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関節外科 2022年10月号 Vol.41 No.10 運動器疾患に対する体外衝撃波療法

  • ページ数 : 121頁
  • 書籍発行日 : 2022年9月
  • 電子版発売日 : 2022年9月14日
2,640
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商品情報

内容

特集:運動器疾患に対する体外衝撃波治療
 introduction
 体外衝撃波の基礎研究 見目智紀
 骨折後遷延癒合・偽関節に対する体外衝撃波治療

膝疾患に対する体外衝撃波治療/p> ほか

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序文

introduction

整形外科領域において,体外衝撃波治療(extracorporeal shock wave therapy;ESWT)は,比較的高い除痛効果と組織再生効果が期待され従来の物理療法と一線を画し,非常にホットな話題の1 つです。本号では,わが国における整形外科領域でのESWT の経験豊富な第一線の先生方に,運動器疾患におけるESWT の最新の情報を報告していただきたく,この特集を企画いたしました。

ESWT は第二次世界大戦中,爆発の衝撃波による肺障害が確認されて以来研究が進み,1950 年にソ連において膀胱内の結石破砕の報告がなされ,1972 年にドイツのDornier 社が体外衝撃波結石破砕術(extracorporeal shock wave lithotripsy;ESWL)の器機を開発して,1980 年以降ESWL がドイツから世界に広まっていきました。その後,その物理学的特性や生物学的効果についての基礎・臨床の研究が進み,1990 年前後から運動器疾患に対する物理療法としても用いられるようになりました。当初は集束型衝撃波(focused shock wave; FSW)のみでしたが,2000 年以降,拡散型圧力波(radial pressure wave;RPW)の器機開発が進んで急速に普及しています。

ESWT 関連の学会・研究会として,1997 年に欧州運動器衝撃波学会(European Society forMusculoskeletal Shockwave Therapy;ESMST),1999 年に国際衝撃波治療学会(InternationalSociety of Medical Shockwave Therapy;ISMST)が設立され,わが国においては,2016 年に日本運動器SHOCK WAVE 研究会(Japanese Orthopaedic Society of Shockwave Therapy;JOSST)が発足しています。こうした学会・研究会において,多くのアカデミックな情報が集積・議論され発信されています。

わが国においては,2008年に医薬品医療機器総合機構(Pharmaceuticals and Medical DevicesAgency;PMDA)が運動器疾患に対するESWT 器機を認可しましたが,保険収載に関してFSW は2012 年に難治性足底腱膜炎のみ認められたままです。また,RPW は筋腱付着部症,筋・筋膜性疼痛,疲労骨折などの多くの運動器疾患の消炎鎮痛等処置として認められましたが35 点/日と低い設定となっていて,普及の足かせになっています。

現在,ESWT は腱付着部症,腱炎,疲労骨折,偽関節,骨折・創の遷延治癒といったさまざまな運動器疾患に広く適応され,多くの臨床研究の成果が報告されて,物理療法として有効性が高いことが示されています。一方,無効例の存在,疾患ごとの至適照射エネルギー・照射間隔・照射回数,FSW とRPW の効果の違いや使い分け,費用負担の問題など,未解明・未解決な課題も多く残されています。

ESWT を含むどんな物理療法も,正しい知識の基に,適切な患者選択を行い,適切に使用しなければ,そして単独で用いるのではなく運動療法と併用しなければ,有効性を高め効果を持続させることはできません。ESWT のエキスパートの先生の情報が満載の本号を,医師のみでなく理学療法士,作業療法士,アスレチックトレーナー,柔道整復師,鍼灸師など幅広くセラピストの方々にも読んでいただき,明日からの日常診療に役立てていただければと思います。


あさひ病院スポーツ医学・関節センター
岩堀裕介

目次

特集:運動器疾患に対する体外衝撃波治療

introduction 岩堀裕介

体外衝撃波の基礎研究 見目智紀

骨折後遷延癒合・偽関節に対する体外衝撃波治療 落合信靖

膝疾患に対する体外衝撃波治療 高橋謙二

肩関節疾患 石灰化腱炎 平田正純ほか

上腕骨外側・内側上顆炎に対する体外衝撃波治療の実際 梶田幸宏

肘関節疾患 上腕骨小頭離断性骨軟骨炎 松浦哲也

野球による肘内側障害および

後方障害に対する体外衝撃波治療の実際 玉置大恵ほか

ばね指に対する体外衝撃波治療の実際 瀬戸口芳正ほか

アキレス腱障害に対する体外衝撃波治療の実際 小林佑介ほか

肩関節周辺神経障害に対する

集束型体外衝撃波治療の効果 伊藤岳史ほか

関節拘縮に対する拡散型圧力波の実際 水谷仁一ほか

体外衝撃波治療の筋損傷への応用の可能性 金森章浩ほか

難治性皮膚障害 野口幸志ほか

連載

話したくなる 整形外科 人物・用語ものがたり(第3回)

「Dupuytren拘縮:あんなにいっぱいあったのに,今はこれだけ?」 小橋由紋子

先生,そのエビデンス教えてください!(第6回)

「骨粗鬆症に対するかかと落としとは何ですか?」 宮城正行

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書籍情報

  • ISBN:9784008204110
  • ページ数:121頁
  • 書籍発行日:2022年9月
  • 電子版発売日:2022年9月14日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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