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- 間違いだらけの緩和薬選び Ver.4 費用対緩和を考える
商品情報
内容
ロングセラーの最新版.第3版刊行から約3年半ぶりの改訂です.新たな強オピオイド注射薬であるヒドロモルフォン注射薬,ナルデメジンに続く最新の便秘薬など,新たな薬剤に関する情報を追加しました.苦痛緩和とコストのバランスを重視した「費用対緩和」の思想を軸に,一般病院・大学病院・在宅・ホスピス,そしてクリニックのすべてを経験している著者ならではの総合的視点から,正しい緩和薬の選び方に迫ります.
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序文
第4版の序
皆さまからの継続的な温かい支持のおかげさまで,初版から7年で4版まで版を重ねさせて頂くこととなりました.ありがとうございます.緩和医療の世界に激震が走るほどのブレイクスルーは起きておりませんが,第3版からのこの3年でも様々な薬剤が使用可能となりました.新たな強オピオイドの注射薬としてヒドロモルフォンの注射薬がラインナップに加わりました.また,便秘薬がさらに充実し,オピオイド由来の便秘を,末梢性の(消化管の)μオピオイド受容体拮抗作用を介して緩和するナルデメジン以外にも選択肢が増えました.
第4版においては,前版で導入した「費用対緩和」の考えを引き続き大切にしました.例えば,同じく苦痛が緩和される薬剤があったとしても,安ければそれに越したことはないでしょう.少なくとも,お金を払う側としては.そのため,苦痛緩和とコストの点に着目しています.また筆者も2018年に緩和ケア外来専門の診療所を開院し,これまで「一般病院・大学病院・在宅療養支援診療所・ホスピス」での勤務歴があったところに,開業医としての視野も加わることになりました.本版にも,あらゆる診療形態で緩和ケア医として活動してきた経験が反映されると存じます.
本書は『間違いだらけの車選び』へのオマージュから名づけられた書籍です.『間違いだらけの車選び』においては,決してメーカーにおもねることなく,また「個人の意見」になることを厭わず,自身の感性に照らして判断したものを伝える書籍であったと感じております.おかげさまで第4版となった本書においても,これまでの版と同様に,建前論は極力排し,また申告すべき利益相反がないという立場から,症状緩和に適している薬剤を紹介していきたいと存じます.皆さまが明日からより緩和の薬剤を理解して使用する一助となれば,この上ない喜びです.第4版,どうぞよろしくお願い申し上げます.
2021年1月
大津秀一
目次
序章 がんの患者さんの苦痛を取る時のポイント薬を適切に使用するための(薬以外の)基礎知識
がん終末期予後判断指針(大津版)
❶ベタメタゾン,デキサメタゾン,プレドニゾロン
1. 概略
▶処方例
2. 疼痛に対して
3. 全身倦怠感に対して
4. 食欲不振に対して
5. 呼吸困難に対して
6. 嘔気・嘔吐に対して
7. 胸水・腹水に対して
8. 腸閉塞(下部消化管閉塞)に対して
9. 下肢浮腫に対して
10. その他に対して
[Column]最後に一口コラム,及び在宅にて
[Column]ステロイドとコスト
▶説明例
❷ミダゾラム
1. 概略
▶処方例
2. 疼痛に対して
3. 全身倦怠感に対して
4. 呼吸困難に対して
5. 嘔気に対して
6. 不眠に対して
7. せん妄に対して
8. その他
[Column]最後に一口コラム,及び在宅にて
[Column]鎮静薬とコスト
▶説明例
❸疼痛の治療法
■処方の前に……
1. 侵害受容性疼痛の内臓痛
2. 侵害受容性疼痛の体性痛
3. 神経障害性疼痛
4. その他(腸蠕動痛や筋肉の痛みなど)
A アセトアミノフェン
[Column]アセトアミノフェンとコスト
B NSAIDs
▶処方例
[Column]NSAIDsとコスト
C オピオイド
[Column]トラマドールとコスト
D モルヒネ
[Column]モルヒネとコスト
E オキシコドン
[Column]オキシコドンとコスト
F フェンタニル
[Column]フェンタニルとコスト
G ヒドロモルフォン
[Column]ヒドロモルフォンとコスト
▶ピコスルファート液の使い方の1例
[Column]便秘薬とコスト
[Column]嘔気対策薬とコスト
▶オピオイド副作用対策処方例
▶オピオイドレスキュー設定法
■フェンタニル口腔粘膜吸収剤について
[Column]レスキューとコスト
■オピオイドの開始処方
▶オピオイドの増量法
▶オピオイド開始処方例
[Column]オピオイドの注射薬とコスト
1)持続痛がメインのパターン
2)突出痛がメインのパターン
[Column]ゾレドロン酸とデノスマブのコスト
▶骨転移痛の処方例
【鎮痛補助薬のすべて】
1 プレガバリン
2 デュロキセチン
3 ミルタザピン
▶処方例
▶鎮痛補助薬の処方例
[Column]神経障害性疼痛の鎮痛補助薬とコスト
▶神経障害性疼痛の処方例
■痛みの分類 〜事例と画像で考える〜
❹ブロマゼパム坐剤
▶ブロマゼパム坐剤の処方例
[Column]ブロマゼパム坐剤のコスト
▶説明例
❺呼吸困難の治療法
▶呼吸困難緩和の頓用薬
▶呼吸困難緩和の定時薬
[Column]呼吸困難薬とコスト
▶説明例
❻フェノバルビタール(注射と坐剤)
▶ミダゾラム等で鎮静不良の場合に
[Column]フェノバールとコスト
▶説明例
【精神症状の治療薬】❼せん妄の治療薬
A クエチアピン
B ペロスピロン
C ハロペリドール
▶せん妄緩和の定時薬
[Column]せん妄対策薬とコスト
❽不安の治療薬
◆抗不安薬
▶不安緩和の治療薬
[Column]抗不安薬とコスト
▶説明のポイント
❾睡眠障害の治療薬
▶不眠の治療薬
[Column]睡眠系薬剤のコスト
▶質問と説明のポイント
❿抑うつの治療薬
▶抑うつの治療薬
[Column]抗うつ薬とコスト
▶説明
【消化器症状の治療薬】⓫消化管閉塞の治療薬
◆オクトレオチド
▶消化管閉塞の治療薬
[Column]オクトレオチドとコスト
▶説明
⓬腸蠕動痛の治療薬
◆ブチルスコポラミン
[Column]ブスコパンとコスト
▶ブチルスコポラミンの処方例
▶説明
⓭嘔気・嘔吐の治療薬
▶嘔気・嘔吐の治療薬
[Column]制吐薬とコスト
▶説明
⓮便秘の治療薬
▶下剤の処方例
[Column]便秘薬とコスト
▶説明
【その他の身体症状の治療薬】⓯高カルシウム血症の治療薬
▶高カルシウム血症の治療
[Column]高カルシウム血症治療薬のコスト
▶説明
⓰浮腫・腹水の治療薬
▶浮腫・腹水の治療
[Column]利尿系薬剤とコスト
▶説明
⓱めまいの治療薬
▶めまいの治療薬
[Column]めまいの薬剤とコスト
▶説明
⓲口腔カンジダ症の治療薬
▶口腔カンジダ・食道カンジダの治療薬
[Column]口腔カンジダ治療薬とコスト
▶説明
⓳抗菌薬と皮下点滴
■皮下点滴をご存じですか? その歴史
▶在宅での抗菌薬使用例
[Column]抗菌薬とコスト
▶説明
⓴皮膚転移の悪臭に
■おまけ 褥瘡治療の処方
[Column]メトロニダゾール軟膏のコスト
▶説明
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書籍情報
- ISBN:9784498117112
- ページ数:260頁
- 書籍発行日:2021年7月
- 電子版発売日:2021年6月25日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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