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- 乳がん薬物療法 副作用マネジメント プロのコツ 改訂第2版
商品情報
内容
乳がん薬物療法をもっと安全に,もっと効果的に。プロの技術と知識が満載で好評を博した本書がついに改訂。 免疫チェックポイント阻害薬など,最新のレジメンについて解説。
副作用対策についても最新のエビデンス・ガイドラインにあわせて更新し,irAEの章も新たに追加。
遺伝子パネル検査システム,遺伝カウンセリングなど,最近の話題も掲載。
「臨床ですぐに・本当に使える」この一冊で,副作用マネジメントにはもう悩まない!
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序文
改訂第2版
序
第1版の上梓から3年が経過した。この3年間、乳がん診療はさらに個別化治療が進歩したように思える。原発性HER2陽性乳がんでは術前薬物療法が標準化され、その治療効果に応じて術後のアジュバント療法が決定される。CDK4/6阻害薬の適応は、よりホルモン感受性の高い進行再発乳がんにおいて生存期間改善の効果をもたらし、1次治療の標準治療として広く浸透してきた。抗PD-L1/PD-1抗体薬もトリプルネガティブ乳がんを中心に、乳がん領域でも保険適用となり、従来の内分泌療法・化学療法・抗HER2療法の3本柱に、新たな基軸が加わった。免疫療法では、治癒もしくはそれに近い有効性が期待できる一方、全身の免疫関連有害事象が起こりうるリスク管理も重要で、多職種のチーム医療から、他科専門医を含めたチーム体制の構築が必要となり、病院としての総合力が問われる時代になってきた感がある。
2020年春には、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)の診療が開始された。今の病気の治療に加え、将来起こりうるイベントに対する予防医療にも保険適用され、大きな変革期を迎えた。また、がん関連遺伝子パネル検査システムも整備され、actionableな遺伝子変異に対応する治療の探索が可能になり、新規開発中の薬剤への機会も高まることが期待される。遺伝カウンセリングの適応や新規薬剤・未承認薬へのアプローチ(治験)への理解も大切である。
改訂第2版では、上述の乳がん診療の進歩に合わせ、新しい項目を増設するだけではなく、全著者に各担当パートの情報更新をお願いした。総勢200名を超えるエキスパートの先生方の最新知見を改めて編纂できる機会をいただいたことを非常に光栄に思うとともに、協力いただいた関係の皆様に厚く御礼申し上げたい。
少しでも“ 乳がん死亡ゼロ” に近づくことができるように、若い先生には、白衣のポケットの中で常に診療の助けとなる参考書であってほしい、そして経験豊富な専門医の先生には、さらなる改善をめざす新規アイデア創出の素に役立てていただければ幸甚である。
2021年6月
国立病院機構大阪医療センター 乳腺外科科長
増田慎三
目次
第Ⅰ章 乳がん治療体系概説
①術前・術後薬物療法の概説、ならびに遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)の予防医療について 川端英孝
②進行再発乳がんに対する薬物療法 佐治重衡
③放射線治療 田中英一
④緩和医療 里見絵理子
第Ⅱ章 レジメン別プロのコツ
1 薬物療法
① Anthracycline 系レジメン 荒木和浩
② DTX単剤・TC(DTX+CPA)療法 石川 孝/三原由希子/和田伸子
③ TAC療法 川井沙織/高野利実
④ Docetaxel+ Carboplatin+ Trastuzumab +Pertuzumab(TCbHP)療法 八十島宏行
⑤ Paclitaxel 単剤(毎週投与法)/Paclitaxel + Carboplatin(PTX+CBDCA)療法 安藤正志
⑥ nab-Paclitaxel 単剤 鈴木育宏
⑦ Capecitabine(A法・B法)単剤/XC(Capecitabine+ Cyclophosphamide)療法 山口美樹/柿原圭佑
⑧ S-1単剤 ・UFT 単剤 高島 勉
⑨ Eribulin 単剤・Eribulin + Capecitabine 療法 上野彩子/大谷彰一郎
⑩ CMF療法 柳田康弘/新井隆広
⑪ Vinorelbin単剤・Vinorelbin+ Gemcitabine 併用療法 山村 順
⑫ Gemcitabine単剤・Gemcitabine+ Paclitaxel 療法 青儀健二郎
⑬ CPT-11単剤・併用療法 石黒 洋
⑭ Mitomycin C(MMC)+ Methotrexate(MTX)療法 福田貴代/伊藤良則
⑮ Ifosfamide 平良眞一郎/伊藤良則
2 分子標的治療
① Trastuzumab 単剤・Trastuzumab + Pertuzumab療法、薬物療法との併用療法 大谷陽子
② T-DM1 療法 柏葉匡寛
③ Trastuzumab Deruxtecan(T-DXd)療法 山中隆司/山下年成
④ Lapatinib + Capecitabin/Lapatinib + Aromatase inhibitor 療法 白数洋充/渡邉純一郎
⑤ Bevacizumab++ wPaclitaxel 併用療法 森井奈央/山城大泰
⑥ mTOR阻害薬(Everolimus) 中山貴寛
⑦ CDK4/6阻害薬(Palbociclib)+ホルモン療法 増田慎三
⑧ CDK4/6阻害薬(Abemaciclib)+ホルモン療法 増田慎三
⑨ PARP阻害薬(Olaparib) 増田慎三
3 免疫チェックポイント阻害薬
① Atezolizumab+ nab-PTX 小島康幸/津川浩一郎
② Pembrolizumab単剤、Pembrolizumab +化学療法 服部正也
4 内分泌療法
① TAM、TAM+LH-RH agonist 神林智寿子
② Aromatase inhibitors(ANA、LET、EXE) 荻谷朗子
③ Fulvestrant 水谷麻紀子
④ Toremifene(TOR)/high dose TOR 土井原博義
⑤ Medroxyprogesterone acetate(MPA) 前田基一
⑥ Prosexol®(エストロゲン療法) 山本 豊
⑦ Raloxifene(化学予防) 菰池佳史
5 支持療法
①制吐療法 村上通康/川口英俊
②骨粗鬆症に対するBisphosphonate とDenosumab 枝園忠彦/突沖貴宏
③骨転移に対する骨修飾薬(BMA) 脇田和幸
④ G-CSF 鶴谷純司
⑤エクオール 土井卓子
第Ⅲ章 副作用症状別プロのコツ
1 全身
① Infusion reaction・アナフィラキシーショック 大西 舞/山下年成
②倦怠感 平 成人
③筋肉痛・関節痛 坂井威彦
④ほてり・ホットフラッシュ 坂東裕子
⑤体重増加 片岡明美/小林 心/深田一平
⑥腫瘍崩壊症候群 服部正也
2 消化器
①口腔粘膜炎 阿南節子
②食欲不振、悪心・嘔吐 深田一平
③下痢・脱水(腸炎を含む) 松並展輝
④便秘 森本 卓
⑤消化管潰瘍・出血・穿孔 長谷川裕子
⑥肝機能障害・高ビリルビン血症 中水流正一/三田英治
⑦B型肝炎ウイルス再活性化 石飛真人
3 腎・泌尿器
①蛋白尿 中村力也/山本尚人
②腎機能障害 中村力也/山本尚人
③出血性膀胱炎 西村健作
4 呼吸器
①間質性肺疾患・薬剤性肺障害 内藤陽一
5 循環器
①心機能低下(心不全) 向井幹夫
②高血圧(特にベバシズマブ治療に伴う) 池田雅彦
③血栓症・塞栓症 佐藤康幸/林 孝子/加藤恭子
6 血液
①貧血 川崎賢祐
②血小板減少症 川崎賢祐
7 神経・感覚器・精神
①視覚異常 松田 理
②流涙・涙道閉塞 松田 理
③味覚障害 藤山理恵
④末梢神経障害 二村 学
⑤頭痛・めまい・ふらつき 重松英朗
⑥うつ・不安・アカシジア 和田知未
⑦不眠 和田知未
⑧認知機能低下・認知障害・ケモブレイン 増田紘子/明石定子
8 皮膚
①爪囲炎・爪変形・陥入爪 小澤健太郎
②皮疹・皮膚乾燥・瘙痒感 小澤健太郎
③手足症候群 田口哲也
④色素沈着・光線過敏症 小澤健太郎
⑤脱毛 野澤桂子
⑥血管外漏出 藤井千賀
⑦静脈炎 本田 健/山岡尚世/山岡桂子
9 代謝
①浮腫 吉留克英
②抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(中枢性尿崩症とSIADH) 森川希実
③骨量減少・骨粗鬆症 鍛治園 誠/枝園忠彦
④高コレステロール血症・高トリグリセリド血症 佐久間一郎/野々山由香理
⑤甲状腺機能異常 井上賢一
10 感染
①発熱性好中球減少症(FN) 鶴谷純司
②侵襲性カンジダ症・ニューモシスチス肺炎 上平朝子
③う歯・顎骨壊死(ARONJ) 平岡慎一郎
11 生殖器
①月経異常・不正出血 巽 啓司
②帯下異常・外陰部炎・腟炎・粘膜異常 南 裕佳子
③男性機能障害(ホルモン療法に伴う) 末富崇弘
12 免疫関連有害事象(irAE)
①免疫関連有害事象総論 田村研治
②1型糖尿病 加藤 研
③脳炎、多発根神経炎、重症筋無力症、筋炎 鈴木重明
④下垂体機能低下症、副腎機能低下症 橋本久仁彦
⑤免疫チェックポイント阻害薬関連大腸炎 長島一哲
第Ⅳ章 がん関連症状や宿主状態別対応~プロのコツ
①呼吸困難 森田 道/前田茂人
②胸膜癒着術 石田敦子/宮澤輝臣/峯下昌道
③腹部膨満 長谷川善枝
④心嚢液貯留・心タンポナーデ 小出雅雄
⑤骨転移に伴う骨痛(がん性疼痛) 佐藤 雄/天羽健太郎/林 直輝
⑥脊髄圧迫症状 久田原郁夫
⑦頭蓋内圧亢進症状 丸山隆志
⑧局所進行がんにおける皮膚滲出液 熊谷敦世
⑨悪性腫瘍に伴う高Ca血症(hypercalcemia of malignancy;MCH) 中根 実
⑩播種性血管内凝固症候群(DIC) 田中希世
⑪高齢者フレイル(Frailty)における薬物療法の工夫 澤木正孝
⑫肝機能障害を伴う患者における薬物療法の留意点と工夫 関根克敏/清水千佳子
⑬腎障害・慢性透析患者における薬物療法の留意点と工夫 原 文堅
⑭骨髄機能低下(汎血球減少症)を認める際の治療の工夫 小宮山哲史/大熊ひとみ/田村研二
⑮抗凝固薬使用中の薬物療法における留意点と工夫 吉波哲大
⑯妊娠期乳がんの薬物療法における留意点と工夫 北野敦子/山内英子
第Ⅴ章 乳がん薬物療法との上手なお付き合い~プロのコツ
①感染予防(インフルエンザワクチン・肺炎球菌ワクチンなど) 高井 健/永井成勲
②(化学療法に伴う)早期閉経に関する諸問題 松本久宣
③妊孕性低下(挙児希望に備えて) 筒井建紀
④薬物療法中の心のケア/ 日常生活の工夫 四方文子
⑤薬物療法中の就労 平岡 晃/高橋 都
⑥薬物療法中の性生活 阿部恭子
⑦乳がん患者における意思決定支援 青野奈々
⑧抗がん剤曝露時の対応 庄野裕志/服部雄司
⑨外来化学療法室とその運営のコツ 馬塲奈央
⑩がん関連遺伝子パネル検査システム(OncoGuideTMNCCオンコパネルシステム、FoundationOne®CDxがんゲノムプロファイル) 多田 寛
⑪遺伝カウンセリング 井上田鶴子
⑫新規薬剤、未承認薬へのアプローチ 羽田かおる
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書籍情報
- ISBN:9784758318143
- ページ数:484頁
- 書籍発行日:2021年6月
- 電子版発売日:2021年6月25日
- 判:B6変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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