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Medical Practice 2022年7月号(39巻7号)内科医が知っておきたい摂食・嚥下障害~嚥下障害をきたす疾患背景とさまざまな対応・治療法

  • ページ数 : 152頁
  • 書籍発行日 : 2022年7月
  • 電子版発売日 : 2022年7月8日
2,860
(税込)
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商品情報

内容

特集テーマは「内科医が知っておきたい摂食・嚥下障害~嚥下障害をきたす疾患背景とさまざまな対応・治療法」.記事として,[総説]嚥下障害の疫学・現状,[セミナー]摂食・嚥下の5期モデルと摂食・嚥下障害を疑う所見,[トピックス]嚥下診療と感染対策,[この症例から何を学ぶか]筋萎縮性側索硬化症症例への取り組みについて,[One Point Advice]膵臓がんの外科治療のパラダイムシフト,社会のフレイル化,腹部の触診 他を掲載.

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序文

嚥下障害をきたす疾患背景とさまざまな対応・治療法


高齢化率が約3割となった現在,脳卒中や認知症,がん治療後などさまざまな原因による嚥下障害患者が増加しており,医療・介護施設・在宅では,摂食・嚥下障害に対して対応が必要な場面が非常に多くなっている.「患者をみたら,嚥下障害を疑え!」という意識が重要である.そのためには,嚥下障害を疑う所見や嚥下障害をきたしやすい疾患を理解しておくことが肝要である.

さて,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が蔓延した地域では,誤嚥性肺炎であっても,「肺炎」というだけでCOVID-19肺炎疑いとして,すぐに患者の入院治療ができなかったという事態を経験した先生方もおられるだろう.COVID-19パンデミックのように,通常の医療を受けることが難しい状況では,誤嚥による肺炎を極力予防する意識や注意が患者自身や介護者に求められる.

誤嚥の危険を減らし経口摂取を継続するための対策として,摂食・嚥下機能を考慮した食事形態や食品物性の調整,摂食姿勢の調整などがある.嚥下障害患者に対する機能補助食品として,とろみ調整食品で液体の粘性調整が,ゲル化剤で食品の固形化(ゼリーなど)が可能である.

嚥下障害に対する治療としては,食事の調整や嚥下訓練などの非侵襲的な対応が基本であるが,非侵襲的対応で改善しない場合には,外科的治療という選択肢もある.外科的治療は限られた施設でしか行っていないが,外科的治療により経口摂取再開や,気管切開カニューレなどからの吸引回数の減少,気管切開孔の閉鎖など患者・家族のQOLの向上が叶えられることから,適応がある場合にはぜひお勧めしたい治療法である.

本特集では,嚥下障害について広くまとめるとともに,対応や治療法について,最新の知見を含めて各専門家に執筆していただいた.特に,治療法については内科の先生方はあまり馴染みがないと思われるが,非常に有用な知識として興味をもっていただければ幸いである.明日からの臨床にお役立ていただけることを願っている.


上羽瑠美
東京大学医学部附属病院摂食嚥下センター/耳鼻咽喉科・頭頸部外科

目次

【特集】

扉……上羽瑠美

総説/嚥下障害の疫学と学会指針

嚥下障害の疫学・現状……古川竜也

「嚥下障害ガイドライン2018年版」のポイント……木村百合香

「日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2021」の内容と改訂点……栢下 淳

セミナー/さまざまな疾患・病態による嚥下障害の診療のポイント

摂食・嚥下の5期モデルと摂食・嚥下障害を疑う所見……中尾真理

準備期・口腔期の嚥下障害をきたす疾患と対応……辻村恭憲ほか

食道期の嚥下障害をきたす疾患と対応……後藤多嘉緒

嚥下障害が初発症状となりうる疾患─感染症(破傷風,ボツリヌス症,ウイルス性),脳卒中,頭頸部疾患,食道疾患など─……田中加緒里

脳卒中による嚥下障害……谷口 洋

神経筋疾患による嚥下障害……山本敏之

頭頸部癌と嚥下障害……藤本保志

移植治療と嚥下障害……佐藤 拓

小児の摂食嚥下障害……田村文誉

高齢者の嚥下障害……寺本信嗣

トピックス

嚥下障害の最新の画像診断……上羽瑠美

嚥下診療と感染対策……藤谷順子

治療/嚥下障害に対する対応や最新の治療

摂食嚥下障害患者への食事について─嚥下調整食・とろみ─……泉 綾子

嚥下リハビリテーション─間接訓練─……兼岡麻子ほか

嚥下リハビリテーション─直接訓練─……稲本陽子

嚥下障害に対する電気刺激療法……杉山庸一郎

嚥下機能改善手術……津田豪太

誤嚥防止手術……金沢英哲

この症例から何を学ぶか

筋萎縮性側索硬化症症例への取り組みについて……小山美咲ほか

Self-assessment test

※本号では,座談会は休載いたしました.

【連載】

One Point Advice

膵臓がんの外科治療のパラダイムシフト……元井冬彦

うちの母(おかん)が,めまい(2)……山中敏彰

社会のフレイル化……大村卓也

COVID-19肺炎を呈した妊婦への抗体薬治療……高橋 孝ほか

あれ? こんなところに検体が残っているね……下澤達雄

腹部の触診……小川貴央

高齢者の食欲と減塩……葛谷雅文

ビタミンDを充足させるのは難しい?……佐藤弘恵

今月の話題

新型コロナウイルスワクチン接種後の血小板減少を伴う血栓症……安本篤史

知っておきたいこと ア・ラ・カルト

ALS患者のジレンマとブレインマシンインターフェースへの期待……平田雅之

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書籍情報

  • ISBN:9784011303907
  • ページ数:152頁
  • 書籍発行日:2022年7月
  • 電子版発売日:2022年7月8日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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