外来・病棟で役立つ! 不眠診療ミニマムエッセンス

  • ページ数 : 208頁
  • 書籍発行日 : 2021年9月
  • 電子版発売日 : 2021年8月27日
3,520
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商品情報

内容

「不眠の対応がイマイチよくわからない!」というあなたへ

不眠患者は年々増加し,一般外来や一般病棟でその対応に困っている医師も多いのでは? 様々な作用機序の新薬も登場し複雑になった睡眠薬に関するアドバイスを求められる薬剤師,医師が指示した「不眠時」や「不穏時」の薬をどのように使うか判断しなければいけない看護師にも役立つ,シチュエーションごとの解説! 不眠・せん妄のスペシャリストの大人気講義をよりわかりやすく書籍化した.外来でも病棟でも大活躍の1冊!

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序文

はじめに

精神科には不眠を主訴とする患者さんがよく来られるため、精神科医は日常的に不眠症診療を行っています。一方、一般外来や一般病棟で不眠を訴える患者さんもたくさんおられますが、対応する医師にとって、不眠は実際に治療している身体疾患とは別物であるため、ともすれば軽視されてきた面があるかもしれません。ただし、不眠を訴える患者さんは年々増えており、一般外来や一般病棟でその対応に困っている医師も多いのではないでしょうか?

近年になって、不眠症の治療は新たなステージに入ったと言っても決して過言ではありません。新しい作用機序の睡眠薬が複数登場し、不眠症に対する薬剤の選択肢は大幅に拡がりました。また、従来から頻用されてきたベンゾジアゼピン受容体作動薬の副作用が一般にも広く知られるようになった今、医師に求められる診察内容や処方薬も変わりつつあります。では、不眠症の患者さんにどのように説明し、どの睡眠薬を出せばよいのか?いわゆる「睡眠薬」以外に適切な薬はないのか?増やし方はどうするのか?併用してもよいのか?いつまで続けるのか?減らし方や中止方法は?……睡眠薬の使用を巡っては、思いつくだけでも数多くの臨床疑問が涌いてきます。ただし、いずれについても「いくら本を読んでも、文献を調べても、講演会に参加しても、イマイチよくわからない!」という声を耳にすることがあります。そして、睡眠衛生指導(非薬物療法)の大切さをいくら強調されても、「忙しい診察時間の中で、生活指導までするのは現実的にムリ!!」というのが医師の本音ではないでしょうか?

また、一般病院における精神科医の不足によって、睡眠薬に関するアドバイスが薬剤師さんに求められる場面は年々増えています。さらには、一般病棟の入院患者さんに『せん妄ハイリスク患者』が大多数を占める中、医師が指示した「不眠時」や「不穏時」の薬をどのように使うかの最終判断は、現場の看護師さんにゆだねられています。また、投与された薬の効果や副作用をモニタリングするのも、最もベッドサイドに近い看護師さんの役割に他なりません。

そこで本書では、一般外来や一般病棟でみられる不眠について、適切な評価や薬物治療、そして非薬物治療(睡眠衛生指導やケア)などを短時間で効果的・効率的に行うことを目的として、医師のみならず看護師さんや薬剤師さんにも有用な内容となるよう、実践を強く意識しながら具体的にまとめてみました。不眠症に対する標準的かつ詳細なアプローチについては、ぜひガイドラインを参考にしていただきたいと思いますが、本書ではそれらとの差別化として、よりシンプルなアプローチ内容を、著者の臨床経験に基づいて具体的に解説したいと思います。私がふだん行っている不眠に関する講義内容を、図表を豊富に使いながらライブ感覚で読めるように工夫しましたので、ぜひご一読下さい!


2021年8月吉日

岡山大学病院精神科神経科
井上真一郎

目次

1章 外来編 ―短時間で行う能率的な不眠対策―

はじめに

 ・不眠症に対するアプローチ

 ・不眠の訴え

評価

 ・「不眠症」の診断

対応

  (1)原因の精査と除去

  (2)睡眠衛生指導

  (3)薬物療法

  (4)薬物療法―説明

2章 入院編 ―せん妄予防を視野に入れた不眠対策―

はじめに

 ・外来と入院における不眠に対するアプローチの違い

 ・一般病院の入院患者に占める65歳以上の割合

 ・「せん妄ハイリスク患者ケア加算」と不眠対策

評価

 STEP 1

 ・せん妄のリスク評価【看護師】【医師】【薬剤師】

 ・「認知症(認知機能低下)」の評価【看護師】【家族】

 ・「アルコール多飲」の評価【看護師】

 ・「せん妄の既往」の評価【看護師】【医師】

対策

 STEP 2

 ・せん妄予防を視野に入れた不眠対策

  (1)不眠時・不穏時指示【医師】【看護師】【薬剤師】

  (2)環境調整【看護師】【家族】

  (3)内服中のベンゾジアゼピン受容体作動薬の減量・中止【医師】【薬剤師】

おわりに

 ・入院後に開始した不眠症治療薬 漫然と出し続けない!

番外編 ―睡眠薬のポリファーマシー対策―

はじめに

 ・「ポリファーマシー」とは

Message

巻末資料

 ・睡眠障害対処 12の指針

 ・本書で紹介した睡眠薬一覧

 ・参考&オススメ書籍

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書籍情報

  • ISBN:9784498229341
  • ページ数:208頁
  • 書籍発行日:2021年9月
  • 電子版発売日:2021年8月27日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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