的状況と日本の法制度
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書籍情報
- ISBN:9784498175020
- ページ数:402頁
- 書籍発行日:2019年1月
- 電子版発売日:2021年6月18日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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