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物語で学ぶ緩和ケア~みんなでめざすチーム医療
大学病院の緩和ケアを考える会教育部会 (編著) / へるす出版
商品情報
内容
緩和ケアをチーム医療ととらえ、患者の語りをもとに書かれたテキスト
緩和ケアとは… がん? 終末期? 疼痛管理?
がんと診断されてから看取りまでの患者・家族の物語。
外来・病棟・手術・退院・在宅などさまざまな場面における多職種の実践を,ストーリー仕立てで解説。
緩和ケアを学ぶ,はじめの一歩に格好の書。
※本製品はPCでの閲覧も可能です。
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序文
序文
2007年に施行されたがん対策基本法は,全国のがん治療の均てん化が大きな目的でしたが,「がんと診断された時からの緩和ケアの推進」という文言が盛り込まれました。これにより,緩和ケアは医師への教育や一般市民への啓発活動をとおして拡大してきました。しかし,全国82大学の医学教育は大学病院の緩和ケアを考える会(以下,当会)の調査によると,各大学でさまざまな教育がなされており,標準化はされていません。
当会は1995年に発会後,大学病院での緩和ケア活動のサポートとともに,医学生の緩和ケア教育を提案し推進してきました。2004年には,医学生向けのテキスト『臨床緩和ケア』を刊行し,医学部教育の指標とすべく活動を続け,最新の知見も網羅し,2 013年には第3 版を発刊しています。
今回,当会では緩和ケアの昨今の発展を鑑み,『臨床緩和ケア』の内容を刷新することを計画しました。特に,緩和ケアのキーワードであるチーム医療を中心に据え,学生をはじめ,多職種向けにテキストを作成しました。
本書の編集にあたり,知識の羅列ではなく,緩和ケアで大切にしているナラティブ(物語)を重視することとしました。すなわち,一人のがん患者を中心として,診断期,治療期,再発期,在宅期,看取り期とし,患者の語りをもとに話を展開させています。そして,患者の物語に沿いながら,多職種がいかにかかわり,サポートしていくかを明確に示しました。カンファレンス場面の再現では,それぞれの職種の役割を学ぶことができます。さらに,それぞれの場面での重要事項や知識を学ぶことができるようにワンポイントメモを提示しています。
本書により,学生はもちろん,多職種の方々が緩和ケアについて学び,そのことをとおして,患者・家族中心の全人的ケアを修得・実践するきっかけになれば幸いです。
大学病院の緩和ケアを考える会
教育部会一同
2021年初夏
目次
Ⅰ章 緩和ケアとは
Ⅱ章 がんと診断されてから
<Prologue>
1.診断期
事例の説明
トータルペイン
患者体験の物語
さらに学んでほしいこと
1 悪い知らせを伝えるコミュニケーション
2 がん情報サービス
【ワンポイントメモ】
・インフォームドコンセント時の看護師の役割
2.治療期
事例の説明
トータルペイン
患者体験の物語
カンファレンス場面
さらに学んでほしいこと
1 術後痛の緩和
2 ストーマサイトマーキング
3 大腸がんに対する薬物療法
4 経済的支援
5 介護保険
【ワンポイントメモ】
・リハビリテーションの種別
・リハビリテーション専門職
・退院調整アセスメント
・生命保険による経済的援助
・低位前方切除
・周術期のがんリハビリテーション
・周術期の口腔機能管理の必要性
・レスキュー
・訪問介護
3.再発期
事例の説明
トータルペイン
患者体験の物語
カンファレンス場面
さらに学んでほしいこと
1 直腸がん再発に対するCT 検査
2 直腸がんに対する放射線治療
3 早期からの緩和ケア
4 がん疼痛治療の基本
【ワンポイントメモ】
・ 腫瘍マーカー
・腫瘍内科
・アドバンス ケア プランニング(ACP)
・ 緩和ケアチーム
4.在宅期
事例の説明
トータルペイン
患者体験の物語①
カンファレンス場面①
患者体験の物語②
カンファレンス場面②
カンファレンス場面③
患者体験の物語③
さらに学んでほしいこと
1 がん患者の消化器症状の緩和に関するガイドライン(2017年度版)
2 イレウスと腸閉塞
【ワンポイントメモ】
・この時期のトータルペインの特徴と考え方
・キャンサーボード
・退院における看護師の役割
・退院における薬剤師の役割
・ 施設リハビリテーションと訪問リハビリテーションの相違点
・がん性腹膜炎
・緩和ケア病棟の役割
・ホスピス
・在宅への移行プロセス
・在宅緩和ケアを実現するための要点
・訪問診療と往診
・訪問歯科医師
5.看取り期
事例の説明
トータルペイン
患者体験の物語
家族での話し合い;妻の語り
カンファレンス場面
さらに学んでほしいこと
1 終末期の水分 栄養補給
2 リビングウイル
3 尊厳死
4 最期の場所
5 死亡診断書(死体検案書)
6 死後の処置(エンゼルケア)
7 悲嘆のケア
【ワンポイントメモ】
・デイサービス(通所介護)
・ショートステイ
・ DNAR(do not attempt resuscitate)
・ HOT(home oxygen therapy;在宅酸素療法)の導入
・終末期リハビリテーション
・廃用症候群(disuse syndrome)
・見捨てられ不安
・終末期の対応におけるパンフレットの活用
・死亡直前の身体的変化
・死の過程における呼吸の変化
・死亡の確認;死の三徴候
・看取りの場での立ち居ふるまい
・看取り場面における医師 看護師以外のメディカルスタッフの対応
Ⅲ章 これからの緩和ケア
1 地域で支える緩和ケア;実践例をとおして
2 働く人を支える緩和ケア
3 認知症患者の緩和ケア
4 看取りの作法
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書籍情報
- ISBN:9784867190180
- ページ数:153頁
- 書籍発行日:2021年6月
- 電子版発売日:2021年9月17日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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