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- Heart View 2022年9月号 Vol.26 No.9 循環器疾患と在宅医療
商品情報
内容
1 在宅医療とは
2 在宅で身体所見をどう診るか
3 在宅で心エコーを撮る ほか
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序文
企画にあたって
弓野 大(医療法人社団ゆみの理事長)
先進諸国では,高齢に伴うフレイルにより通院困難となってきた循環器疾患患者が増加し,また治療の進歩によりsalvageされた繰り返す心不全患者が増加の一途をたどっている。実際に,わが国における基幹病院での心不全患者のレジストリーでもあるJROAD -HFの最近のデータにおいても,心不全患者の平均年齢78歳と高齢者が主体となっている。このため,心臓という臓器疾患への介入に焦点を置く「医療モデル」だけではなく,個々の生活環境に合った「生活モデル」への転換が重要となっている。このような観点から,病院医療とともに,生活の場に近い地域での「LIFE:生命,生活,人生」を考えた,難治性の循環器疾患の在宅管理のニーズが高まっている。そこにはごく一般的なフレイルを伴う高齢循環器疾患患者から,担癌患者,また成人先天性心疾患,カテコラミンを必要とする重症心不全患者,補助人工心臓と合併症をもつdestination therapyなど特殊な症例まで存在する。これらの患者を長期入院から早期退院を実現し,生活の場での増悪予防,そして増悪時の早期治療介入を行い,結果として自宅看取りを行うことにより,再入院はなくHOME -TIMEを維持することができる。
このように,在宅で担う範囲は多くある。では,これらの患者をいかに診ていけばよいのか。そのためには,まず在宅医療における社会制度を知る必要がある。地域では医師だけではなく,非専門の,訪問介護,訪問看護や訪問リハビリ,薬局や歯科診療所など,医療・介護サービス提供に関する多くの関係機関に支えられている。これらの社会資源の有効活用を行い,チーム医療の構築が重要である。実際の診療においては,在宅という現場で,非侵襲的検査として,身体所見や心エコー図検査は重要である。またI CTによるモニタリング機器は日進月歩であり,患者ごとによいツールを選択していくことは診療の手助けになる。非癌患者への緩和ケアの概念は大切である。そこには意思決定支援,症状緩和,家族ケアを行いながら,いかに患者家族に寄り添っていくか,しかしエビデンスの少ないこの領域では,個々の力量に委ねられているところが大きい。
本企画では,循環器疾患の在宅医療において,制度,診断,治療,管理と,その領域でわが国を代表する先生方からわかりやすく説明いただいた。循環器疾患の専門,非専門にかかわらず,これから在宅医療をはじめていこうと考えている,またすでに現場で悩んでいる医療スタッフの方々へ,これからの臨床の一助になれば幸甚である。
目次
特集:循環器疾患と在宅医療 企画・構成/弓野大
【診る】
1 在宅医療とは
2 在宅で身体所見をどう診るか
3 在宅で心エコーを撮る
4 在宅医療にIT医療機器を活用する
【識る】
5 在宅医療にかかわる制度や行政を理解する
6 在宅医療に医療ソーシャルワーカー(MSW)を活用する
7 在宅医療における医療連携のポイントを識る
8 在宅医療と地域看護(訪問看護と遠隔看護)
【治す】
9 超高齢者の心不全薬物治療
10 生活の質を高める訪問リハ(遠隔含む)によるフレイルの治療
11 【Expertise】在宅での緩和ケア:訪問医療チームができること
12 意思決定支援(ACP)をどう実践していくか
13 介護負担軽減:安心して在宅医療を行うために
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書籍情報
- ISBN:9784008102609
- ページ数:95頁
- 書籍発行日:2022年8月
- 電子版発売日:2022年8月5日
- 判:A4変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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