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- Heart View 2022年10月号 Vol.26 No.10 Onco-Cardiology Update
商品情報
内容
診る ハイボリュームセンターでの腫瘍循環器診療の実際
識る 腫瘍循環器研究の最前線
治す 今後の腫瘍循環器診療の展望 ほか
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序文
企画にあたって
日本腫瘍循環器学会が2017年に設立されて5年目となった。メジカルビュー社から『腫瘍循環器診療ハンドブック』が出版され,本年9月には第5回学術集会が開催される。本誌では2018年に「Onco-Cardiologyの新展開」として特集が組まれ,これまで多くの学会誌や雑誌で腫瘍循環器学の特集が組まれてきた。腫瘍循環器学に関する論文数を調べた報告によると,わが国の腫瘍循環器関連の論文数はアメリカ,イタリア,イギリス,カナダに次いで世界第5位となっており(Curr Probl Cardiol, 2022),一定の理解が進んでいるように思われる。一方,腫瘍循環器学が取り組む課題は多岐にわたり,わが国のこの領域に関する臨床データは残念ながらまだまだ不足している。がん患者に特化した心血管系のリスク層別化やモニタリング,早期診断と治療法の確立を図るためには,多施設連携による臨床データとエビデンスの蓄積が必要であるが,がんのハイボリュームセンターのホームページなどをのぞいてみても,私が腫瘍循環器に関わりだした2015年頃からがんセンターで働いている循環器医の数には大きな変化がないようである。
急速に発展するがん治療によりがん治療期間が延び,そしてがんサバイバーが増加するなかで,われわれ循環器医も最新の腫瘍循環器学で立ち向かう必要がある。今回の特集である「Onco-Cardiology Update」を企画するにあたり,ハイボリュームがんセンターと腫瘍循環器学研究をリードする施設の先生方に総説をお願いした。“診る”では「ハイボリュームがんセンターでの腫瘍循環器診療の実際」として,日々多くのがん患者さんを診療している腫瘍循環器医の立場から,志賀先生にはがん治療に関連した心機能障害,庄司先生には血栓症を,親川先生,村岡先生,飯田先生には高血圧症,西川先生,藤田先生には免疫チェックポイント阻害薬による心筋炎について,それぞれの施設の活動やデータなどを含めて解説していただいた。“識る”では「腫瘍循環器研究の最前線」として,石田先生にはアントラサイクリン心筋症,井上先生,田尻先生にはトラスツズマブ心筋症,森山先生,森先生,深田先生には造血幹細胞移植に関連した心機能障害,坂東先生にはチロシンキナーゼ阻害薬による心毒性について,それぞれの臨床研究,基礎研究の視点から解説していただいた。“治す”では「今後の腫瘍循環器診療の展望」と題し,宮原先生,泉先生にがん治療関連心機能障害への効果も期待される最新の心不全治療,木田先生,鈴木先生,佐々木先生には腫瘍循環器リハビリテーションの可能性,そして,大倉先生には腫瘍循環器学の将来像について紹介していただいた。
本特集が腫瘍循環器学に携わっている方々の知見のアップデートに役立ち,腫瘍循環器診療の刺激となれば幸いである。
岡 亨(埼玉県立がんセンター 副病院長)
目次
特集:Onco-Cardiology Update 企画・構成/岡 亨
・診る ハイボリュームセンターでの腫瘍循環器診療の実際
1 がん治療に関連した心機能障害 志賀太郎
2 がん治療に関連した血栓症 庄司正昭
3 がん治療に関連した高血圧症 親川拓也,村岡直穂,飯田 圭
4 免疫チェックポイント阻害薬関連心筋炎 西川達哉,藤田雅史
・識る 腫瘍循環器研究の最前線
5 アントラサイクリン心筋症の分子メカニズム 石田純一
6 トラスツズマブ心毒性の分子メカニズム 井上慶子,田尻和子
7 血液腫瘍の治療および造血幹細胞移植に関連した心機能障害 森山祥平,森 康雄,深田光敬
8 チロシンキナーゼ阻害薬による心血管毒性の分子メカニズム 坂東泰子
・治す 今後の腫瘍循環器診療の展望
9 がん治療関連心機能障害に対する新規心不全治療薬への期待 宮原大輔,泉 知里
10 腫瘍循環器リハビリテーションの可能性 木田圭亮,鈴木規雄,佐々木信幸
11 つながる・ひろがる・腫瘍循環器診療 大倉裕二
連載
・心臓の解剖【知っておきたい知識 -疾患の病態生理から治療へつなげる解剖学-】
第18回 心房内刺激伝導系構造の基本 井川 修
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書籍情報
- ISBN:9784008102610
- ページ数:92頁
- 書籍発行日:2022年9月
- 電子版発売日:2022年9月7日
- 判:A4変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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